(Image:Caracol Radio)
2026年5月31日に実施予定のコロンビア大統領選挙を前に、複数の世論調査機関が発表した最新調査では、決選投票におけるさまざまな対戦シナリオが示されている。調査では、イバン・セペダ(Iván Cepeda)が与党「歴史協定(Pacto Histórico)」の公認候補として中心的な位置を占めている。
各調査は、セペダ、アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ(Abelardo de la Espriella)、パロマ・バレンシア(Paloma Valencia)、セルヒオ・ファハルド(Sergio Fajardo)、クラウディア・ロペス(Claudia López)といった主要候補の対決構図を想定している。
結果は決選投票の組み合わせによって大きく変動しており、セペダが優勢となるケースがある一方で、デ・ラ・エスプリエジャやバレンシアが上回る調査も存在する。ファハルドやロペスとの対決ではセペダ優位の傾向が見られるが、棄権や白票の割合が結果を左右する重要な要素となっている。
ガルモ&エコアナリティカ(Guarumo & Ecoanalítica)
調査期間:5月11日〜19日
・セペダ vs デ・ラ・エスプリエジャ
セペダ:40.0%
デ・ラ・エスプリエジャ:43.6%
無回答・棄権等:16.4%
・セペダ vs バレンシア
セペダ:39.9%
バレンシア:44.8%
無回答・棄権等:15.3%
・デ・ラ・エスプリエジャ vs バレンシア
デ・ラ・エスプリエジャ:32.2%
バレンシア:30.3%
無回答・棄権等:37.5%
インヴァマー(Invamer)
調査「Colombia Opina #22」(5月13日〜20日)
・セペダ vs デ・ラ・エスプリエジャ
セペダ:52.4%
デ・ラ・エスプリエジャ:45.3%
白票:2.3%
・セペダ vs バレンシア
セペダ:52.8%
バレンシア:44.3%
白票:2.9%
・セペダ vs ファハルド
セペダ:62.1%
ファハルド:33.7%
白票:4.2%
・セペダ vs ロペス
セペダ:64.8%
ロペス:28.5%
白票:6.7%
同調査では、有権者の48.4%が「反政府候補」を支持し、47.9%が「現政権支持候補」を支持しているとされる。
アトラス・インテル(Atlas Intel)
調査期間:5月18日〜21日(週刊誌セマナ向け)
・セペダ vs デ・ラ・エスプリエジャ
セペダ:41.3%
デ・ラ・エスプリエジャ:50.0%
白票・無効票:8.8%
・セペダ vs バレンシア
セペダ:41.5%
バレンシア:44.6%
白票・無効票:13.9%
・セペダ vs ファハルド
セペダ:38.7%
ファハルド:38.8%
白票・無回答:22.5%
国家コンサルティングセンター(Centro Nacional de Consultoría:CNC)
調査期間:5月16日〜22日
・デ・ラ・エスプリエジャ vs セペダ
デ・ラ・エスプリエジャ:43.6%
セペダ:40.9%
・バレンシア vs セペダ
セペダ:40.8%
バレンシア:39.1%
アトラス・インテル(Atlas Intel)による第一回投票に関する調査結果
なお、アトラス・インテルが5月23日に発表した第一回投票における最新世論調査では、イバン・セペダとアベラルド・デ・ラ・エスプリエジャの間で事実上の接戦が生じていることを示した。
同調査によれば、セペダが38.7%で首位に立ち、デ・ラ・エスプリエジャが37.3%で追随している。この結果は、2026年に向けた選挙戦の中でも特に僅差の競争となっていることを示すものである。
一方で、パロマ・バレンシアは前回調査と比較して支持率が低下しているとされる。また、セルヒオ・ファハルドおよびクラウディア・ロペスは、依然として支持拡大に苦戦している状況にある。
この調査結果は、選挙戦の進行に伴い有権者の支持構造が変化していることを示しており、決選投票進出をめぐる競争が一層激化している状況を反映している。
選挙キャンペーン終わる
コロンビア大統領選挙は投票直前の週末、主要候補による大規模集会が各地で実施され、事実上の最終局面を迎えた。ボゴタ、メデジン、バランキージャの3都市に有力候補の動きが集中し、選挙戦は強く分極化した構図のまま締めくくられた。
イバン・セペダはバランキージャ(Barranquilla)、アベルアルド・デ・ラ・エスプリエジャはメデジン(Medellín)、パロマ・バレンシアはボゴタ(Bogotá)でそれぞれ最終集会を実施した。いずれも大規模な動員を伴うイベントとなり、支持層の結束を強調する場となった。
選挙運動はこの日をもって終了し、公共広場での集会および世論調査の公表が禁止される静穏期間に入っている。
今回の選挙戦は序盤から続いてきた政治的分断が解消されないまま終盤を迎えた。各候補は政策論争よりも、自らの政治路線の正当性を強調し、支持層の動員に重点を置いた。
主要候補間の公開討論は行われず、対立は街頭演説や集会の形に限定された。選挙は終了し、有権者の判断を待つ段階に入っている。
世論調査では、セペダとデ・ラ・エスプリエジャが決選投票進出の有力候補とされる一方、バレンシアも一定の支持を維持している。調査結果には機関ごとの差があるが、上位2人の接戦構図が中心とされる。
各候補の主張と立場
セナドールであり、与党連合「歴史協定(PH)」の大統領候補であるイバン・セペダは、選挙活動の最終局面においてボゴタ、カルタヘナ、バランキージャの3都市に重点を置いて活動を行い、前週金曜日にはボゴタのボリバル広場(Plaza de Bolívar)に参加し、翌日にカルタヘナへ移動してラ・ボキージャ(La Boquilla)地区で集会を実施した。その場でグスタボ・ペトロ政権の施策を擁護し、コロンビア中央銀行(Banco de la República)が金利政策において行った決定を批判したうえで、現政権の政策路線の継承と社会政策の維持、地域格差の是正および貧困層や歴史的に疎外されたコミュニティ、暴力の被害者への対応を強調した。
最終的な選挙集会はバランキージャで実施され、アトランティコ県の州都中心部北側の50番通りで行われた集会には、マリア・ホセ・ピサロ(María José Pizarro)やガブリエル・ベセラ(Gabriel Becerra)などペトリスモ(petrismo)の指導者が同行し、セペダは演説においてペトロ政権の政策路線を継承する選択肢として自身を位置付けつつ制度的な穏健さも強調し、「私は権威主義的な統治は行わない」と述べたうえで、大統領府であるナリーニョ宮殿(Casa de Nariño)には必要最小限の期間しか滞在せず各地域を巡って住民との距離を縮める意向を示し、「私たちの最大の責務は貧困層、歴史的に疎外されたコミュニティ、そして暴力の被害者にある」と述べた。
さらにバランキージャではカリブ海地域における自身の家族的背景にも言及し、対立候補であるアベルアルド・デ・ラ・エスプリエジャを支持する政治勢力および一部メディアに対して批判を行い、演説の最後にはペトロ大統領の政治的立場を強調して政権継承を約束し、「最初に行うことはペトロ大統領への敬意表明である」と述べ、その後支持者に向けて「大統領万歳」と締めくくった。
アベルアルド・デ・ラ・エスプリエジャはメデジンのラ・マカレナ(La Macarena)で集会を行い、「アンティオキアからコロンビアの再建が始まる」と述べ、治安回復と国家秩序の再建を強調したうえで、現政権およびその継承者への批判を展開し、政治階級とは異なる立場であることを強調して支持の結集を図った。またエスプリエジャは「ファームス・ポル・ラ・パトリア(Firmes por la patria)」を掲げる弁護士であり、右派支持層の支持を集めるアウトサイダー候補として位置づけられ、アルゼンチンのハビエル・ミレイ(Javier Milei)やエルサルバドルのナイブ・ブケレ(Nayib Bukele)と比較されることがある。
メデジンでの集会はラ・マカレナ会場で開催され、LEDスクリーン、照明、音楽演出が設置され、観客は白いシャツやコロンビア代表ユニフォームを着用しながら応援や音楽に参加した。副大統領候補ホセ・マヌエル・レストレポ(José Manuel Restrepo)は「この集会が最後の公のイベントになる」と述べて勝利への確信を示し、エスプリエジャ自身も演説で改めて「アンティオキアからコロンビア再建が始まる」と述べるとともに「政治階級とは異なる」と強調し、さらにペトロ政権およびセペダ、ダニエル・キンテロ(Daniel Quintero)への批判を行い、自身の警備体制への批判にも言及した。
パロマ・バレンシアはボゴタのモビスタール・アリーナ(Movistar Arena)で支持者を集め、数千人規模の動員のもと秩序と規律、制度的安定を強調し、選挙予測ではなく選挙結果そのものを重視する姿勢を示して「勝利のために戦う」と発言するとともに、「孤立した大統領にはならない」と述べて国民との距離を縮める姿勢を示した。このイベントには民主センター(Centro Democrático:CD)の候補としてグラン・コンサルタ(Gran Consulta)後に支持を受けた各分野の政治指導者が参加し、副大統領候補フアン・ダニエル・オビエド(Juan Daniel Oviedo)と共に登壇したバレンシアは、規律と秩序およびペトリスモ(petrismo)の選挙敗北の必要性を強調し、自身の立候補が「コロンビアへの愛、自己犠牲、困難への耐性」によって支えられていると述べたうえで、世論調査に依存しない選挙運動であることを繰り返し強調し、「私たちは世論調査に勝つためにではなく、選挙に勝つために作られている」と発言した。また副大統領候補オビエドの選定についてウリビスモ(uribismo)内部で批判があった点に触れつつ「私は間違っていたと言う人もいるが、逆であり完璧な選択であった」と反論し、さらに国家元首となった場合には地方との継続的関係を維持して権力の孤立化を避ける意向を示し、「私は孤立した大統領や水槽の中に閉じ込められた大統領にはなりたくない」と述べた。
このイベントには元副大統領マルタ・ルシア・ラミレス(Martha Lucía Ramírez)をはじめ、マウリシオ・カーデナス(Mauricio Cárdenas)、フアン・カルロス・ピンソン(Juan Carlos Pinzón)、アニバル・ガビリア(Aníbal Gaviria)、フアン・マヌエル・ガラン(Juan Manuel Galán)などグラン・コンサルタ参加者が出席したほか、ボゴタでの最終集会の前にはアンティオキア県エンビガド(Envigado)でも政治イベントを実施し、アルバロ・ウリベ(Álvaro Uribe)元大統領とともに参加した。さらに同会場ではタンゴおよびトロピカル音楽の演目が行われ、同時にグスタボ・ペトロ政権への批判を通じて国家の方向転換の必要性が訴えられた。
また選挙終盤の動きとして、バレンシアはバランキージャのホテル・エル・プラド(Hotel El Prado)でセルヒオ・ファハルド(Sergio Fajardo)と非公開会談を行い、政治的協力の可能性を模索したものの最終的に両者の政治的相違が確認され、ファハルドはバレンシアへの支持を拒否してセンター民主党の政治路線から距離を置く姿勢を示し、「私たちが代表する遺産のために戦う。それは異なるものである」と述べたうえで、今回の選挙が自身にとって最後の大統領選挙であるとし「70歳の私にとって、これが最後の大統領選挙である」と発言した。
中道的な政治思想に位置付けられるセルヒオ・ファハルドとクラウディア・ロペス(Claudia López)は、選挙戦終盤にそれぞれ象徴的な場所で活動を締めくくった。
ファハルドはアンティオキア県の中心都市メデジンを訪れ、コミューン13(Comuna 13)から演説を行った。同地についてファハルドは「市長就任当初は人が一人も入らない場所だったが、現在ではコロンビアで最も訪問者の多い場所となっている」と述べ、都市再生の象徴として位置づけたうえで、「暴力や対立は必要ではない。傷つける必要もない。そのようなことをコロンビア全土で実現できる」と語り、非暴力と地域改善を軸とした政治姿勢を強調した。
一方ロペスは大規模な集会を行わず、ボゴタ南部のシウダ・ボリバル(Ciudad Bolívar)地区にある自身が「最初の家」と呼ぶ場所を訪問する形で活動を締めくくった。ロペスはそこで「ここに戻ることで自分の出発点を思い出し、これまでの努力や、日々生活のために働くコロンビアの家庭を思い起こす」と述べ、生活者の視点に立脚した政治姿勢を示した。
両者の動きは、象徴的な地域や原点回帰の場を通じて政治的メッセージを発信する形となった。
一方、有力大統領候補3名はいずれも大規模集会を通じて選挙戦を締めくくり、支持基盤の結束を固めることを目的としていた。第一回投票まで1週間を切る中で、次期大統領はこれら主要候補のいずれかから選ばれる見通しとなっている。選挙戦は最後まで明確な優位が定まらないまま終了し、その結果は完全に有権者の判断に委ねられる形となった。
参考資料:
1. ¿Quién ganaría en segunda vuelta? Escenarios, según últimas encuestas presidenciales de mayo 2026
2. La cuenta final: así fueron los cierres de campañas, ¿qué viene ahora?
3. Cierre de campañas presidenciales: plazas llenas, discursos encendidos y un país más polarizado que nunca

No Comments