エクアドル国会解散:大統領選挙に意欲を示す9人とは誰であるのか

5月18日、ギジェルモ・ラッソ(Guillermo Lasso)共和国大統領が国会を解散してからと言うもの、誰が次の大統領選挙に出馬するのかが話題となっている。 それとともに、大統領選へ意欲を示す人々が名乗りを上げている。 国会解散から、1週間もたたないうちに、このような状況にあるのは全国選挙管理委員会(CNE)が、 投票日を8月20日(暫定)に設定した事が挙げられる。CNE自身もスケジュール的にタイトであると言う理由から推薦を急ぐようにと各政党に通達している。ラッソ自身は次の選挙で再び大統領選に出馬するつもりはないと米紙ワシントン・ポストとのインタビューで語っている。また、自らの後任が誰になるかは心配していないとまで言及した。大統領によると、国会を解散して選挙を前倒ししたのは、弾劾を回避するための決断ではなかった。むしろ自分を権力の座から引きずりおろすのに十分な票が国会にないという情報を入手していた一方で国会を解散したのは、自分のプロジェクトを常に妨害してくる国会に「うんざり」していたからだと認めている。

ジャーナリストで元議員のフェルナンド・ビジャビセンシオ(Fernando Villavicencio)は誰よりも早く候補者擁立のための会話をしたようだ。報道によると国会解散の数時間後には様々な立場やイデオロギーをもったセクターと会話を開始しており、例えばキリスト教社会主義(socialcristiano)で元大統領のレオン・フェブレス=コルデロ(León Febres-Cordero)の娘であるリリアナ・フェブレス=コルデロ(Liliana Febres-Cordero)との対話を持ったとされている。彼は木曜日になると「私たちが幸せになれるよう、正義と平和をもたらすことに尽力する」と、Twitterを通じ語った。Construye運動(旧Ruptura 25)もまた2023年5月19日夜、フェルナンド・ビラビセンシオや他の指導者と「最初の合意」に達したと報告している。

 

前回の大統領選挙で惜しくも第1回投票でギジェルモ・ラッソに敗北し、決選投票に進めなかったヤク・ペレス(Yaku Pérez)は国会解散に対してその違憲性を主張する仲間達を横目に、自らの考えを述べている。ペレスによれば、マイノリティや社会的集団の代表となる候補者を選ぶためには、全国規模の大きなミンガを設置する必要があるという。自分が選ばれるとは直接言っていないものの、ペレスはすでに元コレア主義で大臣のグスタボ・ラレア(Gustavo Larrea Cabrera)と共に行動を開始している。ペレスはエクアドル先住民連合(CONAIE)の政治組織パチャクティック(Pachakutik)に所属している。

 

2021年、ラッソに決選投票で敗れたアンドレス・アラウス(Andrés Arauz)を忘れてはならない(詳細はこちら)。彼もまた有力な候補者の一人だ。2年前との違いはアラウスには自分と似た人物(コレア主義を継承)、つまりライバルがいると言うことだ。アラウスの良きジョギング仲間のカルロス・ラバスカル(Carlos Rabascall)もカロンデレットの議席を考えていることによる。ラバスカルはTwitterを通じエクアドル先住民連合代表レオニダス・イサ(Leonidas Iza)との同盟を模索を模索していることを発表。直接面識はないもののイサについてラバスカルは「彼は国の重要な部門とその闘争を代表している」ことは知っていると述べている。

https://twitter.com/tiemporealec/status/1659410925563068417

 

実業家のダニエル・ノボア・アシン(Daniel Noboa Azín)は6度も大統領候補となった父アルバロ・ノボア(Álvaro Noboa)を持つ。サンタエレナ(Santa Elena)の元議員であるノボアは、Twitterを通じ「今こそ前に進み、決断し、エクアドル人の要求を引き受ける時だ」と述べている。

 

オット・ソンネンホルツナ(Otto Sonnenholzner)は複数政党から期待を寄せられている。レニン・モレノ(Lenín Moreno)政権時副大統領を務めていた。彼は2021年の選挙において立候補を断念しており、また、グアヤキル市長選でも似たようなことが起こった。彼は立候補に向けいくつかの組織と連合を組んでいると語っている。ラファエル・コレア(Rafael Correa)前大統領に対し、「(コレアは)私の立候補に懸念を示すことで間違いを犯していると思うし、個人的には前世紀のレッテルを共有するつもりはない」と。また今回の政治危機について「この危機は、エクアドル国民のニーズよりも自分たちの利益を優先した政治家層の無責任さの結果だ。この国は、これ以上の分裂と不安定に値せず、冷静さを取り戻し、本当の意味での危機への希望を強めるために、我々は努力しなくてはならないのである」と批判的に現状を分析する。

 

Pachakutikはペレスの以外のオプションも考えている。それはサルバドル・キシュペ(Salvador Quishpe Real)だ。事実予備候補として指名すると発表した。元県知事でもあるキシュペは「社会、政治、環境、行政の仕事における十分な経験」があると言うのがその根拠だ。Pachakutikはエクアドル人全員の尊厳を保証するためにPachakutikに投票するようアピールしている。

 

元コトパクシ(Cotopaxi)議員のダルトン・バシガルポ(Dalton Bacigalupo)もまた「エクアドルの大統領選の選択肢」としての自分をSNSでアピールしている。現時点では彼の支持基盤民主左派(Izquierda Democrática:ID)は彼が予備候補になるとは言及していない。

 

前キト市長のホルヘ・ユンダ(Jorge Yunda、グアヤキルの弁護士ペドロ・グランハ(Pedro Granja)とともに自身のソーシャルネットワークで動画を公開している。両者とも国家の統一について語っており、これは臨時選挙への最初のアプローチなのかと尋ねられたユンダは、大統領選挙に向けた政治指導者の連合を組んでいると説明した。ただし、誰を副大統領にすえるかなどはまだ定めていないと説明した。

 
 
 
 
 
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今回のMuerte cruzadaに関する別記事はこちらから。
なお5月21日時点の情報であり、候補者は増減の可能性がある。

 

参考資料

1. Nueve políticos se apuntan para las elecciones presidenciales de agosto
2. Lasso dice a The Washington Post que no intentará ser presidente nuevamente

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