コロンビア:マグニチュード7.4の地震、少なくとも111人が死亡、そしてエクアドルの状況

(Photo:ERNESTO GUZMAN JR)

コロンビアで8月10日月曜日、マグニチュード7.4の強い地震が発生し、少なくとも111人が死亡した。地震はコロンビアの広い範囲で感じられ、首都ボゴタ(Bogotá)や第3の都市カリ(Cali)、中部のペレイラ(Pereira)などで建物への被害が確認されたほか、エクアドルとパナマでも揺れが観測された。

コロンビア地質調査所(Servicio Geológico Colombiano:SGC)によると、地震は現地時間午前7時34分(12時34分GMT)に発生した。震央は太平洋岸のチョコ県(Chocó)サン・ホセ・デル・パルマル(San José del Palmar)付近で、震源の深さは82キロメートルであった。一方、米国地質調査所(United States Geological Survey:USGS)は、震源の深さを約100キロメートルとしている。

エクアドルの国立工科大学(Escuela Politécnica Nacional)の地球物理学研究所(Instituto Geofísico:IG)は、震源の深さを96キロメートルとしている。コロンビア地質調査所(SGC)と米国地質調査所(USGS)は、地震が約4分間続いたと明らかにしている。津波警報は発令されなかった。

Photo:SANTIAGO SALDARRIAGA

 

コロンビア各地で建物や空港に被害

被害が特に大きかった地域の一つが、コロンビア中部リサラルダ県(Risaralda)の県都ペレイラである。ペレイラでは少なくとも111人の死亡が確認され、建物の倒壊などが発生した。午前10時までには19人の死亡が確認されていた。

ペレイラのマテカニャ国際空港(Aeropuerto Internacional Matecaña)でも被害が発生し、エフェ通信(EFE)によると、複数の人がいた区域で屋根の一部が剥落した。さらに、マニサレス(Manizales)、キブド(Quibdó)、アルメニア(Armenia)、カルタゴ(Cartago)、ブエナベントゥラ(Buenaventura)の少なくとも5つの空港でも被害が確認された。航空便は停止され、実際の被害状況の確認が進められている。

チョコ県では、県知事のヌビア・カロリナ・コルドバ・クリ(Nubia Carolina Córdoba-Curi)が、震央はサン・ホセ・デル・パルマルだったものの、県都キブドでも負傷者が出ており、建物に深刻な被害が発生していると明らかにした。県当局は被害状況の調査を進め、最初の公式報告をまとめるとしている。

 

カリでも少なくとも20棟の建物が損傷した。カリ市長のアレハンドロ・エデル(Alejandro Eder)は市民に冷静な行動を呼びかけ、建物に明らかな構造的損傷がないか確認するよう求めた。エデルは、安全を感じられない場合や大きな亀裂が確認された場合には建物から避難し、救助隊を必要な形で支援するとともに、自身と周囲の安全を確保するよう呼びかけた。

現地メディアは、建物の外壁が崩落する様子を映した映像も報じた。ボゴタでは建物からの避難が行われた。複数の住民はサイレンの音の中、パジャマ姿で街頭へ避難した。

イバゲ(Ibagué)では、市長のヨハナ・アランダ(Johanna Aranda)が県内のすべての教育機関で授業を中止すると発表した。

Photo:SANTIAGO SALDARRIAGA

 

政府が統合指揮所を設置

アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ(Abelardo de la Espriella)大統領は、地震による被害と被災者への対応を調整するため、国家災害リスク管理局(Unidad Nacional para la Gestión del Riesgo de Desastres:UNGRD)に統合指揮所(Puesto de Mando Unificado)を設置するよう命じた。

対象地域にはチョコ県、コーヒー産地地域などの被災地域が含まれる。デ・ラ・エスプリエジャ大統領は、サン・ホセ・デル・パルマルの緊急事態への対応を自ら指揮すると表明し、国家災害リスク管理局(UNGRD)局長に対して状況と最も緊急性の高いニーズについて詳細な報告を求めた。

 

また、被災者に寄り添い、政府の対応を確認するためペレイラにも向かうと表明した。Xへの投稿では、困難な状況に直面している国民に対し、「皆さんは一人ではない」と述べ、国家が現場に存在して行動していると表明した。さらに、被災地域を守り、支え、立て直すために必要なことをすべて行うと述べた。

 

一方、元大統領のグスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)は、国家災害リスク管理局(UNGRD)の職員に対し、コロンビア最大の水力発電プロジェクトであるイドロイトゥアンゴ(Hidroituango)で何が起きているのかを説明するよう求めた。ペトロは、同地域が最大のリスクであると述べた。

 

エクアドルでも広範囲で揺れを観測

地震はコロンビア西部で強く感じられたほか、エクアドルの広い範囲でも観測された。

地球物理学研究所(IG)によると、地震の規模はマグニチュード7.4 Mwで、震央はコロンビア・チョコ県サン・ホセ・デル・パルマルに位置した。エクアドル大陸部では広範囲で揺れが感じられ、午前10時までに、地球物理学研究所(IG)のウェブサイトやソーシャルメディアを通じて提供されている「地震を感じた(Sintió el Sismo)」アプリには57件の報告が寄せられた。これらの報告によると、エクアドルの複数の県で揺れが感じられ、住民は全般的に軽度から中程度で、長時間続いた揺れだったと説明している。

地球物理学研究所(IG)は、推定される最大のマクロ地震強度が欧州マクロ地震尺度(European Macroseismic Scale:EMS-98)で4となった地域として、カルチ県(Carchi)、インバブラ県(Imbabura)、エスメラルダス県(Esmeraldas)を挙げた。この強度は、住民の大半が地震を広く感じる一方、建物への被害は予想されない水準である。

ピチンチャ県(Pichincha)、コトパクシ県(Cotopaxi)、マナビ県(Manabí)、グアヤス県(Guayas)、トゥングラワ県(Tungurahua)では、推定される最大強度が3となった。これは、人口のかなりの部分が地震を感じるものの、建物への被害は発生しない水準であり、揺れは全般的に軽度と説明された。

首都キト(Quito)では、高層建築物にいた人々が揺れを感じた。コロンビアと国境を接するカルチ県に隣接するインバブラ県では、市民が強い揺れを感じ、安全を確保するため住宅から外へ避難したとエフェ通信(EFE)に語った。

また、サント・ドミンゴ・デ・ロス・ツァチラス県(Santo Domingo de los Tsáchilas)とロス・リオス県(Los Ríos)のほか、コロンビアと国境を接する沿岸部のエスメラルダス県、グアヤス県、マナビ県からも揺れを感じたとの報告が地球物理学研究所(IG)に寄せられた。

地震発生後、国家リスク管理局(Secretaría Nacional de Gestión de Riesgos)は、エクアドル全土で監視と揺れの体感状況に関する調査を実施していると発表した。現時点では死傷者や物的被害に関する情報はないとしている。

Photo:SANTIAGO SALDARRIAGA

 

パナマでも建物や病院から避難

パナマでも強い揺れが観測され、エフェ通信(EFE)によると、建物や病院からの避難が行われた。エクアドルとパナマに加え、ベネズエラでも揺れが感じられた。

 

エクアドルの地震リスクと2016年の被害

今回の地震を受け、エクアドルで同規模の地震が発生した場合の建築物の脆弱性や防災計画に対する懸念が生じている。エクアドルで近年発生した最大規模の地震は、2016年4月16日にマナビ県を震央として発生したマグニチュード7.8の地震である。この地震では約700人が死亡し、数千棟の建物が倒壊・損壊した。

エクアドル国際大学(Universidad Internacional del Ecuador:UIDE)でリスク管理学修士課程の教員兼コーディネーターを務めるダビド・ベナビデス(David Benavides)は、エクアドルには大規模な地震を監視し、対応するための技術的な手段があるものの、大きな被害を伴う地震に十分対応できる状態にはないと指摘する。

地震を予測することは科学的にできないが、常に存在する地震の脅威を踏まえ、地域の対応能力を評価する必要がある。

Photo:ERNESTO GUZMAN JR

 

エクアドルの地震監視体制

ベナビデスによると、エクアドルには地震監視体制などの制度面での強みがある。国立工科大学の地球物理学研究所(IG)は200台を超える監視機器によるネットワークを運用しており、地震発生から数分以内に初期情報を取得できる。このほか、緊急事態対応委員会(Comités de Operaciones de Emergencia:COE)、捜索・救助手順、2016年にマナビ県とエスメラルダス県を襲った甚大な地震への対応で蓄積された経験がある。

一方、地震を検知できることが、その影響を軽減するための十分な備えを意味するわけではない。エクアドルは地震活動が活発な地域に位置しており、脆弱な建築物や非正規の建築物、社会経済的・地域的な格差、土地利用計画上の深刻な問題によって、被害が拡大する可能性がある。

ベナビデスは、エクアドルには対応するための技術的・制度的能力があるものの、大規模地震に対して均一かつ効果的な対応を保証できる状態にはないと述べる。

大規模な地震が発生した場合には、建築物の倒壊、道路の寸断、通信障害、病院の損傷、水道や電力の供給停止が同時に発生する可能性がある。こうした被害が重なることで、緊急対応システムが急速に逼迫し、住民の強制的な避難や移動、深刻な物資不足が生じる可能性もある。

 

地域によって異なる地震リスク

ベナビデスは、地方都市と農村地域の格差が状況をさらに悪化させると指摘する。正式な基準に基づいて建設された建築物と非正規の建築物、十分な資源を持つ住民と困窮した状況にある住民、高い技術的能力を持つ自治体と資源の乏しい自治体との格差によって、エクアドルの地震リスクは地域によって大きく異なる。

災害の影響と復旧は、こうした社会的・地域的な不平等と深く関係している。また、同じ場所に同じ問題を抱えた状態で再建し、同じ地域的な脆弱性を残すことは、時間の経過とともにリスクを再生産することになるとベナビデスは指摘する。

専門家によると、最大の課題は、災害が発生する前に脆弱性を減らすことである。急速な都市化、不安定な地域への居住、都市周辺部の拡大、住民による自主建築などが、リスクを高める要因となっている。

2016年4月16日の地震では、ペデルナレス(Pedernales)を震央として数千棟の建物が倒壊・損壊した。そのため、土地利用に関する規制を強化し、地域の条件に適合した建築基準を適用するとともに、地域住民の積極的な参加を促すことが必要とされている。

ベナビデスは、エクアドルは数十年前と比べれば、地震監視や緊急対応の調整という点で備えが進んでいるものの、強い地震が大規模な危機へと発展するのを防ぐには、物理的、環境的、社会的、経済的な脆弱性という課題をなお解消する必要があると述べる。さらに、地震そのものが単独で災害を引き起こすのではなく、災害は蓄積された脆弱性から生じると指摘している。そのうえで、土地利用のあり方を変え、適切な計画を立てることが、この状況を変えるための軸になるとしている。

#DRR #地震 #環境正義

 

参考資料:

1. Terremoto de magnitud 7.4 sacude a Colombia: se sintió en Ecuador y Panamá
2. ¿Con qué intensidad se sintió en Ecuador el terremoto que afectó a Colombia? Esto dice el IG sobre la intensidad
3. ¿Ecuador está preparado para un terremoto de gran magnitud? Esto dice un experto
4. Fotos del terremoto en Colombia y Ecuador de magnitud 7,4

No Comments

Leave a Comment

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

error: Content is protected !!