(Photo:A.P.)
オンブズマン(Defensoría del Pueblo)は2015年4月、違法作物へのグリホサート散布を停止するよう求めた保健省の勧告を支持した。同機関はプトゥマヨ県の先住民コミュニティを訪問し、グリホサートによる航空散布について住民から証言を集め、健康や天然資源、農作物などへの影響をまとめた。
調査は、オリト(Orito)、プエルト・カイセド(Puerto Caicedo)、ビジャガルソン(Villagarzón)の先住民保護区(resguardos)の指導者らが提起した憲法上の権利保護請求(tutela)を受け、憲法裁判所(Corte Constitucional)がオンブズマンに現地調査を要請したことを受けて実施された。
オンブズマンの代表者らは2015年2月から3月にかけて10のコミュニティを訪問し、378世帯、1,378人から証言を収集した。このうち486人が子どもであった。
グリホサート散布による被害を住民が証言
オンブズマンによると、訪問地域ではグリホサートの航空散布が2000年から2007年まで継続的かつ集中的に行われ、2008年に中止された。その後、2011年に再開され、2014年9月まで3カ月ごとに実施されていた。先住民族の住民は、グリホサート散布によって15カ所の水源が汚染されたと訴えていた。内訳は11本の小川、2本の河川、ビジャガルソンのエル・コフレ川(El Cofre)とサンタ・ロサ川(Santa Rosa)にある2カ所の湧水地であった。
また、調査対象となったすべてのコミュニティは、健康、天然資源、自給用作物、土壌、生態系への被害について証言した。ヤマアラシ、アルマジロ、シカなど、回復が困難な動物種が失われたとの訴えもあった。
健康への影響については、皮膚疾患、消化器疾患、呼吸器疾患のほか、頭痛や中毒症状が頻繁に発生し、子どもには下痢や発熱などの症状が見られたと住民は訴えた。農作物についても、ゴムノキ、トウモロコシ、タマネギ、サトウキビ、バナナ、キャッサバ、チョンタドゥロなどに大きな損失が生じたと主張した。
水源や漁業への影響も報告
プエルト・カイセド市のYu’cxijmeも、オンブズマンが調査した先住民コミュニティの一つだった。同コミュニティは118世帯で構成されており、住民によると、航空散布は長期間にわたって行われた。当初、住民はヘリコプターから散布されている物質が何なのか知らず、何が起きているのかについて説明を受けることも、事前に警告されることもなかったという。
住民が散布による影響を認識するようになったのは、トウモロコシ、バナナ、タマネギ、キャッサバなどの自給用作物が減少したためだった。これらは住民の生活を支えるために必要な作物である。
水域についても、ピヌニャ・ブランコ川(Piñuña Blanco)、アグア・ブランカ小川(Agua Blanca)、エル・サルサル小川(El Salsal)、パルマ・ベルデ小川(Palma Verde)、カリサル小川(Carizal)、アグア・モナ水路(Agua Mona)などが汚染されたと住民は訴えた。魚が死に始め、先住民コミュニティにとって日々の生活を支えていた漁業も成り立たなくなったという。
さらに、グリホサートの散布後、下痢、風邪、発熱、嘔吐、頭痛などの症状が相次いで発生したと住民は証言した。数十人が同様の症状を訴え、病院での治療を必要とするケースもあったという。植物がグリホサートによって汚染されているため、伝統医も自然の薬を使用した治療に危険を感じていたとされる。
住民の移動にも影響
住民の移動への影響も報告された。オンブズマンが訪問した2つの先住民族自治組織(cabildos)では、以前は一方に32世帯、もう一方に20世帯が暮らしていたが、調査時点で残っていたのはそれぞれ10世帯と1世帯であった。オンブズマンは、航空散布による強制的な避難に加え、非合法武装組織による継続的な圧力によって、住民の帰還が妨げられていると指摘した。
今回の調査では、10のコミュニティ、378世帯、1,378人が確認され、そのうち486人が子どもであった。オンブズマンは、これらのコミュニティが、違法作物へのグリホサート散布による影響と関連する共通の問題を訴えているとした。そこには、生命、個人および共同体としての完全性、文化的アイデンティティ、伝統的な生活実践、環境、水源や動植物などの天然資源への影響が含まれていた。
オンブズマン、散布停止を支持
オンブズマンは、グリホサート散布の停止を支持するとともに、政府と所管当局に対し、被害を受けた住民の権利を包括的に保護し、保障するための措置を講じるよう求めた。
保健大臣のアレハンドロ・ガビリア(Alejandro Gaviria)は、グリホサート散布の停止を求めた理由について、この物質が発がん性を有する可能性を示す新たな研究結果が出たためだと説明した。また、憲法裁判所が、健康への危険を示す兆候がある場合には予防原則(principio de precaución)を適用すべきだとしていることにも言及した。
「グリホサート散布はすでに終わらせるべき問題」
同年7月には、オンブズマンのホルヘ・アルマンド・オタロラ(Jorge Armando Otálora)も、カタトゥンボ地域(Catatumbo)における違法作物の増加と、グリホサートによる航空散布の再開をめぐる議論について発言した。この発言は、司法警察局(Dirección de Investigación Criminal e INTERPOL:DIJIN)創設62周年記念式典で行われた。
オタロラは、こうした条件下での根絶作業は法律によって禁止されており、保健省および世界保健機関(World Health Organization:WHO)も、このような措置を実施することは適切ではないとの立場を示していると述べた。また、オンブズマンがグリホサート散布を阻止するため、複数の憲法上の権利保護請求(tutela)を提出してきたと説明した。そのうえでオタロラは、グリホサートという化学物質を使用した航空散布をめぐる議論は「すでに終わらせるべき問題」であり、政府は違法作物の根絶について別の政策を検討すべきだと述べた。
一方、オタロラは、当時の政府がカタトゥンボ地域でグリホサート散布を再開するとの公式発表をまだ行っていないことにも言及した。そのうえで、憲法裁判所がこうした根絶措置を認めない先例を示していると指摘した。
参考資料:
1. Defensoría respalda suspensión de fumigaciones con glifosato
2. Alertan casos de enfermedades digestivas y respiratorias por glifosato
3. Fumigación con glifosato es un tema que debe estar superado: Defensor del Pueblo
4. Glifosato, una amenaza para Putumayo

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