(Photo: La Primera)
エクアドル国営石油会社ペトロエクアドル(Petroecuador)は、2026年第1四半期にエクアドル横断原油パイプラインシステム(Sistema de Oleoducto Transecuatoriano:SOTE)を通じた原油輸送量が増加したと発表した。
一方、エネルギー専門家のダリオ・ダバロス(Darío Dávalos)は、エクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)による原油輸送量の増加は、エクアドル国内の原油生産量の増加を意味するものではないと指摘している。
ダバロスによると、2026年の輸送量を2025年と比較する際には、前年に発生したエクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)の操業停止による影響を考慮する必要がある。
2025年には、地滑りや地震などを原因として、エクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)の操業が複数回停止した。その期間には本来輸送できた原油が輸送されていなかったため、2026年の輸送量増加を単純に原油生産量の増加と比較することはできないとしている。
ダバロスは、2026年に発表された輸送量の増加について、原油生産量の拡大によるものではなく、2025年に発生した一時的な停止が解消され、エクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)が通常運転を行っていることによるものだと分析している。
2025年上半期に3回の操業停止
ダバロスの分析によると、エクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)は2025年上半期に3回の一時停止を経験した。
最初の停止は、2025年3月13日から18日に発生した。エスメラルダス県(Esmeraldas)エル・ベルヘル地区(El Vergel)で地滑りが発生し、修復作業を行うため、原油のポンプ輸送が停止された。エクアドル中央銀行(Banco Central del Ecuador:BCE)のデータによると、2025年第1四半期におけるエクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)の1日平均原油輸送量は25万8,010バレルであった。ダバロスは、この平均輸送量を基に計算し、3月13日から18日までの停止によって約129万5,050バレルの原油が輸送できなかったと推定している。
4月には、地震発生後、安全確認のためエクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)の操業が予防的に停止された。さらに、2025年6月16日から22日にかけて、別の自然要因による事象によって3回目の停止が発生した。
この期間について、エクアドル中央銀行(BCE)のデータではエクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)の1日平均輸送量は25万4,400バレルであった。ダバロスは、この数値を基に、7日間の停止によって約152万6,400バレルの原油が輸送できなかったと算出している。
これら3回の停止により、2025年上半期には合計約281万6,450バレルの原油がエクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)を通じて輸送されなかったとされる。内訳は、3月13日から18日の停止による約129万5,050バレルと、6月16日から22日の停止による約152万6,400バレルである。
2026年の輸送量増加と石油生産量は別の動き
ダバロスは、2026年には2025年のような操業停止が発生していないため、エクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)による輸送量の増加は、通常運転への回復を反映したものだとしている。一方、エクアドル中央銀行(BCE)の統計によると、2026年1月から6月までのエクアドルの石油生産量は、2025年同期と比較して2.4%減少した。減少量は162万5,443バレルに相当する。
このため、ダバロスは、エクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)による原油輸送量の増加は、国内の原油生産量増加を示すものではないと指摘している。
過去の輸送水準を上回るものではない
ダバロスは、2026年に報告されたエクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)による原油輸送量について、2019年や2021年に記録された水準を超えるものではないとしている。
同氏によると、2026年の輸送量増加は、原油生産能力の拡大によるものではなく、2025年に発生した操業停止後、エクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)が通常の運転状態に戻ったことによるものである。
エクアドル横断原油パイプラインシステム(SOTE)は、エクアドル国内で生産された原油を輸送する主要なインフラである。2026年の輸送量を評価する際には、2025年に発生した一時的な停止による影響を踏まえる必要がある。
参考資料:
1. Incremento del transporte de crudo por el SOTE no refleja un aumento de la producción petrolera, advierte experto
2. SOTE: más transporte de crudo no es igual a más producción petrolera


No Comments