国連薬物犯罪事務所(United Nations Office on Drugs and Crime:UNODC)が発行する『世界薬物報告書(World Drug Report)』は、世界の薬物市場、薬物の需要・供給の動向、各国の薬物政策の進展を分析する国際的な基準資料である。2026年版では、薬物問題を多角的に理解できるよう、複数の構成要素によって提供されている。
特に2026年版では、テーマ別章として 「薬物使用が安全保障と治安に与える影響」 に重点を置き、薬物問題が健康分野だけでなく、犯罪、統治、社会の安定にも関係する問題であることを示している。本報告書の目的は、世界的な薬物問題による健康、ガバナンス、安全保障への影響に対応するため、国際協力を強化することである。また、加盟国が薬物市場によって生じる脅威を予測し、適切に対応し、その影響を軽減できるよう支援することも目的としている。
世界の薬物市場の変化
『世界薬物報告書2026』では、世界の薬物市場が急速に変化していることが指摘されている。薬物密売組織は、テクノロジーの発展や世界的な不安定化を利用し、新たな薬物を市場へ投入するとともに、新しい密輸ルートや方法を試しながら活動範囲を拡大している。特に、新たに登場する薬物の中には、従来の薬物よりも強力で危険性の高いものが含まれている。
その影響として、
- 多数の早期死亡
- 健康な生活期間の損失
- 組織犯罪ネットワークによる経済・社会への影響
- 地域社会や生活基盤への破壊的影響
- 暴力や不安定化の悪化
などが世界的な課題となっている。そのため、国際社会には、組織犯罪集団への対策強化、情報共有の拡大、国際的な共同作戦の調整、さらに薬物使用の予防や治療への投資拡大が求められている。
世界で3億3100万人が薬物を使用、大麻が依然として最多
世界の薬物使用は、依然として大きな社会問題となっている。2024年には、推定 3億3100万人 が薬物を使用したとされる。これは、世界の 15〜64歳人口の6.2% にあたる。10年前の2014年には、この割合は 5.2% だった。世界人口の増加に加え、薬物市場の拡大などを背景に、薬物を使用する人の割合は上昇している。
2024年に最も多く使用された薬物は 大麻 だった。推定使用者数は 約2億5600万人 に達し、世界で最も広く使われている違法薬物となっている。
大麻に続いたのは、オピオイド(約6300万人)、アンフェタミン類(約3200万人)、コカイン(約2500万人)、MDMA(エクスタシー、約2100万人) だった。
特に大麻は、他の薬物と比べても使用者数が突出して多く、世界の薬物使用の中で大きな割合を占めている。
一方で、使用者数が多い薬物が必ずしも最も大きな被害を生むとは限らない。オピオイドのように使用者数では大麻を下回るものの、依存性や健康への影響が深刻な薬物もある。
世界の薬物使用状況は、単なる利用者数の増加だけでなく、使われる薬物の種類や流通の形にも変化が起きている。現在、世界の薬物市場は大きく変化し続けている。
市場の複雑化が取り締まりと医療対応を困難に
違法薬物市場の多様化は、単に薬物の種類が増えるだけではない。新しい物質や混合物の検出、法律による規制、健康被害への対応など、多方面で課題を生んでいる。特に問題なのは、未知の成分を含む薬物による急性中毒や、複数物質の相互作用による被害だ。さらに、薬物使用障害を抱える人への治療にも影響を与えている。違法市場では、従来の薬物から、より強力で予測困難な物質へと置き換わる動きが進んでおり、世界各国は新たな対応を迫られている。
薬物密売組織は革新を続ける
違法薬物製造者は規制を回避し、摘発を逃れるため、新たな合成薬物を作り続けている。2024年に押収された薬物の中で確認された薬物種類の数は、2000年以前と比べて 5倍 に増加した。例えば、新精神作用物質(NPS)は2024年に 755種類 が薬物市場で流通していると報告され、そのうち 118種類は初めて確認されたものだった。
世界の違法薬物市場で進む「混合化」と「新型化」
違法薬物市場で販売される薬物の中身が、近年大きく変化している。従来から薬物には製造過程で生じる不純物や、量を増やすための希釈剤が含まれてきた。しかし現在、使用者への効果を変化させたり、新たな商品として見せたりする目的で、意図的に別の物質を混ぜる「混合化」が拡大している。
こうした変化は、薬物の種類だけでなく、販売形態や摂取方法にも及んでいる。違法市場では、使用者が知らないうちに複数の薬物を同時に摂取する「意図しない多剤使用」が発生し、健康被害のリスクを高めている。
フェンタニルやニタゼン類、従来薬物への混入が拡大
近年問題となっているのが、ヘロイン、コカイン、MDMAなどの従来型薬物に、極めて強力な合成オピオイドを混ぜるケースだ。代表的なものがフェンタニル類であり、さらに最近ではニタゼン類も確認されている。これらは少量でも強い作用を持ち、死亡事例との関連が指摘されている。
フェンタニルによる問題は主に北米で深刻化している一方、ニタゼン類による被害は欧州で目立っている。また、キシラジンやメデトミジンなど、新たに出現した物質が混入する事例も報告されている。
問題は、使用者が購入時に中身を把握できないことだ。混合された薬物は製品ごとの差が大きく、同じ名前で販売されていても成分が異なる場合がある。
「トゥシビ」「クッシュ」など新たな混合薬物が拡散
違法市場では、複数の薬物を組み合わせた新しい製品も広がっている。「トゥシビ(tucibi)」や「ピンクコカイン(pink cocaine)」、アフリカの一部で確認される「クッシュ(kush)」、東南アジアで押収されている「ハッピーウォーター(happy water)」などがその例だ。これらは従来の薬物とは異なる新商品として販売されることがあるが、実際には複数の化学物質を含む場合がある。
混合物の成分は人体内で相互作用し、単独使用では予測できない影響を及ぼす可能性がある。特にニタゼン類のような強力な物質が含まれている場合、致命的な結果につながる危険がある。
西アフリカで拡大する「クッシュ」
西アフリカでは「クッシュ」と呼ばれる混合薬物が2016年以降広がっている。2024年にはリベリアとシエラレオネが、この薬物による被害を理由に国家非常事態を宣言した。
クッシュは大麻などとともに複数の物質が混合された薬物とされ、近年では輸入された前駆物質を使って現地で比較的簡単に製造されている可能性がある。このため、今後さらに入手しやすくなることが懸念されている。
西・中央アフリカではこのほかにも、トラマドールやコデインを含む「スキュシ(skushi)」、コデイン入りシロップなどを使った「リーン(lean)」、トラマドールと飲料を組み合わせた「カダフィ(kadhafi)」など、地域独自の混合薬物が報告されている。
電子タバコや飲料型など、販売形態も変化
違法薬物市場の変化は、成分だけではない。密売側は新たな消費者を取り込むため、摂取しやすい形態の商品を増やしている。
大麻市場では、乾燥大麻や樹脂だけだった時代から、濃縮物、ワックス、食品、飲料、電子タバコ用カートリッジなどへ広がった。同じような変化が他の薬物でも起きている。
東南アジアでは、薬物混合物を含む「ハッピーウォーター」が粉末だけでなく、すぐ飲める液体として押収された。「パーティーロリポップ」と呼ばれる薬物入り菓子も確認されている。また、ケタミンとエトミデートを混合した電子タバコ用カートリッジも販売されている。
中国・香港では「スペースオイル(space oil)」と呼ばれる電子タバコ製品からエトミデートが検出され、若年層による使用が問題となっている。
半合成カンナビノイドが急速に拡大
2020年以降、新たな傾向として、CBD(カンナビジオール)から派生した半合成カンナビノイドの普及が進んでいる。CBDは本来、精神作用を持たない大麻由来成分だが、そこから作られるデルタ8-THC(Δ8-THC)やHHC(ヘキサヒドロカンナビノール)などは精神作用を持つ。これらは規制の隙間を利用して広がったとみられ、各国で規制が導入される前に急速に市場へ浸透した。
HHCは2025年に国際規制対象となったが、新たな類似物質は次々と登場している。なおHHC-P、THC-P、H4-CBD、HHCP-O、HHC-Oなど、規制対象外となる可能性がある物質も確認されている。欧州でも利用が広がっており、一部調査では薬物使用者の間でHHC経験者が確認されている。スロバキアでは2024年、15~16歳の高校生の16%がHHCを使用した経験があると回答した。
世界のオピオイド市場が転換期、合成オピオイドへの移行進む
世界のオピオイド市場が大きな転換点を迎えている。長年、違法オピオイド市場の中心だったアヘン由来のヘロインが供給不足に直面する一方で、フェンタニルやニタゼン類などの強力な合成オピオイドが存在感を強めている。
背景にあるのが、アフガニスタンで2022年以降に実施された薬物禁止政策だ。世界最大級の違法アヘン供給国だったアフガニスタンでは、ケシ栽培とアヘン生産が大幅に減少し、世界のヘロイン供給にも影響が及んでいる。
一方で、ミャンマーの違法アヘン生産は増加している。2021年には約420トンだった生産量は、2025年には1,000トンを超える規模となり、世界最大の違法アヘン生産国となった。しかし、ミャンマーや他地域の増産を合わせても、アフガニスタンの生産減少分を補うには至っていない。
こうした供給不足を受け、密売組織は代替となる薬物へと軸足を移し始めている。特に流通が拡大しているのが、フェンタニルやニタゼン類をはじめとする新型の合成オピオイドだ。
植物由来のアヘン系薬物から、より強力で安価な合成オピオイドへ移行する動きは、密輸ルートや供給構造を大きく変えるだけでなく、薬物使用による健康被害や過剰摂取リスクをさらに高める可能性がある。
報告書は、この変化が世界のオピオイド市場を恒久的に変える可能性があり、今後は薬物使用の実態だけでなく、治療体制や薬物規制政策にも大きな影響を及ぼすとの見方を示している。
メタンフェタミン市場は世界規模へ
メタンフェタミン市場も急速に世界規模へと拡大している。新たな密輸ルートの形成と生産能力の増加を背景に、これまで限定的だった地域でも流通が広がっている。
近年、特に市場拡大が目立つのは近東・中東、アフリカ、欧州の一部で、世界のメタンフェタミン押収量は平均して年間13%のペースで増加した。この拡大を最も大きく牽引しているのは東アジア・東南アジア地域である。
主要供給国であるミャンマーは依然として世界市場で重要な位置を占めるものの、高まる需要を背景に、北米、西・南アフリカ、南西アジアなど新たな供給地域からの流入も増えている。
北米で製造されたメタンフェタミンは現在、太平洋を越えて西太平洋地域へ流入し、太平洋島嶼国で密輸や使用の増加を引き起こしている。
また、中東では2024年12月にシリア旧アサド政権が崩壊した後、「カプタゴン」市場が混乱した。供給不足により一部地域では錠剤価格が約2倍に上昇し、その影響でカプタゴン使用者がメタンフェタミンへ移行する可能性が指摘されている。
報告書は、メタンフェタミン市場が特定地域にとどまらない世界規模の市場へと変化しており、新たな供給網の形成と需要の拡大が今後も続く可能性があると分析している。
大麻への認識変化で使用者が増加、国際的な密輸も拡大
世界の大麻市場では、使用者数の増加とともに、生産や密輸の構造にも大きな変化が起きている。
背景の一つにあるのが、大麻に対する社会的な認識の変化だ。特に北米では合法化や非犯罪化を進める国や地域が増え、大麻に対する抵抗感が薄れたことが、使用拡大の一因とみられている。
過去10年間で世界の大麻使用者数は約40%増加した。15〜64歳人口に占める使用率は、2014年の3.8%から2024年には4.8%へ上昇しており、大麻は現在も世界で最も広く使用されている違法薬物となっている。
使用の拡大に合わせて流通量も増えている。2024年の世界の大麻押収量は歴史的な高水準に達し、市場規模の拡大を裏付ける結果となった。
密輸の構造にも変化が見られる。従来、大麻は生産地周辺で消費される地域内取引が中心だったが、近年は北米を供給源とする国際的な密輸が急速に拡大している。
2015年から2024年にかけて、北米を大麻の供給元として確認した国・地域は57に達した。これは、それ以前の10年間の11から大幅に増加しており、北米産大麻の流通網が世界規模へ広がっていることを示している。
こうした動きは、大麻市場が単に使用者数を増やしているだけでなく、合法化や市場拡大を背景に国際的な流通構造そのものが変化していることを示している。
コカイン市場が急拡大、生産量は10年で4倍超
国連薬物犯罪事務所(UNODC)の報告書によると、世界のコカイン市場が過去10年間で急速に拡大している。コカイン生産量は2024年も増加を続け、純度換算で推定4,000トンを超えた。これは2014年と比べて4倍以上の規模で、過去最大の供給量となる。
背景には、コカ栽培面積の拡大に加え、製造工程の効率化がある。犯罪組織は生産技術を向上させ、同じ量のコカ葉からより多くのコカインを製造できるようになり、国際市場への供給能力を大幅に高めている。
供給量の増加に伴い、世界の押収量も増え続けている。特に南米では取り締まりが活発化しており、世界全体のコカイン押収量の大部分を占める。主要生産国の一つであるコロンビアでは、生産能力の拡大とともに世界の供給網が拡大している。
報告書では、2014年以降、純粋なコカイン生産可能量の増加と世界の押収量の増加がほぼ同じペースで推移していると分析している。これは、取り締まりが強化されているにもかかわらず、国際市場へ流通するコカインそのものが増え続けていることを示している。
こうした供給拡大を受け、国際的な密売組織は従来の主要市場だけでなく、新たな地域への進出を加速させている。
これまでコカイン市場の中心は、西・中央ヨーロッパ、北米、オセアニアだった。しかし近年はアフリカやアジア、南東ヨーロッパでも市場形成が進み、密売ルートや流通網が急速に拡大している。
現在のところ、これらの地域の使用者数や押収量は既存市場より小規模だが、2020年から2024年にかけては、一部の国で世界でも最も高い押収量の増加率が確認された。犯罪組織は既存市場への供給を維持しながら、将来的な需要拡大が見込まれる新興市場の開拓を進めているとみられる。
アフリカでは、欧州市場へ向かう密輸ルートが再び活発化している。西・中央アフリカや北アフリカでは押収事例が増え、中継地としてだけでなく、国内市場への浸透も確認されている。治療データでは粉末状の塩酸コカインに加え、クラックコカインの使用も定着していることが示されている。
さらに東アフリカでもコカイン消費の存在を示す調査結果が報告され、南部アフリカでは南米から直接運ばれたコカインの密輸やクラックコカインの使用が確認されている。これまで市場規模が小さかった地域でも流通が広がりつつある。
アジアでも市場拡大の兆候がみられる。中国、インド、ベトナムでは2023年または2024年にコカイン押収量が過去最高水準を記録した。市場規模は依然として欧米より小さいものの、人口や経済規模を背景に将来的な成長市場となる可能性が指摘されている。
一方、既存市場でも変化が起きている。西・中央ヨーロッパでは2015年以降、クラックコカインの使用が増加し、下水分析では多くの都市でコカイン消費量の増加が確認された。新型コロナウイルス感染症の流行で2020年には一時的に減少したものの、その後は再び増加傾向に転じている。
さらに、小売段階で流通するコカインの純度は上昇する一方、インフレを考慮した価格は低下しており、利用しやすい状況が広がっている可能性がある。
密輸ルートにも変化がみられる。欧州でのコカイン押収量は2014年から2023年までの10年間で約7倍に増加したが、2024年には従来の主要な流入拠点だったベルギーやオランダだけでなく、フランス、ポルトガル、スペインなどへ流入経路が分散した。
また、大量輸送だけでなく、冷蔵コンテナなどを利用した小口輸送が増加している。ベルギー向けコンテナ輸送では摘発件数が増えた一方、1件当たりの押収量は39%減少しており、密売組織が摘発リスクを抑えるため、輸送を小規模化・分散化する戦略へ移行している可能性がある。
報告書は、コカイン市場が生産量の急増を背景に世界規模で拡大を続けており、犯罪組織が新興市場への進出と密輸手法の多様化を進めることで、国際的な供給網がさらに広がる可能性があると指摘している。
薬物問題は安全保障にも影響
違法薬物の問題は、健康被害だけでなく、治安や安全保障にも影響を及ぼすことが指摘されている。
薬物使用は、財産犯罪や家庭・地域社会での暴力、さらには薬物使用者による、または薬物使用者が被害者となる犯罪と関連する可能性がある。
一方で、こうした問題は薬物だけによって引き起こされるものではない。貧困やホームレス状態、精神的健康問題、薬物治療や社会サービスへのアクセス不足など、さまざまな社会的・経済的要因が複雑に関係している。
そのため、薬物対策では取り締まりだけでなく、生活支援や医療、福祉サービスの充実など、根本的な要因への対応も重要とされている。報告書は、こうした社会的課題への介入が、薬物使用の予防や犯罪防止につながる重要な入口になるとしている。
紛争や社会不安が薬物市場を変える
違法薬物の問題は、健康被害だけでなく、治安や安全保障にも大きな影響を及ぼしている。
薬物使用は、財産犯罪や家庭・地域社会における暴力、さらには薬物使用者による、または薬物使用者が被害者となる犯罪と関連する可能性がある。ただし、こうした問題は薬物そのものだけが原因ではない。貧困やホームレス状態、精神的健康問題、薬物治療や社会サービスへのアクセス不足など、さまざまな社会的要因が複雑に関係している。そのため、こうした課題への対応は、薬物問題の予防や治療を進める上でも重要な取り組みとされている。
一方、近東・中東や南西アジアでは、紛争や政情の変化が違法薬物市場そのものを大きく変えつつある。
象徴的なのが、シリアを拠点に拡大した違法薬物「キャプタゴン」の市場だ。アンフェタミンを含むキャプタゴンは、シリア内戦を背景に大量生産され、戦闘員による使用だけでなく、湾岸諸国を中心とした広域市場にも流通した。シリア国内や国境地帯には製造施設が設けられ、越境犯罪組織が密輸網を築いてきた。
しかし、2024年末のシリア紛争終結と政権交代により、市場は大きな転換点を迎えた。シリア当局によると、2024年12月以降、大規模施設を含む16か所の製造施設と15か所の保管施設が摘発・解体された。また、製造業者が在庫の処分を急いだことで、2025年にはシリアとレバノンで密輸や押収が一時的に急増した。
密売ネットワークの弱体化や地域情勢の変化を受け、レバノンではキャプタゴン1錠の価格が従来の2~3ドルから5~7ドルへと2倍以上に上昇し、供給不足が表面化している。
その一方で、メタンフェタミンの密輸は近東・中東の内外で拡大しており、キャプタゴンの供給混乱によって使用者の一部がメタンフェタミンへ移行する可能性も指摘されている。
さらに、アフガニスタンで違法アヘンの生産が大幅に減少したことで、世界のヘロイン供給にも変化が生じている。こうした供給不足を背景に、密売組織がフェンタニルやニタゼン類など、より強力な合成オピオイドへ供給を切り替える可能性も懸念されている。
紛争や政情不安は、薬物の生産や密輸ルートを変化させるだけでなく、市場そのものを別の薬物へ置き換える要因にもなり得る。国際社会では、治安対策と公衆衛生対策の両面から対応する必要性が高まっている。
参考資料:
1. World Drug Report 2026
2. UNODC World Drug Report 2026: Global drug markets transforming rapidly as technology, novel drug types and instability present traffickers with new opportunities

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