コロンビア大統領選挙2026:セペダ、デ・ラ・エスプリエジャを国際刑事裁判所へ告発

(Photo: EFE)

コロンビア大統領選の左派候補である上院議員のイバン・セペダ(Iván Cepeda)は、決選投票で対決する右派候補の弁護士アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ(Abelardo de la Espriella)について、犯罪共謀、テロ資金供与、不法蓄財の疑いがあるとして、国家検察庁(Fiscalía General de la Nación)および国際刑事裁判所(Corte Penal Internacional:CPI)に刑事告発を提出したと発表した。

イバン・セペダ(Iván Cepeda)は、アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ(Abelardo de la Espriella)が、非合法武装組織であるコロンビア自衛軍連合(Autodefensas Unidas de Colombia:AUC)に属した武装自警団指導者らと関係を持ち、その犯罪活動に関与した可能性があると主張している。

イバン・セペダはボゴタで行った声明で、「われわれは、デ・ラ・エスプリエジャ弁護士が一連の犯罪を行い、関与した疑いがあるとして、国家検察庁と国際刑事裁判所に刑事告発を提出する」と述べた。

セペダは、今回の告発には「時間の経過とともに明らかになった新たな要素」が含まれていると説明した。

また、これらの疑惑は人道に対する罪と関連する可能性があり、コロンビア国内で十分に調査されていないため、普遍的管轄権の観点から国際刑事裁判所(CPI)が関与できると主張した。

さらに、コロンビア司法当局が過去に捜査を終結させた一方、現在は当時評価されていなかった新たな証拠が存在すると述べた。

 

コロンビア自衛軍連合指導者らとの関係を巡る疑惑

セペダは、アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャを、アルバロ・ウリベ・ベレス(Álvaro Uribe Vélez)政権(2002年〜2010年)期に武装解除した複数の武装自警団指導者と関連付けた。

名前が挙げられた人物には、サルバトーレ・マンチューソ(Salvatore Mancuso)、フアン・カルロス・「エル・トゥソ」・シエラ(Juan Carlos “El Tuso” Sierra)、イバン・ロベルト・ドゥケ(Iván Roberto Duque、通称エルネスト・バエス(Ernesto Baez))、カルロス・マリオ・ヒメネス(Carlos Mario Jiménez、通称「マカコ(Macaco)」)らが含まれる。

また、ウベル・エンリケ・バンケス・マルティネス(Uber Enrique Banquez Martínez、通称「フアンチョ・ディケ(Juancho Dique)」)や、ヒューグス・ロドリゲス(Hugues Rodríguez、通称「コマンダンテ・バービー(Comandante Barbie)」)との関係についても言及した。

セペダによれば、これらはいずれもコロンビア自衛軍連合(AUC)に属した、または関係した武装自警団指導者であり、アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャとの関係性を調べる必要があるという。

 

Fipaz財団を巡る主張

今回の告発で中心的な問題として取り上げられたのが、2004年に設立されたFipaz財団(Fundación Fipaz)である。セペダによれば、アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャは、アルバロ・ウリベ・ベレス政権が進めた武装解除プロセスの中で、弁護していた武装自警団指導者らの米国への引き渡しを阻止しようとしていたという。

また、Fipaz財団(Fundación Fipaz)について、コロンビア自衛軍連合(AUC)から資金提供を受けただけでなく、武装自警団側への資金援助にも関与していた可能性があると主張した。

セペダは次のように述べた。「これまで常に、デ・ラ・エスプリエジャは武装自警団組織の資金提供者または共犯者であると主張され、あるいは推測されてきた。しかし、われわれが収集した文書によって、彼が直接所属し、コロンビア自衛軍連合(AUC)の一員として活動していたのかどうかが明らかになる可能性がある」。

さらにセペダは、Fipaz財団の活動の中で、武装自警団が支援する国会議員候補者の選定が行われていた可能性があると指摘した。

 

パラポリティカとの関連

セペダが指摘した問題は、コロンビアで2000年代に大きな問題となったパラポリティカ(parapolítica)とも関連している。パラポリティカとは、武装自警団組織と政治家の関係を巡る政治問題を指す言葉であり、スペイン語の「準軍事組織」を意味する paramilitar と「政治」を意味する política を組み合わせた造語である。主に問題となったのは、非合法武装組織であるコロンビア自衛軍連合(AUC)と一部の政治家、公職者との関係である。

1990年代から2000年代にかけて、コロンビアでは左翼ゲリラ組織との武力紛争を背景に、右派系の武装自警団が勢力を拡大した。これらの組織は、麻薬取引、誘拐、殺害などへの関与が問題視される一方、一部地域では政治的影響力を持ったとされる。

パラポリティカでは、武装自警団が政治家の選挙活動を支援したり、脅迫によって選挙結果に影響を与えたりした疑惑が追及された。その見返りとして、政治家側が武装組織の利益を守る行動を取った可能性が問題となり、2000年代半ば以降、多数の国会議員や地方政治家が捜査対象となった。

今回の選挙戦でセペダは、アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャとFipaz財団を巡る疑惑について、過去のパラポリティカと類似した構図がある可能性を指摘している。

また、アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャが拘束施設内でフアン・カルロス・「エル・トゥソ」・シエラ(Juan Carlos “El Tuso” Sierra)やフアンチョ・ディケ(Juancho Dique)に対し、証言を控えるよう働きかけた可能性についても調査が必要だと述べた。

 

過去の検察対応への批判

セペダは、武装自警団問題を巡る調査でアルバロ・ウリベ・ベレス元大統領と長く対立してきたことで知られている。今回の声明では、2005年から2009年まで国家検察庁(Fiscalía General de la Nación)の長官を務めたマリオ・イグアラン(Mario Iguarán)の時代の検察対応についても批判した。

セペダによれば、当時の検察当局は、最高裁判所が捜査を命じる前に、犯罪共謀や資金洗浄に関する捜査を終了させたという。また、サルバトーレ・マンチューソ(Salvatore Mancuso)とカルロス・マリオ・ヒメネス(Carlos Mario Jiménez)による少なくとも2件の証言があり、武装自警団組織がイグアランの選出に介入し、賄賂が存在した可能性を示していると述べた。

セペダは、多数の証言、捜査資料、司法機関への提出資料、法廷証言、真実委員会(Comisión de la Verdad)の記録から、アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャと武装自警団組織の関係を検証できると主張した。

さらに、アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャが拘束施設内でフアンチョ・ディケ(Juancho Dique)に証言で沈黙するよう賄賂を提示した可能性や、マリオ・イグアラン(Mario Iguarán)の選出を巡る賄賂提供への関与についても調査が必要だと述べた。

 

検察庁と国際刑事裁判所への捜査要求

セペダは、グスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)大統領が推薦した国家検察長官ルス・アドリアナ・カマルゴ(Luz Adriana Camargo)について、アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャに関する徹底した捜査を行っていないとして批判した。

その上で、国家検察庁(Fiscalía General de la Nación)に対し、アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャとコロンビア自衛軍連合(AUC)を含む武装自警団組織との関係を明らかにするため、捜査を再開するよう求めた。

また、疑惑が人道に対する罪に関係する可能性があるとして、国際刑事裁判所(CPI)にも調査を求めた。

#コロンビア大統領選挙2026 

 

参考資料:

1. Iván Cepeda denuncia a Abelardo De la Espriella ante la Corte Penal Internacional por sus presuntos vínculos con grupos paramilitares

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