(Photo: FB Santiago Guardamino)
リマ県カンタ郡キパン(Quipán, Canta, Lima)の共同体代表であったサンティアゴ・グアルダミノ・ゴンサレス(Santiago Guardamino Gonzáles)が、共同体の土地返還に関する合意書へ署名する前日に殺害された。グアルダミノは、廃棄物収集・処理会社によって不法に取得されたとされる約1万ヘクタールの土地をキパン共同体(Quipán)へ取り戻すため、法的手続きを進めていた。共同体住民によれば、殺害の動機は、グアルダミノが翌日に予定されていた土地返還に関する合意を成立させようとしていたことだった。
2024年4月1日月曜日の夜、殺害される数時間前、グアルダミノは村で開かれた共同体集会に出席しており、その場で彼は、翌4月2日に公証役場で、1万ヘクタールの土地を取り戻すための合意書に署名すると住民へ説明した。
この土地は、不正な方法で廃棄物収集・処理会社インドゥストリアス・アルグエジェス・セルビシオス・ヘネラレス(Industrias Argüelles Servicios Generales)へ売却されたとされる。
共同体住民は、殺害を指示した者たちは、グアルダミノがキパン共同体(Quipán)への土地返還を実現させる合意書へ署名することを阻止しようとしたとみている。
土地売却を巡る長年の法的対立
ラ・レプブリカ(La República)が入手した2024年4月1日付の共同体集会議事録によると、グアルダミノは、土地回復と売買を巡る訴訟手続きの移管に関心を持つ企業と法的合意に達したと報告していた。最後の共同体集会となったとみられる場で、グアルダミノは翌日、ペトラマス(Petramás)社との合意書へ署名すると説明した。この合意は、キパン共同体が約1万ヘクタールの土地を取り戻すために進めていた民事手続きに関連し、ペトラマス社との間で、土地返還後の取得などを含む条件を定めることを目的としていた。
キパン共同体は、アニセト・アルグエジェス・ロアイサ(Aniceto Argüelles Loayza)が所有するインドゥストリアス・アルグエジェス・セルビシオス・ヘネラレスとの間で長年にわたる法的争いを抱えていた。
グアルダミノが共同体代表に就任した後、前任者アベル・モスケラ・オルティス(Abel Mosquera Ortíz)が、共同体の許可を得ず、2016年に約1万ヘクタールの土地を60万ソルで同社へ売却していたことが判明した。共同体側によれば、土地の推定価値は約1000万ソルだった。
キパン共同体は、元代表のモスケラ、企業所有者のアルグエジェス、総支配人カレン・パスコ・フロレス(Karen Pasco Flores)を相手取り、不法取得だったとして訴訟を起こした。
グアルダミノは住民に対し、モスケラ、アルグエジェス、パスコを巡る司法手続きに自信を示していた。また、ペトラマス社との合意が土地返還を実現する上で決定的になると説明していた。
ペトラマス社の提案内容は、キパン共同体が民事手続きで勝訴し土地が返還された場合、850万ソルで土地を購入するというものだった。さらに、共同体が合意した場合、司法手続きが解決するまで公証役場が保管する銀行小切手で250万ソルを前払いすることも提示された。共同体が土地を取り戻せなかった場合でも、250万ソルを受け取れる条件だった。
共同体住民はこの提案を承認し、2024年4月2日にグアルダミノが署名する予定だった。しかし、その前夜、グアルダミノは自宅到着時に殺し屋によって銃撃され死亡した。報道によれば、彼は10発の銃弾を受けた。
グアルダミノ殺害によって合意手続きは停止した。キパン共同体は現在も土地返還を実現できていない。一方、モスケラ、アルグエジェス、パスコの3人は複数の司法手続きで有罪判決を受けている。ペトラマス社が用意した250万ソルの小切手は現在も保管されたままで、換金されていない。
ラ・レプブリカが入手した議事録は、2024年4月1日にグアルダミノを殺害した者たちが、翌日の合意成立を阻止しようとしていた可能性を示している。また、殺害の25日前には、バイクに乗った2人の人物がキパンまでグアルダミノを探しに来ていた。その人物らは空に向けて発砲し、共同体代表への脅迫を残して立ち去った。
買収された司法
家族や共同体関係者は、グアルダミノがアルグエジェス社との司法手続きを開始した時点から危険にさらされていたと考えている。グアルダミノのパートナーであり、子どもたちの母親でもあるマリベル・グアルダミノ・サバラ(Maribel Guardamino Zavala)は、真犯人の特定と処罰を求めた。
「真犯人を見つけ、犯したことの責任を取らせるよう求める。サンティアゴを生き返らせることは誰にもできない。しかし少なくとも、彼の死の背後にいる者たちを司法が処罰することを望んでいる。彼の殺害を未解決のままにすることはできない」と述べた。
この反応はレナト・ラビー・コラ(Renato Lavy Cora)検察官の判断で人権専門第4広域検察庁(Cuarta Fiscalía Supraprovincial Especializada en Derechos Humanos)が本事件を「証拠不足」を理由に捜査を終了したことを背景とする。被害者家族は捜査が不十分だったとして不服を申し立てている。
携帯電話未分析と捜査への批判
家族側は検察当局に証言を行い、携帯電話を提出し、継続的な脅迫を記録した音声も提供した。しかし、殺害犯の特定につながる可能性があったグアルダミノの携帯電話5台は分析されなかった。
担当検察官レナト・ラビー・コラは、必要な技術、人員、捜査案件への対応能力が不足していたため調査できなかったと説明した。
被害者の姉アリシア・グアルダミノ(Alicia Guardamino)は、国家警察(Policía Nacional del Perú:PNP)サイバー犯罪局分析・調整部のフリオ・ファルファン・チウン少佐(Julio Farfán Chiun)から、その説明を受けたとしている。
アリシア・グアルダミノ(Alicia Guardamino)は、事件が国家警察刑事捜査局(Dirección de Investigación Criminal:Dirincri)に1年4か月以上置かれていたにもかかわらず、警察は実質的な捜査を行わず、いくつかの手続きだけを実施したと批判した。
また、担当下士官クリスティアン・ラモス・エスピノ(Christian Ramos Espino)は、証人の供述聴取すら終えておらず、必要な捜査を完了していなかったと述べた。
捜査継続決定も残る疑問
上述の通り人権専門第4広域検察庁は当初、証拠不足を理由に事件を終了した。しかし、被害者家族の不服申し立てを受け、殺害実行者と指示者を特定するまで捜査を継続することが決定された。一方で、上級検察官から控訴について正式な通知はまだない。
グアルダミノの未亡人側弁護人フアン・サルミエント・ベラステギ(Juan Sarmiento Verastegui)は、「上級検察官は、いまだ控訴について私たちに通知していない。この問題を解決する責任があるのは上級検察官である。しかし、回答期限は具体的に定められていない」と述べた。
2026年5月時点で、問題となった土地には衛生埋立地が建設された状態が続いている。
参考資料:
1. Mataron a líder comunero para que no recupere terreno robado de S/10 millones
2. Familia de líder asesinado, Santiago Guardamino: “La justicia se deja comprar”



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