(Photo:Dueño de la propiedad)
エクアドル北部スクンビオス県(Sucumbíos)の国境地帯で3月6日に実施されたエクアドル陸軍の爆撃により、農場施設の一部が破壊された。現地では、民間施設への攻撃や人権侵害の疑いが浮上しており、米国議会でも波紋が広がっている。
現地メディア『プント・ノティシアス(Punto Noticias)』およびスペイン紙『エル・パイス(EL PAÍS)』によれば、米国の民主党議員約20人が、エクアドル北部で行われている米国・エクアドル合同軍事作戦の即時停止を国防総省(ペンタゴン/Pentagon)に正式要求した。
議員らは、作戦の法的根拠や米軍関与の実態が不透明であることに加え、重大な人権侵害の可能性を強く問題視している。
人権侵害疑惑が浮上
問題となっているのは、エクアドル北部で展開されている「麻薬テロ組織(ナルコテロリスト)」掃討作戦である。議員らによれば、作戦の過程では、民間施設とみられる建物への爆撃に加え、非武装の住民に対する暴行や尋問、拷問の疑いがある行為、さらには住宅への放火が行われたとの訴えが浮上している。
書簡を主導したのは、チュイ・ガルシア(Chuy García)、グレッグ・カサール(Greg Casar)、サラ・ジェイコブス(Sara Jacobs)の各議員で、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)やロ・カンナ(Ro Khanna)らも署名した。
さらに、アムネスティ・インターナショナル米国支部(Amnesty International USA)や経済政策研究センター(Center for Economic and Policy Research:CEPR)、ワシントン・オフィス・オン・ラテンアメリカ(Washington Office on Latin America:WOLA)などの人権団体も、この要請への支持を表明している。
⭕️ #ATENCIÓN | Juanita Goebertus (@JuanitaGoe), de Human Rights Watch, pidió una investigación independiente sobre el bombardeo en la frontera norte de #Ecuador. Con base en testimonios, advirtió que atacar a grupos fuera de un conflicto armado es ilegal y podría implicar… pic.twitter.com/77fjsU6wdZ
— Radio Pichincha (@radio_pichincha) March 25, 2026
国防長官への書簡
議員らは、国防長官ピート・ヘグセス(Pete Hegseth)宛ての書簡で、「3月初めにエクアドル北部で実施された米国とエクアドルの合同軍事作戦において、重大な人権侵害や民間施設とみられる場所への爆撃が行われたとの報告に深い懸念を抱いている」と訴えた。
また、米軍がどの程度作戦に関与していたのかを明確に説明するよう求め、国防総省に対し5月22日までの回答期限を設定している。
「殲滅作戦」の実態
米南方軍(United States Southern Command:SouthCom)は3月3日、エクアドル国内で「テロ組織」に指定された勢力を対象とする合同作戦を開始したと発表した。その後、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は議会に対し、米軍が“麻薬テロリストの施設”への攻撃に参加したと報告したが、作戦の詳細や米軍の具体的役割については明らかにされていない。
議員らは、「エクアドルにおける米軍活動の範囲は、議会にも国民にも依然として不透明だ」と警告している。
米高官証言が示す「積極関与」
国防次官代行(中南米担当)のジョセフ・ウミレ(Joseph Humire)は、下院軍事委員会で、エクアドル政府の要請に基づき、国境地帯でカルテル掃討の“キネティック作戦”を支援したと証言した。
また、この共同作戦は「殲滅作戦(Operación Exterminio Total)」と呼ばれ、米国の支援を受けたエクアドル軍事攻勢の始まりであると説明している。
さらに、南方軍司令官フランシス・ドノバン(Francis Donovan)も、「エクアドル側の行動は非常に専門的だった。私は両作戦に参加し、観察した」と証言しており、米軍の深い関与をうかがわせている。
NYT報道「攻撃対象は酪農農場」
『ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)』は、爆撃対象となった施設の一つが、麻薬組織とは無関係の酪農農場だった可能性を報じた。同紙によれば、エクアドル軍兵士は3月3日、現地で非武装の民間人に対する暴行や尋問、住宅への放火、さらには拷問を行ったとの目撃証言があり、その場所は数日後に爆撃されたという。
国境地帯で外交問題も
作戦が実施されたのは、エクアドルとコロンビアの国境地帯という極めて緊張度の高い地域である。議員らによれば、3月中旬にはコロンビア側で不発のエクアドル製爆弾が発見され、両国間で外交問題に発展した。地域情勢をさらに不安定化させる可能性も懸念されている。
🔒#Seguridad | Organizaciones de derechos humanos sostienen que la operación “Exterminio Total” dejó detenciones arbitrarias, abusos y destrucción de viviendas en la comunidad de San Martín.#LaRadioDeLasNoticias
— Radio Pichincha (@radio_pichincha) April 15, 2026
Los detalles⤵️https://t.co/f4mv1WoDgt pic.twitter.com/oRTGHv1pyV
ノボア政権への「権威主義化」批判
書簡では、ダニエル・ノボア(Daniel Noboa)政権に対する批判も展開された。議員らは、先住民抗議運動への強硬弾圧や憲法裁判所への圧力、市民団体の銀行口座凍結などを例に挙げ、「権威主義的かつ反民主主義的傾向」が強まっていると指摘している。
また、エクアドルでは2年以上にわたり非常事態体制が続いているものの、軍事中心の治安戦略は十分な成果を上げていないとも批判した。
議員らによれば、「エクアドルは昨年、史上最悪の殺人率を記録し、犠牲者は9,200人を超えた」という。
「米国外交の信頼性が問われる」
書簡は最後に、米国の対外政策そのものへの疑問を投げかけた。「米国は、海外で虐待行為を支援または容認しながら、法の支配を推進していると主張することはできない」。さらに、「議会承認も説明責任も人権保護もないまま、不安定な国境地域で軍事作戦を拡大するべきではない」と強く警告している。
ノボア大統領訪米と重なるタイミング
今回の要請は、ダニエル・ノボア大統領のワシントン公式訪問と同時期に公表された。ノボア大統領は、J.D.・ヴァンス(J.D. Vance)副大統領や、米州機構(Organization of American States:OEA)のアルバート・ラムディン(Albert Ramdin)事務総長らとの会談を予定しており、今回の軍事作戦をめぐる問題が外交議題として浮上する可能性もある。
#SouthCom #DanielNoboa #DonaldTrump #権威主義
参考資料:
1. Legisladores de EE.UU. exigen frenar operaciones militares en Ecuador por denuncias de abusos
2. Congresistas de Estados Unidos exigen al Pentágono suspender sus supuestas operaciones contra el narco en Ecuador

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