エクアドル:選挙裁判所、ヤスニ投票に関するCONAIEらへの選挙違反告発を退ける

2026年5月11日、エクアドル選挙争訟裁判所(Tribunal Contencioso Electoral:TCE)は、ヤスニ国民投票に関連するキャンペーン資金報告をめぐり、国家選挙評議会(Consejo Nacional Electoral:CNE)議長ディアナ・アタマイント(Diana Atamaint)がエクアドル先住民族連盟(Confederación de Nacionalidades Indígenas del Ecuador:CONAIE)指導者らに対して提起した告発を却下したと発表した。

本件は、2023年に実施されたヤスニITT国民投票に関連し、油田ブロック43を地下に残すかどうかを問う住民投票において、キャンペーン資金収支報告の不備が争点となったものである。対象には、元エクアドル先住民族連盟(CONAIE)代表レオニダス・イサ・サラサル(Leonidas Iza Salazar)、資金管理責任者ゼナイダ・アナベル・ヤサカマ・ガヤス(Zenaida Anabel Yasacama Gayas)、選挙運動責任者とされたパトリシア・エステファニア・ラルバイ・ナウラ(Patricia Estefanía Lalvay Naula)が含まれていた。

国家選挙評議会(CNE)は2025年10月26日、エクアドル先住民族連盟(CONAIE)および全国家教職員組合(Unión Nacional de Educadores:UNE)がキャンペーン資金の収支報告を提出していないとして、選挙違反の疑いで選挙争訟裁判所(TCE)に告発し、最大3万2000ドルの罰金および最大4年間の政治的権利停止を求めていた。これに対しエクアドル先住民族連盟(CONAIE)副代表エルシリア・カスタニェダ(Ercilia Castañeda)は政治的迫害であると反発し、選挙法専門家エステバン・ロン(Esteban Ron)は適用条項が政党に限定される可能性を指摘した。

両組織は、資金の多くが国家選挙評議会(CNE)規定に基づき広告媒体へ直接支払われる仕組みであることから、実務上の不備は制度側に起因すると主張し、また今回の手続きには政治的背景があると述べていた。

これに対し選挙争訟裁判所(TCE)は、選挙裁判官フアン・パトリシオ・マルドナド(Juan Patricio Maldonado)の判断として、行政上または選挙法上の責任を認定するに足る証拠は存在しないと結論付けた。エクアドル選挙法典第281条第1号に基づく選挙違反の成立要件についても、国家選挙評議会(CNE)が必要な証拠を十分に提示できなかったと判断している。

その理由として裁判所は、手続上の不整合や重要文書の欠落、証拠提出の不備を指摘した。特に、制裁決議や通知文書が初期段階から適切に整備・記録されていなかったことにより、被告側の防御権行使に必要な情報が不足していたと認定した。加えて、収支報告義務違反が意図的であったことを裏付ける明確な証拠も確認されなかった。

また裁判所は、イサおよびヤサカマについて、政治団体に所属していない場合でも資金管理者として報告義務を負う可能性は認めつつも、違反成立を裏付ける証拠は提示されていないと判断した。

さらにラルバイについては「キャンペーン責任者」という法的概念が選挙法上存在しないとして責任対象から除外され、憲法上の無罪推定も確認された。あわせて選挙争訟裁判所(TCE)は、国家選挙評議会(CNE)の対応について証拠収集上の不備があったと指摘している。

最終的に裁判所は、国家選挙評議会(CNE)が初期段階で重要資料を提出せず、その後不適切な手続で追加しようとした点を問題視し、これらを理由に告発全体を認めなかった。なお本決定は選挙争訟裁判所(TCE)本会議への控訴が可能である。

判決後、レオニダス・イサはSNS上で声明を発表し、今回の決定がエクアドル先住民族連盟(CONAIE)の無実を確認するものであると述べたほか、国家機関がヤスニ保護や先住民族運動に対して政治的に利用されていたと主張した。

#国民投票

 

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