教皇フランシスコ(Pope Francis:Papa Francisco)のペルー訪問に合わせ、「Welcome Potato」と書かれた看板の画像がWhatsAppやTwitterなどのソーシャルメディア上で拡散した。この画像は教皇を歓迎する場面として広まり、多くの利用者の注目を集めた。しかし実際には、この画像は加工されたものであり、長年にわたりラテンアメリカ圏で繰り返し使われてきた言葉遊びに基づくミームである。
画像には、大勢の群衆が「Welcome Potato」と書かれた横断幕を掲げる様子が写っている。英語の「potato」はジャガイモを意味する一方、スペイン語の「papa」は「教皇」と「ジャガイモ」の両方を意味する。そのため、本来「Welcome Pope」と書くべき場面で、あえて「Welcome Potato」と表記することで笑いを誘うジョークとなっている。
この画像は、2015年9月に教皇フランシスコがキューバを訪問した際、首都ハバナ(Havana)で撮影された写真を加工したものである。改変画像では横断幕が「Welcome Potato」に書き換えられていたが、ロイター(Reuters)の元画像には「Welcome Missionary of Mercy(ようこそ、慈悲の宣教師)」と記されていた。スペインのデジタルメディア、ベルネ(Verne)によれば、写真は2015年9月20日に撮影されたものである。
この改変画像は特にメキシコで大きな話題となり、Twitter上で主要トレンド入りした。メキシコ市の日刊紙エル・ウニベルサル(El Universal)は、「『Welcome Potato』――教皇の改変画像が拡散」と題した記事を掲載している。また、アルベルト・ガルシア(Alberto García)は2015年9月24日の記事で、ロイター(Reuters)の写真が翻訳ミスを装ったジョークとして加工され、ソーシャルメディア上で急速に拡散したと報じている。
このジョーク自体は新しいものではない。同様のネタは少なくとも1990年代末には存在していた。1998年、ヨハネ・パウロ2世(Pope John Paul II:Juan Pablo II)がキューバを訪問した際にも、同種の「Welcome Potato」ジョークが使われていた。当時、ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)は、「辞書を十分に確認しなかった人物が作成した“バイリンガル看板”」として、この逸話を紹介している。
さらに、この言葉遊びはその後も繰り返し利用されてきた。2012年には、ドイツ出身のベネディクト16世(Pope Benedict XVI:Benedicto XVI)が教皇だった時代に、エクアドルの風刺ウェブサイトで同様のネタが掲載された。2015年7月には、教皇フランシスコのエクアドル訪問時にも画像が拡散し、当時のエクアドル大統領ラファエル・コレア(Rafael Correa)が登場する別バージョンも出回った。
ラテンアメリカ諸国における教皇訪問は、宗教的関心だけではなく、地域特有のユーモア感覚や創造性も刺激してきた。「Welcome Potato」の画像が長年にわたり繰り返し拡散されてきた背景には、こうした文化的特徴が存在している。
教皇フランシスコは2018年1月18日から21日までペルーに滞在し、リマ(Lima)、プエルト・マルドナド(Puerto Maldonado)、トルヒーリョ(Trujillo)などで複数の行事を実施した。滞在最終日には、ラス・パルマス空軍基地(Base Aérea de Las Palmas)で大規模なミサを執り行う予定となっていた。今回のペルー訪問でも、「Welcome Potato」の画像はWhatsApp上で再び拡散し、多くの利用者にユーモアとして共有されることになった。
参考資料:
1. WhatsApp: ¿Es auténtica esta foto? La historia detrás del viral del Papa
2. Photoshopped “Welcome Potato” Pope Photo Goes Viral in Mexico


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