エクアドル:豪雨でガラパゴス諸島の観光地6カ所が一時閉鎖

エクアドル領ガラパゴス諸島で豪雨による洪水や道路、電力設備への被害が発生している。サンタ・クルス島(Santa Cruz)では1人の死亡と2人の行方不明が報告され、自治体は非常事態を宣言した。ガラパゴス国立公園局(Dirección del Parque Nacional Galápagos)は2島の観光地6カ所への立ち入りを制限し、バルトラ空港(Aeropuerto de Baltra)も商業便の運航を一時停止した。

 

2島の観光地6カ所を一時閉鎖

ガラパゴス国立公園局は10月31日、激しい雨による危険を避けるため、次の6カ所への立ち入りを一時的に制限すると発表した。

  • サンタ・クルス島: エル・ガラパテロ・ビーチ(Playa El Garrapatero)、ラス・グリエタス(Las Grietas)、プントゥード(Puntudo)、エル・チャト(El Chato)
  • サン・クリストバル島(San Cristóbal): プエルト・チノ・ビーチ(Playa Puerto Chino)、バケリソ(Baquerizo)

閉鎖は、当局がアクセス経路と安全状況を評価する間、住民や観光客、ガイド、観光事業者を守るための予防措置である。再開日は決まっておらず、評価結果を踏まえて判断し、公式チャンネルで発表する。公園のレンジャーは他の当局と連携して状況を監視している。

同局は訪問者に対し、対象区域への移動を避け、現場の管理担当者の指示に従うよう求めた。

 

サンタ・クルス島で洪水、死者1人・行方不明者2人

サンタ・クルス島では豪雨により渓谷の水路が氾濫し、住宅への浸水や道路の寸断が発生した。10月30日午後から夜にかけて住民の避難が必要となり、自治体は非常事態を宣言した。

エクアドル統合緊急対応システム(Sistema Integrado de Seguridad ECU 911:ECU 911)の情報として国内メディアが報じた暫定的な被害状況によると、ベジャビスタ地区(Bellavista)で1人が死亡し、ディビノ・ニーニョ地区(Divino Niño)では2人が行方不明となった。国家リスク管理庁(Secretaría Nacional de Gestión de Riesgos)の状況報告でも、ベジャビスタでの死亡が確認され、郡緊急対策委員会(Comité de Operaciones de Emergencia Cantonal::COE Cantonal)がディビノ・ニーニョでの行方不明者2人を暫定的に報告した。負傷者数は確認中である。

被害はベジャビスタのほか、サンタ・ロサ(Santa Rosa)、アグアカタル(Aguacatal)、ミラマル(Miramar)、ラ・カスカダ(La Cascada)でも報告された。ミラマルでは住宅1棟が倒壊した。ラ・ウニオン(La Unión)やラス・オルキデアス(Las Orquídeas)でも浸水が発生し、住民から取り残された人々に関する通報や救助要請が寄せられた。

 

約80人が避難、救助活動と人道支援を実施

約80人がサンタ・クルス島のスポーツ競技場(Coliseo de Deportes de Santa Cruz)に避難した。保健省(Ministerio de Salud Pública)の職員も現地に派遣され、被災者の健康状態を確認した。

ラ・カスカダでは、ガラパゴス国立公園局が救助機関と連携し、住民の避難を支援するためゾディアック型ボート3隻を派遣した。

被害は医療施設にも及んだ。国家緊急対策委員会(Comité de Operaciones de Emergencia Nacional:COE Nacional)の報告によると、サンタ・クルス保健センター(Centro de Salud de Santa Cruz)は浸水のため業務を停止した。

当局は合計500人を収容できる一時避難施設2カ所を開設し、人道支援物資の輸送を調整している。国家リスク管理庁は、被災世帯に届けるため人道支援物資1,000セットを現地に搬送する方針を発表した。技術チームは被災世帯の状況や必要な支援を調査している。

Xでは、ジェフ・サングーニャ(Jeff Sanguña)が10月31日、サンタ・クルス島で住宅が浸水し、避難した家族や被災世帯が多数に上っているとして、当局に迅速な対応とガラパゴス諸島への支援を求めた。投稿には、ガラパゴス国立公園局が撮影した映像が添えられている。

 

電柱や送電設備が損傷、農村地域で停電

電力会社エレクガラパゴス(Elecgalápagos)は、豪雨によってサンタ・クルス島とバルトラ島を結ぶ電力システムの配電設備と送電設備が被害を受けたと発表した。

サンタ・クルス島の農村地域に電力を供給する配電線203号は運転を停止し、送電用のサブトランスミッション線も停止した。初期調査では、配電用電柱4本とサブトランスミッション鉄塔1基の損傷が確認された。

調査・修理班は復旧作業を続けているが、作業員や設備、資材の搬入は道路の状態と安全条件に左右される。同社は電力供給の復旧見込みを示していない。一方、諸島内のその他の電力システムについては、通常どおり供給していると報告した。

同社は事故防止のため、倒れた電線や損傷した電柱、浸水した電気設備に近づかないよう呼びかけている。

一方、エステバン・オルティス(Esteban Ortiz)は10月31日、サン・クリストバル島でも洪水が発生しているとXに投稿した。2週間前に同島を訪れた際には雨の兆候がなかったとし、高地から流れ下る水が住民に被害をもたらしていると伝えた。

 

バルトラ空港が一時運航停止、商業便4便が欠航

豪雨の影響は航空交通にも及んだ。バルトラ島にあるバルトラ空港は、アクセス道路が洪水で損傷したことを受け、2026年10月31日に商業便の運航を一時停止した。航空当局の指示による運航制限は、ガラパゴス時間の午前8時から正午までと発表された。

ラジオ・ピチンチャ(Radio Pichincha)は、空港へのアクセス道路も閉鎖され、乗客の移動が困難になったと報じた。当局は旅行者に対し、遅延や欠航、便の変更について航空会社に直接問い合わせるよう勧めた。

一方、経済・生産開発省の第156号速報は、同日午前9時から午後1時までバルトラ空港を一時閉鎖すると伝えていた。発表によって閉鎖時間に1時間のずれがあるが、各記事ではこの違いについて説明されていない。

空港の運航停止により、グアヤキル(Guayaquil)発バルトラ行きの商業便4便が欠航したと報じられた。4便のうち1便は、当初発表されていた運航再開時刻を過ぎた午後1時16分に出発する予定だったという。一方、空港は人道支援便と緊急便には引き続き対応していた。

民間航空総局(Dirección General de Aviación Civil:DGAC)は、バルトラ島のシーモア空港(Aeropuerto Seymour)の運航を、ガラパゴス時間の午後3時、本土時間の午後4時に再開すると発表した。乗客には、同局の公式チャンネルを通じて最新情報を確認するよう呼びかけた。

 

道路被害で観光客の移動にも影響

道路では、特にプエルト・アヨラ(Puerto Ayora)とバルトラ空港を結ぶ区間で深刻な被害が発生した。住民のジェシカ・コボス(Jéssica Cobos)は、空港への接続道路につながるサンタ・クルス島の主要道路で複数区間が損傷し、電柱も倒れたと説明した。「10時間にわたる嵐が、私たちに深刻な被害をもたらした」と語っている。

 

経済・生産開発省の速報も、特に島の高地方面で道路の通行障害が発生したと報告し、不要不急の移動を避けるよう呼びかけた。当局は緊急対応作業が続く間、プエルト・アヨラとベジャビスタの間の移動にも注意を促した。

今回の非常事態は、ガラパゴス諸島の観光業にとって重要な時期に発生した。10月31日はエクアドルの祝日連休の初日に当たり、多くの旅行者が休暇を利用して諸島を訪れる時期だった。バルトラ島は観光客にとって主要な玄関口の一つであり、空港の運航停止や道路の寸断は、到着する旅行者だけでなく、島を離れる予定だった乗客の旅程にも影響した。

報道によると、クエンカから来た14人家族も影響を受けた。一家は諸島へ向かうためグアヤキルに到着していたが、搭乗予定の便が欠航した。乗客らは振り替え便や支払済み料金の払い戻しに関する情報を得るのが難しいと訴えた。

ただし、サン・クリストバル島行きの便は同日午前中も運航を続けており、諸島内のすべての空港が運航を停止したわけではない。影響を受けた観光客の総数、キャンセルされたホテル予約の件数、経済的損失については、公式な集計が発表されていない。

 

観光事業者と旅行者に最新情報の確認を要請

経済・生産開発省は、旅行代理店、観光事業者、船舶運航事業者、宿泊施設に対し、利用客との連絡を保ち、旅程を見直すよう求めた。航空便や移動手段、観光活動の変更が必要な場合は、利用客と調整するよう要請している。

空港の運航停止は航空情報通報(Notice to Air Missions:NOTAM)C1796/26にも記載された。当局は乗客に対し、空港へ向かう前に航空会社へ直接問い合わせるよう勧告している。

サンタ・クルス島の洪水への対応と非常事態宣言に伴う措置は、県緊急対策委員会(Comité de Operaciones de Emergencia Provincial:COE Provincial)の調整のもとで進められている。航空路と陸路の交通網の復旧に加え、被災住民への支援や観光地の安全確認が続いている。

#Galápagos

 

参考資料:

1. Galápagos cierra seis sitios turísticos por las intensas lluvias
2. Las lluvias obligan a cerrar seis sitios turísticos en Galápagos
3. Aeropuerto de Baltra suspende vuelos por intensas lluvias que golpean a Galápagos
4. Santa Cruz es declarado en emergencia por las fuertes lluvias

No Comments

Leave a Comment

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。

error: Content is protected !!