映画:短編映画『Incopiable』で描くエクアドル産カカオ文化

エクアドル産カカオの文化や、先祖代々受け継がれてきた伝統を描いた短編映画『インコピアブレ』(Incopiable)が、世界最大のサステナビリティ映画祭とされる「ビッグ・シン国際映画祭2026」(BIG SYN International Film Festival 2026)に参加している。ファイナリストに選ばれた同作品は、ピカデリー・ライツ・スポットライト賞(Piccadilly Lights Spotlight Prize)を競っており、受賞すれば、英国ロンドン(London)のピカデリー・サーカス(Piccadilly Circus)に設置された大型屋外スクリーン「ピカデリー・ライツ」(Piccadilly Lights)で上映される機会を得る。

同作品は、エクアドル全国カカオ輸出業者協会(Asociación Nacional de Exportadores de Cacao:Anecacao)が後押ししている。映画祭への参加を通じて、エクアドル産カカオの独自性だけでなく、その背景にある文化や自然、地域に根付いた伝統を国際社会に伝えることを目指す。

 

シュアルの共同体を舞台にカカオの起源を描く

『インコピアブレ』は、エクアドルのアマゾン地域と沿岸地域で撮影された。上映時間は3分3秒で、主にシュアル語(Shuar)で物語が展開する。フィクションとマジックリアリズムを組み合わせ、シュアルの共同体で暮らす若い女性がカカオの起源を知る旅を描いている。

物語では、故郷のスーパーマーケットで単調な日常とあふれる情報に囲まれていた若い女性が、シュアルの共同体へと誘われ、五感を揺さぶる時を超えた旅に出る。そこで彼女が知るのは、製造も模倣もできないものだ。スーパーマーケットに戻った彼女の目には、周囲の世界が以前とは違って映る。

出演者は、ディーン・フープス(Deanne Hoopes)、イリス・サグニャイ(Iris Sagñay)、フェルナンド・ダビラ(Fernando Dávila)、ヘルマニア・モリナ(Germania Molina)である。

監督はエクアドル出身のアンドレス・イダルゴ(Andrés Hidalgo)が務め、セルヒオ・モラガ(Sergio Moraga)のオリジナル構想を基に制作された。制作にはグランイデア(Granidea)とカンギレラ・スタジオ(Canguilera Studio)が参加し、音楽と音響はフレッチャー&マンソン(Fletcher + Munson)が担当した。

Anecacaoは声明で、「チョコレートは世界中で知られているが、カカオの産地が同じように注目されるとは限らない」と指摘した。そのうえで、『インコピアブレ』を通じて、エクアドル産カカオの背景にある豊かな文化、自然、先祖代々受け継がれてきた伝統を伝えたいとしている。

 

インドやギリシャの映画祭でも評価

『インコピアブレ』は、今回の「ビッグ・シン国際映画祭2026」への参加に先立ち、インドのティルスリ国際映画祭(Thilsri International Film Festival)で国際短編映画賞を受賞した。また、ギリシャでは最優秀短編映画の特別賞を獲得したほか、米国、英国、ネパールの映画祭でも公式セレクションに選ばれている。

 

監督アンドレス・イダルゴの経歴

アンドレス・イダルゴは、ドイツのベルリン(Berlin)を拠点に活動するエクアドル出身の映画・広告監督である。映画や広告、ミュージックビデオ、ビデオダンスなど幅広い分野で作品を手掛けている。大胆な映像表現と、社会的・政治的なテーマを掘り下げる物語を組み合わせた作風が特徴だ。

短編映画『エル・ビアヘ(El Viaje)』(2023年)は、国際映画祭で25を超える賞や栄誉を獲得した。アカデミー賞の選考対象となるロードアイランド国際映画祭(Rhode Island International Film Festival)のほか、カンヌ・アーツ映画祭(Cannes Arts Film Fest)、ハリウッド・ショーツ映画祭(Hollywood Shorts Fest)などでも上映された。

2024年には、ベルリンのウシナ・デ・ギオネス(Usina de Guiones)に、短編映画『エル・ミエド・デ・ロス・トントス(El miedo de los tontos)』の開発企画が採択された。同作品は現在ポストプロダクション段階にあり、2025年にはロカルノ・オープン・ドアーズ(Locarno Open Doors)にも参加した。

現在、イダルゴはエクアドルのアマゾン地域を舞台とするドキュメンタリーを含む複数のプロジェクトに取り組んでいる。

#Shuar #カカオ

 

作品情報:

名前:Incopiable(英題:Uncopyable)
監督:アンドレス・イダルゴ(Andrés Hidalgo)
脚本:セルヒオ・モラガ(Sergio Moraga)、バレリア・ロペス(Valeria López)
制作国:エクアドル
時間:3分3秒
ジャンル:フィクション、ドラマ、マジックリアリズム、環境

 

参考資料:

1. ‘Incopiable’, documental ecuatoriano sobre la historia del cacao compite en festival de cine londinense: así puedes votar hasta mañana
2. Uncopyable

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