エクアドル政府は2026年9月11日、グアヤス県(Guayas)、マナビ県(Manabí)、ロス・リオス県(Los Ríos)、エル・オロ県(El Oro)の4県を対象に、14日間の夜間外出禁止令を発令すると発表した。犯罪組織による暴力が続く中、治安作戦を強化することが目的である。
内務相ジョン・ライムベルグ(John Reimberg)によると、夜間の移動制限は9月17日午前0時に始まり、9月30日午後11時59分まで続く。期間中は毎日、午前0時から午前5時まで外出が禁止される。政府は、市民がこの5時間に自宅にとどまることで、対象地域に軍と警察を集中的に投入し、作戦や介入を実施できるとしている。
作戦を担う安全保障ブロックは、警察、軍、内務省、国防省で構成され、国際協力による支援も受ける。恐喝、誘拐、麻薬密売などに関与する犯罪組織の作戦能力を弱体化させることが、この戦略の目的である。
Ecuatorianos:
— John Reimberg (@JohnReimberg) September 11, 2026
El Gobierno del presidente Daniel Noboa se caracteriza por hablar claro y con responsabilidad. Hoy la lucha contra el crimen organizado se encuentra más fuerte que nunca y por ello, hemos tomado la decisión de implementar lo siguiente:
Desde las 00h00 del 17 de…
政府は、夜間外出禁止時間帯に個人的な活動や用事のために移動する通行許可証を発行しないとしている。夜間に移動できるのは、認定を受けた初動対応要員や必要不可欠な部門に限られる。対象となるのは、医療従事者や緊急対応要員のほか、現行犯逮捕に関する審理に出席するため正式に認定された検察官および弁護士である。報道機関については、記者であることを確認でき、治安部隊に直接同行する場合に限って取材活動を行うことができる。
今回の措置の背景には、国内で続く高水準の暴力がある。内務省のデータによると2026年1月から7月までに4,882件の殺人が記録され、この期間はエクアドルの歴史上2番目に暴力的な時期となった。
2026年、未成年者の殺害が過去最多に
エクアドルでは、治安悪化と暴力の影響が未成年者にも及んでいる。上述の通り、2026年1月から7月までに国内で記録された殺人は4,882件で、このうち345件が未成年者を対象とした殺人だった。未成年者の殺害件数としては国内史上最多である。
この7カ月間では、平均すると14時間45分に1人の未成年者が殺害された計算になる。未成年者を狙った殺人は、グアヤキル(Guayaquil)、ドゥラン(Durán)、マンタ(Manta)、エスメラルダス(Esmeraldas)で特に多く発生した。
- 2026年1月から7月までに殺害された未成年者は345人だった。前年の2025年は339人で、2026年は6人増え、増加率は1.8%だった。
- 2024年は224人で、2026年の345人は121人多く、54%増加した。2023年は194人で、2026年は151人多く、77.8%増加した。
- 2022年は107人で、2026年は238人多く、222%増加した。2021年と比べると増加率は684%、2020年と比べると807%となった。
- 2019年は26人で、2026年は319人多く、増加率は1,226%だった。2017年は29人で、2026年は約11倍に増え、増加率は1,089%となった。
グアヤキルで未成年者の殺人が111件
内務省の集計では、2026年1月から7月までに未成年者の殺害が最も多かった都市はグアヤキルで、111件が記録された。次いで多かったのはグアヤス県(Guayas)のドゥランで28件だった。3番目と4番目はマナビ県(Manabí)のマンタとエスメラルダスで、それぞれ15件だった。
2026年6月3日には、グアヤキル北部のフアン・モンタルボ協同組合(la cooperativa Juan Montalvo)で14歳の少年が殺害された。少年が商店の外にいたところ、オートバイで移動していた2人の殺し屋に襲われた。
今年1月から7月までに記録された未成年者の殺害345件のうち、321件では銃器が使用された。13件ではナイフやマチェーテなどの刃物が使われた。また、6件では絞殺、2件では締め付ける器具である繊維用プレスと石などの鈍器が使われ、1件では毒物が使用された。
2026年9月7日午後4時ごろには、グアヤキル南部のハイメ・トラル協同組合(la cooperativa Jaime Toral)で17歳の少年が殺害された。複数の人物が乗った三輪タクシーが現場に到着し、そのうち1人が車から降りて少年に近づき、発砲した。
少年と一緒にいた人物は銃撃が始まると、その場から逃げて身の安全を確保しようとした。一方、襲撃者は三輪タクシーに戻り、運転手が現場から車を走らせ始めた。しかし、襲撃者は逃走する前に再び車から降り、少年に向けてもう一度発砲した。
事件を受け、警察は犯人を捜すため複数の部隊を現場周辺に展開した。捜索はグアヤキル南部の複数地点に及んだ。危機管理および治安統制に関するグアヤキル市公社(Empresa Pública Municipal para la Gestión de Riesgos y Control de Seguridad de Guayaquil:Segura EP)のビデオ監視システムは、事件関係者の移動経路を特定するうえで重要な役割を果たした。
監視カメラは、三輪タクシーが複数の通りを走行する様子を捉えていた。その後、容疑者の1人が河口を走っている姿も記録された。警察官らはこの映像を手掛かりに追跡し、エスメラルダス・リブレ協同組合(la cooperativa Esmeraldas Libre)までたどり着いた。警察官らは同協同組合で15歳の少年2人を拘束しており、2人は所管当局に引き渡された。捜査は現在も続いており、2人の殺人への関与や事件に至った経緯が調べられている。
2026年、未成年者の拘束が過去最多
未成年者が被害に遭う事件が増加の一途をたどる中、2026年は未成年者の拘束件数も過去最多となっている。エクアドルでは、2026年1月から7月までに1,982人の未成年者が拘束された。平均すると1日当たり9人を超える計算で、内務省のデータによると、過去8年間で最も多い数字となった。
拘束件数は2025年の1,619件から363件増加し、増加率は22.4%となった。過去の年と比較しても増加幅は大きく、2024年比で44.5%、2023年比で39.8%、2022年比で64.8%、2021年比で63.7%、2020年比で53.9%増加した。
2019年1月から7月までには1,894件の拘束が記録されており、2026年はこれを88件上回った。増加率は4.6%となる。2026年1月から7月までの未成年者の拘束件数は、2019年の記録を上回り、過去最多となった。
17歳の拘束が最も多い
2026年1月から7月までに拘束された1,982人のうち、17歳が781人で最も多かった。次いで16歳が621人、15歳が345人だった。この3つの年齢層で、拘束された未成年者の大半を占めている。
上述のグアヤキル南部で17歳の少年が殺害された事件においてもエスメラルダス・リブレ協同組合(cooperativa Esmeraldas Libre)で容疑者として警察が拘束したのは15歳の未成年者2人出会った。2人は、事件で使用されたものと同様の衣服が入ったスーツケースを所持していた。
キトでも14歳の少年を拘束
キト(Quito)のエウヘニオ・エスペホ地区(Eugenio Espejo)で行われた作戦では、自動車部品の窃盗の疑いに関する通報を受けて警察官が出動し、車両による追跡に発展した。
エウヘニオ・エスペホ作戦責任者のバイロン・フローレス(Byron Flores)は2026年8月11日、「車両の乗員の1人が窓から銃器を出した。それにもかかわらず、警察官らは勇敢にこの車両を取り押さえ、そのうちの1人を制圧することに成功した」と述べた。この作戦で拘束された少年は14歳だった。
拘束は特定の県に集中
内務省のデータからは、未成年者の拘束が人口の多い県や、暴力の水準がより高い地域に集中していることも分かる。グアヤス県が572件で最も多く、ピチンチャ県が258件、マナビ県が175件で続いた。
グアヤス県、ピチンチャ県、マナビ県、エスメラルダス県、ロス・リオス県の5県では、合わせて1,315件の拘束が記録されている。これは全体の約66.3%に当たる。
このほか、インバブラ県(Imbabura)で55件、サント・ドミンゴ・デ・ロス・ツァチラス県(Santo Domingo de los Tsáchilas)で52件、スクンビオス県(Sucumbíos)で42件、ナポ県(Napo)で39件、モロナ・サンティアゴ県(Morona Santiago)で37件、ロハ県(Loja)で35件、トゥングラワ県(Tungurahua)で34件、サンタ・エレナ県(Santa Elena)で33件、コトパクシ県(Cotopaxi)で32件、カニャル県(Cañar)で29件が記録された。
地域別に見ると、未成年者の拘束は国内で均一に分布しておらず、グアヤス県に最も多くの事例が集中している。また、沿岸部の県とピチンチャ県に記録の大部分が集まっている。
こうした未成年者の拘束は、犯罪行為における少年少女の関与が、エクアドルが直面している治安危機の一要素となっている状況の中で発生している。
2026年1月から7月までに4,882件の殺人
2026年1月から7月までの7カ月間は、エクアドルの歴史上2番目に暴力的な時期となった。この期間に国内で4,882件の殺人が記録された。これを上回ったのは、2025年の同じ期間だけである。2025年1月から7月までには5,295件の殺人が発生し、過去最多を記録した。
2026年の4,882件は、2024年の3,753件、2023年の4,509件を大幅に上回っている。約10年前と比べても多く、2017年の同じ期間には609件だった。2026年は1日平均23件の殺人が発生しており、平均すると63分に1件の殺人が起きたことになる。
殺人は沿岸部と麻薬密売ルートに集中
2026年1月から7月までの殺人を地域別に見ると、犯罪は沿岸部や麻薬密売ルートにとって重要な地域に集中している。グアヤス県(Guayas)では、この期間に2,028件の暴力による死亡が記録され、国内で最も多かった。次いでマナビ県(Manabí)が705件、エル・オロ県(El Oro)が634件、ロス・リオス県(Los Ríos)が558件だった。
この4県に加えて、サンタ・エレナ県(Santa Elena)でも141件の殺人が記録された。サンタ・エレナ県も組織犯罪の活動によって大きな被害を受けた地域となっている。
グアヤキルで暴力による死亡が最多
都市別に見ると、国内の犯罪は少数の都市に集中している。グアヤキル(Guayaquil)は暴力による死亡が最も多い都市となっている。
2026年7月31日には、ペドロ・パブロ・C(Pedro Pablo C.)という男性が、コスタ方面の道路沿いにある高級住宅地プエルト・アスル(Puerto Azul)の敷地内で殺害された。男性が車から降りたところ、重武装した殺し屋らが襲撃し、何度も発砲した。男性はその場で死亡した。この事件は、別の車で住宅地に到着した妻が目の前で目撃した。被害者を助けようとした運転手も銃撃戦で負傷した。
その2日前には、グアヤキルに属する農村教区ポソルハ(Posorja)で、プエルト・エル・モロ(Puerto El Morro)から漁に出ていた漁師の集団が、船を奪おうとした海賊に襲われた。漁師の1人は海上で殺害された。生存した兄は、遺体を自分の車でグアヤキルの遺体安置所まで運ばなければならなかった。
ピチンチャ県165件、エスメラルダス県196件
シエラ地域では、ピチンチャ県(Pichincha)が2026年1月から7月までに165件の殺人を記録し、地域別の統計で最多となった。一方、北部国境に位置するエスメラルダス県では、同じ期間に196件の殺人が記録された。
2026年7月15日夜、キト北部のジャノ・グランデ公園(parque de Llano Grande)で、ロハ(Loja)出身の27歳の男性が銃撃されて死亡した。男性は復縁を目的に元交際相手と会うため、国内南部からキト(Quito)まで移動していた。警察の報告によると、殺し屋らは乗用車1台とオートバイ2台を使って男性を襲撃した。カルデロン地区(Distrito Calderón)の責任者ファビアン・メンデス(Fabián Méndez)は、男性が殺害されるためにロハから追跡されていたと明らかにした。
サリナスでは検察庁の書記官が殺害される
2026年8月17日、サンタエレナ(Santa Elena)のサリナス(Salinas)検察庁で水上犯罪を担当する書記官ホセ・ルイス・メルチャン・ペレロ(José Luis Merchán Perero)が、司法機関の建物の外で車内にいたところ、銃撃を受けて殺害された。車の運転席側のドアには多数の銃弾が撃ち込まれた。鑑識担当者は現場から少なくとも5個の薬莢を回収した。
この事件を受け、治安当局はモンタニタ(Montañita)で犯罪組織「ロス・チョネロス(Los Choneros)」の構成員3人を拘束した。3人はそれぞれ「グアヤコ(Guayaco)」、「ラ・チャマ(La Chama)」、「チト(Chito)」の別名で呼ばれている。3人は収監され、現在は予防拘禁下に置かれている。
2026年、土曜日と日曜日が最も暴力的な曜日となる
2026年1月1日から7月31日までにエクアドルで記録された4,882件の殺人を分析したところ、曜日によって殺人の発生状況に違いがあることが明らかになった。
内務省の報告書によると、この期間に殺人の1日平均件数が最も多かったのは日曜日で、平均28.3件だった。次いで土曜日が26.17件、木曜日と金曜日がそれぞれ22.06件、水曜日が21.27件、月曜日が21.13件となった。最も少なかったのは火曜日で、1日平均20.30件だった。
曜日ごとに日数が異なることで比較が偏るのを避けるため、分析では各曜日の殺人件数を1日平均に換算している。
日曜日の殺人平均件数は火曜日を39.2%上回る
日曜日の殺人平均件数は、最も少なかった火曜日を39.2%上回った。土曜日と日曜日を合わせると、殺人は1日平均27.22件だったのに対し、月曜日から金曜日までの平均は21.38件だった。
1週間の推移を見ると、殺人の平均件数は土曜日と日曜日に集中している。一方、月曜日から金曜日までは比較的近い水準で推移し、いずれも1日当たり20件から22件となっている。
日曜日に発生した殺人事件
日曜日の殺人平均件数が最も多かったことを示す事例の一つが、7月5日に沿岸部のサント・ドミンゴ・デ・ロス・ツァチラス県で発生した事件である。38歳のゲイリー・ミラー・イントリアゴ・サルダリアガ(Gary Miller Intriago Saldarriaga)は、ナイトクラブの中に滞在していたが、店を出る際に待ち伏せされた。被害者は即死し、遺体は主要通りの車道上に横たわった。
1日当たりの殺人件数には大きな変動も
曜日別の平均とは別に、日ごとの殺人件数には大きな変動も見られた。2026年1月から7月までには、3月28日のように殺人が50件に達した日がある一方、1月22日には暴力による死亡が9件記録され、1桁台となった。
こうした日ごとの増減があるものの、2026年最初の7カ月間では、日曜日が殺人の平均件数が最も多い曜日となり、火曜日が最も少ない曜日となった。
参考資料:
1. Gobierno decreta toque de queda de 14 días en Guayas, Manabí, Los Ríos y El Oro
2. 2026 es el año con más menores de edad asesinados en Ecuador: 345 víctimas en apenas siete meses
3. Los sábados y domingos son los días más violentos de Ecuador en lo que va del año
4. Más de nueve menores de edad detenidos registra el país cada día en 2026, la cifra más alta en los últimos años
5. Adolescente fue asesinado mientras caminaba en el sur de Guayaquil








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