エクアドル:2026年世界拷問指数で「高リスク」に、強制失踪51件、拷問申立て369件

世界拷問禁止機構(World Organisation Against Torture:OMCT)は、エクアドルを初めて2026年世界拷問指数(Global Torture Index 2026)の評価対象に加えた。同指数は、拷問およびその他の残虐、非人道的または品位を傷つける取扱いや刑罰を受けるリスクを評価する国際的な指標であり、世界5地域39か国を対象に、国際連合拷問等禁止条約(United Nations Convention against Torture:UNCAT)で定められた国際基準への適合状況を分析している。

エクアドルは今回、「高リスク」に分類された。これは、拷問や虐待を防止するための制度的保障が悪化していることを示している。世界拷問禁止機構(OMCT)は、過去2年間に同国で51件の強制失踪と369件の拷問の申立てが確認されたとして、状況にも警告を発している。

 

治安危機の中で拡大する人権侵害の懸念

エクアドルが世界拷問指数の評価対象となった背景には、組織犯罪の拡大、国内武力紛争の宣言、公共の安全維持を目的とした軍の関与拡大を特徴とする治安危機がある。2024年から続く非常事態の下で、国際機関や国内の市民社会団体は、公共安全の軍事化や、十分な文民監督がない状態で軍の権限が拡大していることにより、人権状況が悪化していると記録している。

報告書では、安全保障作戦中に国家機関によって実行された疑いのある少なくとも51件の強制失踪が確認されたほか、恣意的拘束、外部との連絡を遮断した拘禁、司法上の保障に対する不当な制限に関する申立ても記録されている。これらの影響は、アフリカ系住民、先住民族、貧困状態にある人々、子どもや青少年に不均衡に及んでいるとも指摘されている。

また、複数の人権団体は、過剰な武力行使、強制失踪、法外な処刑の疑い、安全保障作戦中の虐待に関する申立てが相次いでいると警告している。

刑務所制度でも危機が続いており、国際機関は国際基準に適合しない収容環境や高水準の暴力を記録している。

 

拷問、不処罰、非常事態をめぐる懸念

世界拷問禁止機構(OMCT)によると、2024年から2026年までに369件の拷問の申立てが記録された。さらに、法外な処刑の疑い、過剰な武力行使に関する報告も確認されている。これらの事案は、高い不処罰の状況下で発生しているとされる。不処罰は、多くの捜査が有罪判決に至っていないことに表れている。

また、十分な保障を伴わない外出禁止令を含む非常事態宣言が繰り返し適用されており、権利侵害のリスクを高め、国内における人権保護や説明責任の仕組みを弱体化させていると指摘されている。

 

中南米地域で高まる拷問リスク

世界拷問禁止機構(OMCT)SOS拷問ネットワーク(SOS-Torture Network)加盟団体が作成した第2回世界拷問指数では、エクアドル、ニカラグア、ベネズエラが初めて評価対象となった。

中南米で評価対象となっている8か国のうち、コロンビア、エクアドル、エルサルバドル、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、ベネズエラの7か国が、高リスクまたは極めて高いリスクの水準に位置付けられている。地域全体の調査では、対象となった8か国すべてで、拘束、家宅捜索、治安作戦などの場面において、警察や国家機関による暴力のリスクが高いことが確認された。また、8か国中6か国では、被害者の権利保護に関するリスクが極めて高い水準にあると評価された。上述の通り不処罰も大きな課題となっており、多くの事件で適切な捜査が行われず、加害者が有罪判決を受ける例は少ないとされている。さらに、8か国中7か国で現在も強制失踪が報告されているほか、「低致死性兵器」とされる装備がデモ参加者に使用され、重傷者が発生した事例も確認された。

 

世界拷問指数の評価方法

世界拷問禁止機構(OMCT)によると、世界拷問指数は、公的統計だけを基に作成されているものではない。評価では、現地の人権団体が収集した情報、各国の法制度の分析、国際的義務の履行状況、国際連合(United Nations:UN)機関の所見、司法制度および拷問防止メカニズムの運用実態に関する証拠を総合的に用いている。

また、拷問や虐待に関する信頼できる公開情報が不足していることも課題の一つとして挙げられている。そのため、各国の情報公開の透明性や情報へのアクセス状況も評価対象となっている。

世界拷問禁止機構(OMCT)は、国内治安任務における軍の関与拡大や非常事態宣言の繰り返しにより、人権侵害のリスクが高まり、監督や説明責任の仕組みが弱体化していると指摘している。

 

エクアドルの7分野別評価

2026年世界拷問指数では、拷問およびその他の残虐な取扱いを防止する7分野について評価が行われた。エクアドルの評価は以下のとおりである:

  • 拷問に反対する政治的取り組み:相当なリスク
  • 警察の残虐行為および国家機関による暴力の防止:高リスク
  • 身柄拘束中に拷問を受けない権利:非常に高いリスク
  • 不処罰の解消:高リスク
  • 被害者の権利保障:非常に高いリスク
  • すべての人に対する保護:高リスク
  • 人権擁護活動を行う権利および市民空間:高リスク

OMCT

 

拷問に反対する政治的取り組み:相当なリスク

世界拷問指数では、国家の法的義務、国際連合拷問等禁止条約(United Nations Convention against Torture:UNCAT)を含む国際的枠組みへの適合状況、拷問禁止に向けた公共政策の実施状況などを評価している。その中でエクアドルの「拷問に反対する政治的取り組み」は「相当なリスク」と評価された。

エクアドルでは、包括的刑法典第151条により拷問が犯罪として定義されている。しかし、拷問禁止委員会(Committee against Torture:CAT)は、この規定が条約基準に完全には適合しておらず、適切な処罰を妨げ、不処罰につながる余地を残していると指摘している。また、拷問に該当する可能性のある行為が「職務上の限界を超えた行為」として扱われることがあり、拷問という重大な人権侵害として十分に捜査・処罰されない問題があるとされる。2024年から2026年の間、この分類では621件の申立てが記録された一方、拷問として扱われた申立ては369件だった。

さらに、拷問防止小委員会(Subcommittee on Prevention of Torture:SPT)は2022年にエクアドルを訪問し、拷問防止制度や拘禁環境に関する構造的な懸念を記録した。しかし、政府が報告書を公表していないため、現在も内容は非公開となっており、透明性と説明責任の確保に課題が残っている。

拷問被害者への対応をめぐる指摘

国際拷問被害者支援デーに際し、人権擁護常設委員会(Comité Permanente por la Defensa de los Derechos Humanos:CDH)グアヤキル支部は、エクアドル政府が拷問被害者への責任を十分に果たしていないと警告した。特に、身柄拘束下や非常事態体制における被害者への対応が問題となっている。

2018年から2023年に発生した刑務所内虐殺の被害者となった拘束者の家族は、現在も真実の解明や司法的救済を得られていないとされる。また、2024年には数百人の拘束者が軍関係者によって身体的および性的拷問を受けたとされている。これらの事実については十分な解明が進まず、適切な捜査も行われていないと指摘されている。

さらに、2025年には食料不足や医療提供の欠如により、1,000人以上の拘束者が死亡したとされる。刑務所分野では未解決の問題が残されており、死亡事案や組織的な拷問行為について、実効的な司法手続きが確保されていないとされている。

また、2024年に軍関係者によって実行されたとされる51件以上の強制失踪事件についても、捜査の進展がないと指摘されている。政府による情報提供の不足が、行方不明者の家族による真相解明を妨げているとされる。

人権擁護常設委員会(CDH)は、拷問被害者を人権擁護者として認識し、真実の解明、正義の実現、完全な被害回復が保障されるまで支援を続けると表明した。また、同委員会は、世界拷問指数の評価を踏まえ、エクアドルでは貧困状態にある人々や人種的少数者に対する拷問リスクが高まっているとして、独立した司法制度と監視・捜査機能を持つ機関の必要性を指摘している。

 

警察の残虐行為および国家機関による暴力の終結:高リスク

この項目では、法執行活動、拘束、警察による身柄拘束、取調べ、公的集会、国境管理などの場面において、拷問や虐待を防止するための保障や仕組みが機能しているかを評価する。また、強制失踪など国家機関による重大な人権侵害も対象となる。世界拷問指数では、エクアドルは「高リスク」と評価された。

報告書は、警察による暴力や、警察・軍事作戦における不均衡な武力行使が続いていると指摘している。特に、社会的抗議活動や2025年の全国ストライキの際に、治安部隊による過剰な対応が確認されたとしている。

人権団体によると、少なくとも391件の人権侵害が記録されており、その中には206件の恣意的拘束、473人の負傷者、投射物や催涙ガスの使用による重傷者、治安部隊の武力行使に関連した少なくとも2人の死亡が含まれる。また、報告された虐待には、短期間の失踪、外部との連絡を遮断した拘禁、拘束時の暴行、デモ参加者や通行人に対する無差別な低致死性兵器の使用が含まれている。

安全保障政策についても懸念が示されている。特に「フェニックス計画(Plan Fénix)」の下で進められる治安対策では、テロ対策を理由とした拘束が適正手続の保障を制限する形で利用される可能性が指摘された。2024年1月から5月までに、テロ関連の逮捕を含む約35,000件の拘束が報告されている。さらに、抗議活動の犯罪化、ジャーナリストへの攻撃、令状なしの家宅捜索なども確認され、治安分野の軍事化が進んでいるとされる。報告書は、こうした状況が組織的な人権侵害のリスクを高め、監督や説明責任の仕組みを弱体化させていると指摘している。

 

身柄拘束中に拷問を受けない自由:非常に高いリスク

この項目では、拘禁施設における人道的な処遇、医療へのアクセス、法的保障、監視制度などを評価する。エクアドルは「非常に高いリスク」と評価された。

報告書によると、刑務所制度では、極端な過密状態、医療不足、栄養不足、安全な飲料水へのアクセス制限、高水準の暴力が続いており、拘束者の生命や身体の安全に重大な危険をもたらしている。この状況を受け、米州人権委員会(Inter-American Commission on Human Rights:IACHR)は、グアヤス第1刑務所について深刻な状況を理由に予防措置を認めた。

刑務所内の健康状況も深刻であり、2025年には1,000件を超える結核感染が報告された。また、2026年1月から5月までにグアヤキルでは346人の死亡が記録されている。拘束下で発生する死亡は、医療不足、栄養不足、適切な管理の欠如と密接に関連しているとされる。

刑務所内の暴力も続いており、エスメラルダス(Esmeraldas)刑務所での虐殺では17人が死亡し、マチャラ(Machala)刑務所での爆発では13人が死亡した。さらに、独房拘禁、面会制限、十分な法的保障の欠如が続いており、拷問や虐待のリスクを高めている。また、国家による拷問防止メカニズムの能力不足を補う形で、家族や市民社会団体が拘禁施設で発生する虐待を記録し、被害の報告を行っている。

 

不処罰の解消:高リスク

この項目では、拷問やその他の虐待に関する責任追及を確保するための仕組みを評価する。対象には、捜査・司法制度、被害者への実効的な救済、専門的な法医学サービスの体制が含まれる。世界拷問指数では、エクアドルは「高リスク」と評価された。

報告書によると、2024年1月から2026年4月までの非常事態期間中、検察庁(Fiscalía General del Estado)は重大な人権侵害に関する1,110件の申立てを記録した。内訳は、過剰な武力行使621件、拷問369件、不法な自由剥奪57件、強制失踪38件、法外な処刑25件であり、少なくとも1,295人が影響を受けたとされる。しかし、申立ての規模に対して司法対応は限定的である。拷問について有罪判決に至った事例は1件のみで、強制失踪、法外な処刑、過剰な武力行使、不法な自由剥奪については有罪判決が報告されていない。また、事件の80%以上が予備捜査段階に残されており、多くの案件で捜査の進展が見られないとされる。強制失踪事件については、国防省(Ministerio de Defensa)が軍事作戦に関する情報提供を拒否していることが、不処罰の継続につながっていると指摘されている。

報告書は、申立て件数と刑事責任を問われた件数の大きな差は、構造的な不処罰を示していると指摘している。この状況は、非常事態下での人権侵害の再発を防ぐ仕組みを弱め、捜査、訴追、責任追及に重大な課題を残している。

 

被害者の権利:非常に高いリスク

この項目では、拷問被害者に対して国家が負う包括的な救済、完全な回復、保護措置、専門的支援の提供状況を評価する。エクアドルは「非常に高いリスク」と評価された。

拷問禁止委員会(Committee against Torture:CAT)は、エクアドルでは過去の人権侵害について高い不処罰の状態が続いていると指摘している。2010年の真実委員会(Comisión de la Verdad)が記録した119件の事案のうち、有罪判決に至ったのは3件のみとされる。多くの事件では、被害者への十分な通知や捜査を伴わないまま手続きが終了している。被害回復についても、459人の被害者のうち、何らかの救済を受けたのは156人にとどまるとされている。また、人権委員会(Human Rights Committee)も、118件の事案のうち有罪判決は12件で、多くが予備捜査段階に残されていると指摘した。さらに、記憶博物館(Museo de la Memoria)の設置についても、被害者が十分に参加しない形で進められたとして、実質的な被害者中心の回復措置になっているか疑問が示されている。

強制失踪委員会(Committee on Enforced Disappearances)は、17人の被害者について、その大多数の所在が現在も確認されていないと指摘している。加えて、被害者への再被害化や犯罪化も問題となっている。マルビナス事件(Caso Malvinas)では、被害者に対する偽情報キャンペーンが行われたとされ、被害者への偏見や汚名化が続いている。

報告書は、こうした状況が、真実の解明、司法的救済、被害回復を保障する制度の不足を示していると指摘している。

 

 

すべての人に対する保護:高リスク

この項目では、子ども、女性、LGBTQIA+の人々、民族的少数者など、より高いリスクにさらされる個人や集団について、拷問やその他の虐待から保護する国家の義務を評価する。また、国家および非国家主体による侵害に対して、法的・制度的な保護措置が機能しているかも対象となる。世界拷問指数では、エクアドルは「高リスク」と評価された。

報告書は、構造的暴力や組織犯罪の拡大が、脆弱な立場にある人々に深刻な影響を及ぼしていると指摘している。2014年から2025年の間に、子どもや青少年の暴力による死亡は増加した。背景には、犯罪組織による強制的な勧誘や社会的排除があるとされる一方、加害者に対する有罪判決は確認されていない。

非常事態宣言の下では、人種的プロファイリングや、アフリカ系住民および先住民族の若者に対する犯罪化が強まっていると指摘されている。抗議活動の場面では、恣意的拘束、過剰な武力行使、短期間の失踪が報告された。特に、11歳から15歳の4人の子ども・青少年が関係したマルビナス事件(Caso Malvinas)では、国家機関によるものとされる拷問、強制失踪、法外な処刑の疑いが指摘されている。この事件は、脆弱な立場にある若者に対する権利侵害と、構造的な人種差別および不処罰の問題を示す事例とされている。

ジェンダーに基づく暴力も深刻な課題となっている。2014年から2025年までに、女性およびトランスジェンダー女性に対する殺害事件は2,391件記録され、2025年には増加が確認された。さらに、性的指向を理由とする攻撃、「転向療法」と呼ばれる行為、適切な捜査の不足も続いている。トランスジェンダーの子どもの権利をめぐっても、裁判所の判断を弱体化させる政治的な動きが差別を助長していると指摘されている。

また、中絶をめぐっては法的な進展がある一方、犯罪化や制度的障壁が残り、女性や少女の安全を脅かしている。2025年時点で、中絶に関連する犯罪化事例は少なくとも472件確認されている。

 

人権擁護活動を行う権利および市民空間:高リスク

この項目では、人権擁護者や市民社会団体が活動する環境、権利侵害を監視・記録する自由、国家による制限や圧力の状況を評価する。エクアドルは「高リスク」と評価された。

報告書によると、エクアドルの市民空間は悪化している。2024年以降、「国内武力紛争」の宣言や非常事態宣言の繰り返しにより、表現や活動の自由など基本的権利が制限され、治安機関による武力行使の拡大につながっているとされる。政府は十分な議論を経ないまま緊急法を成立させ、行政権限を集中させたことで、制度的な抑制と均衡、憲法裁判所(Corte Constitucional)の役割を弱めているとの指摘がある。また、2024年には1,471件の文書が機密指定され、その割合は81.68%に達した。これにより、情報公開や市民による監視が制限されたとされる。

さらに、社会的透明性に関する有機法(Ley Orgánica de Transparencia Social)などの規制枠組みにより、市民社会団体への統制が強まっていると報告されている。同法は、団体に対して登録、財務報告、国家による監督などの義務を課しており、十分な保障を欠いた資金凍結措置などを可能にすることで、人権擁護者(Human Rights Defenders:HRDs)や市民団体の自主性を損なう懸念が示されている。

また、ジャーナリストへの嫌がらせ、口座凍結、メディア閉鎖、政府批判者の国外追放なども報告されている。少なくとも486人の人権擁護者が危険にさらされており、その中には資源開発に反対したことで犯罪化された環境活動家も含まれる。

報告書は、こうした措置が社会的主体への汚名化や犯罪化と結びつき、人権を守る活動そのものを困難にする状況を生み出していると指摘している。

 

世界拷問禁止機構による勧告

世界拷問禁止機構(OMCT)は、エクアドルに対し、拷問および虐待に関するすべての申立てについて、被害者に立証責任を負わせることなく、迅速かつ独立・公平な捜査を行うよう求めている。また、上級指揮官を含む責任者の処罰を確保し、犯罪行為を「職務上の限界を超えた行為」など、訴追を妨げる別の分類に変更することを避ける必要があると指摘した。

公共安全任務における軍の関与については、例外的、期間限定、補完的なものに限定し、文民による効果的な統制、独立した監督、説明責任の仕組みを確保すべきだとしている。

さらに、非常事態宣言の利用を制限し、措置は一時的で、厳密に必要かつ均衡の取れたものとし、司法審査の対象とするべきだと勧告している。

刑務所制度の改革と拘束者の権利

世界拷問禁止機構(OMCT)は、人権機関や市民社会団体がすべての拘禁施設を定期的、独立的、制限なく監視できる環境を保障するよう求めている。また、刑務所を安全保障区域として指定する政令第218号を廃止し、人間の尊厳を中心とした刑務所制度の包括的改革を進める必要があるとしている。

改革では、権利に基づく取り組みやジェンダーに配慮した対応を取り入れ、身体検査などの屈辱的な扱いを禁止するとともに、尊厳ある収容環境や家族との関係維持を保障するべきだとしている。

さらに、拘束者の家族に対して、拘束者の所在、健康状態、拘禁状況を通知する明確で公開された手続きを整備すること、拷問や虐待を安全に通報できる仕組みを設け、報復から保護することを求めている。

子ども・青少年の保護と制度改革

世界拷問禁止機構(OMCT)は、安全保障活動の中で影響を受ける子どもや青少年について、捜索、保護、対応に関する具体的な手続きを導入し、子どもの最善の利益と文民当局による迅速な介入を確保する必要があるとしている。また、オンブズマン事務所の長を透明性のある方法で任命し、十分な資源を確保することで制度的独立性を保障するとともに、司法の自治を尊重し、憲法裁判所の判断を完全に履行するよう求めている。

国際的判断についても、国際連合(UN)条約機関による「ノルマ対エクアドル(Norma v. Ecuador)」事件などの判断を履行すべきだとしている。同事件では、強制的な母性が拷問にあたり得ると認定されており、完全な被害回復、再発防止策、法改正、妊娠中絶を含む性と生殖に関する健康サービスへの実効的アクセスを確保する政策の実施が求められている。

市民空間と人権擁護者の保護

世界拷問禁止機構(OMCT)は、人権擁護活動を不当に制限する法律や規則を見直し、人権擁護者を保護するための十分な資源を備えた制度を整備するよう求めている。また、登録義務や財務報告義務などによって市民社会への統制が強化されることを防ぎ、人権擁護者が安全に活動できる環境を確保する必要があるとしている。

良い実践例

拘禁中の拷問からの自由

刑務所内の虐殺、栄養不足、医療不足、面会制限が続く中、拘束者の家族は人権団体と連携し、尊厳ある収容環境を求める活動を行った。この取り組みにより、2024年6月、グアヤス州(Guayas)の刑務所における十分な食料供給の回復を命じる裁判所判断が出された。この判断には、独立機関による確認制度も含まれ、市民社会による権利擁護の事例となった。

情報へのアクセスと透明性

情報へのアクセスは、国家の透明性と説明責任を確保するために不可欠である。市民社会団体、ジャーナリスト、個人は、公的機関の活動、人権侵害に関する統計、政策決定過程について情報を求めることができる。この権利は、市民参加を促進するとともに、拘束下にある人々の尊厳を守るためにも重要とされている。一方で、世界拷問指数は、エクアドルにおける情報公開と透明性に課題が残っていることを示している。

 

エクアドル基本情報

  • 政府形態:大統領制共和国
  • 人口:1,830万人(2025年) ※出典:国連人口基金(UNFPA)
  • 市民空間:制限されている
  • 拷問等禁止条約(CAT):批准済み(1988年)
  • 拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT):批准済み(2010年)
  • 拷問被害者のための国際連合自発的基金:なし
  • 刑務所収容者総数:38,299人(2026年4月24日時点)
  • 国内予防メカニズム(NPM):あり
  • 死刑:なし

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参考資料:

1. Ecuador ingresa al Índice Global contra la Tortura con una calificación de “alto riesgo”
2. Ecuador ingresa al Índice Global de Tortura 2026: estos son los siete indicadores de alerta
3. ECUADOR / OMCT

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