エクアドル:恐喝被害、2018年から2025年に927%増、国家安全保障計画が警鐘

(Photo:Diario Ec)

エクアドル内務省は23日、「2026~2029年国家市民安全保障計画(Plan Nacional de Seguridad Ciudadana 2026–2029: Ecuador Defiende)」を官報(Registro Oficial)で公布した。同計画は犯罪防止と暴力削減に向けた今後3年間の国家戦略を定めたもので、内務省の全組織に対し目標や指標の実施を義務付ける。また、国内の治安情勢を分析し、恐喝が犯罪組織の主要な資金源となっている現状に警鐘を鳴らした。

同計画は6月9日、ジョン・レインベルグ・オビエド(John Reimberg Oviedo)内務相が省令として署名し、23日に官報掲載を経て正式に発効した。エクアドル共和国憲法第154条や「市民安全・公共秩序機関組織法(Código Orgánico de las Entidades de Seguridad Ciudadana y Orden Público)」第63条などを法的根拠とする。

また、「公共・国家安全保障法施行規則(Reglamento a la Ley de Seguridad Pública y del Estado)」に基づき、「国家開発計画(Plan Nacional de Desarrollo)」および「国家総合安全保障計画(Plan Nacional de Seguridad Integral)」と連携した国家レベルの治安戦略として位置付けられる。

国家市民安全保障計画では、犯罪防止や暴力削減に向けた目標、数値目標、評価指標を定め、内務省の全行政部門に実施を義務付けた。市民安全担当次官室、公共安全担当次官室、国家社会更生制度担当次官室は、それぞれの所管分野で施策を実施するとともに、進捗状況を監視し、定期的に成果を報告する責任を負う。

さらに、安全保障分野閣僚会議(Gabinete Sectorial de Seguridad)は5月28日付決議で、この計画を国家公共・国家安全保障会議(Consejo de Seguridad Pública y del Estado)へ提出し、関係機関の役割分担を正式化するよう勧告した。

内務省の広報部門と行政部門は、計画を政府公式サイトで公開するとともに、関係機関への法的通知を行うことも定められた。

同日付官報ではこのほか、国家警察への表彰に関する省令も公布された。警察担当次官オルガ・ベアトリス・ベナビデス・クエバ(Olga Beatriz Benavides Cueva)の省令により、勤続25年の警察官11人に国家警察第一級勲章、勤続20年の531人に国家警察第二級勲章が授与される。

国家市民安全保障計画には、エクアドルの治安情勢に関する分析も盛り込まれた。内務省によると、国内の恐喝被害は2018年の1570件から2025年には1万6129件へと927.32%増加した。犯罪組織が脅迫や爆発事件、暴力を伴う違法な徴収システムを運営する資金源となっているとして警鐘を鳴らし、恐喝は従来の犯罪から犯罪組織の主要な資金調達手段へと変化したと指摘した。

Gráfico:Radio Pichincha, Fuente:Ministerio del Interior

 

新型コロナウイルス禍後に被害は急増し、2023年には約2万2千件と過去最多を記録した。2025年は前年からやや減少したものの、2021年以前の平均を大きく上回り、分析期間では3番目に深刻な治安上の脅威となっているという。

国家市民安全保障計画は、一般的な恐喝と、犯罪組織が住民や商店に「治安維持費」と称して金銭を支払わせる「ヴァクナ(vacuna)」を区別した。「ヴァクナ」は、犯罪組織が地域の「治安」を違法に管理し、住民や事業者に安全の対価として支払いを強要する手口だと説明した。

また、恐喝は現在、住民にとって窃盗以上に恐れられる犯罪となっていると分析した。2023~2025年には、グアヤキル(Guayaquil)、エスメラルダス(Esmeraldas)、マチャラ(Machala)などで店舗を狙った爆発事件や銃撃事件が相次ぎ、恐喝への支払い拒否や犯罪組織間の縄張り争いに対する報復とみられる事例が発生したとしている

2025年の恐喝被害は、グアヤス県(Guayas)、ピチンチャ県(Pichincha)、エル・オロ県(El Oro)の3県で全国の59.29%を占めた。自治体別ではラス・ナベス(Las Naves)で人口10万人当たり381.06件と特に高い発生率を記録した。

Tabla:Radio Pichincha, Fuente:Base de datos de la Fiscalía procesada por el MDI

 

政府は犯罪組織の資金源を断つため、「2026~2029年誘拐・恐喝対策連携計画(Plan de Articulación Contra el Secuestro y la Extorsión 2026-2029)」を実施する方針である。犯罪情報分析や犯罪ネットワーク解析を活用し、現場の実行犯だけでなく資金を管理する犯罪組織の指導層の摘発を進め、2029年までに恐喝対策の摘発実効性を73%まで高めることを目標としている。

 

参考資料:

1. Las denuncias de extorsión pasaron de 1.570 casos en 2018 a 16.129 en 2025, lo que representa un incremento de 927%
2. Registro Oficial del día: Ecuador publica el Plan Nacional de Seguridad Ciudadana 2026-2029

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