(Photo:Ecuavisa)
キト(Quito)で発生した学校内暴力事件をきっかけに、保護者の間で、暴行・嫌がらせ・自殺に関する事例が相次いでいることへの懸念が広がっている。サン・アントニオ・デ・ピチンチャ(San Antonio de Pichincha)およびアランガシ(Alangasí)で確認された事例は、生徒間暴力の増加を示しているとされ、エクアドル教育省(Ministerio de Educación)は調査および保護プロトコルを発動したとしている。
被害者を保護するため、ここでは仮名としてフリアナ(Juliana)と呼ばれる母親は、息子が校外で4人の未成年と1人の成人から暴行を受けたとして検察庁(Fiscalía)に告発を行った。
事件は3月に発生し、加害者グループは被害者の顎を骨折させ、約20メートル引きずったとされる。
フリアナは次のように述べている。
「いじめ続けるグループがいて、繰り返し嫌がらせを受けていたため、学校側に状況を把握してもらうために相談した。しかし何も解決されなかった」
同じ地区では、他にも問題が報告されている。教育省は、ある生徒がボールペンで攻撃され部分的な難聴を負った事件や、いじめが原因とされる少女の自殺についても調査を進めている。
シエラ・アマゾニア地域における教育年度では、少なくとも3件の生徒自殺が確認されており、いずれも校内での継続的な暴力が背景にあるとされる。その一例であるグレシア(Grecia)の事案は家族の抗議を引き起こし、学校管理者の交代につながった。しかしその2か月後には、別の生徒が教室内でナイフによる攻撃を受ける事件も発生している。
どのようなことが起きたのか
キト都市圏東部アランガシ(Alangasí)地区で2026年5月15日夜、学生同士の暴力的衝突が発生し、17歳の生徒が刃物で刺される事件が起きた。事件は同地区の公園で発生した。
この事案はSNS上で拡散された動画によって明るみに出たもので、エクアドル国家警察(Policía Nacional)は内容を確認したとエクアビサ(Ecuavisa)に対して説明している。
動画には、異なる学校に通う生徒同士が路上で殴り合う様子が映っており、周囲には通行人や車両も存在していた。その後、1人が倒れた状態で、別の生徒が刃物で攻撃する様子が確認されている。
警察によれば、被害者は17歳で、右肩および左手親指付近に刃物による2か所の負傷を負ったとされる。被害者は医療機関に搬送され、胸腔チューブが挿入されるなど気胸の治療を受け、一般外科病棟に入院している。医療報告では容体は安定しているとされる。
エクアドル教育省(Ministerio de Educación)は、本件が教育機関外で発生した事案であるとしつつも、被害生徒への支援と追跡調査のため対応プロトコルを発動したと発表している。同省は関係機関と連携し、調査および家族支援を進めているとしている。
生徒らは攻撃の対象にもなっている
キト北部のシウダ・ビセンテナリオ(Ciudad Bicentenario)地区にある教育機関の外で、17歳の生徒が成人とみられる人物から暴行を受ける事件が発生した。加害者は当該学校とは無関係である可能性があるとされている。
事件は教育機関周辺で発生し、現場は警察地区施設(Unidad de Policía Comunitaria:UPC)から約200メートルの地点であったと報告されている。当時、校内では文化活動が実施されていたが、学校側は正式な声明を出していないとされる。
被害者の母親は警察への支援要請のため現場を離れたと証言している。また地域住民は、同周辺で脅迫行為や治安悪化が継続していると訴え、通学時の安全確保が困難であるとの懸念を示している。
保護者は犯人特定と捜査の実施に加え、登下校時間帯の警察による警備強化を求めている。
エクアドル教育省・スポーツ・文化省(Ministerio de Educación, Deporte y Cultura)は本件の調査開始を発表し、被害者家族および教育機関と連携して加害者特定とエクアドル検察庁(Fiscalía General del Estado)への告発手続きを進める方針を示している。被害生徒は容体が安定し回復過程にあるとされ、非対面授業への移行や公衆衛生省(Ministerio de Salud Pública)による心理的支援などの保護措置が実施されている。
一方、キト市北部では同様の事案が相次いでいる。カルデロン(Calderón)行政区の教育機関周辺では、生徒が登下校時間帯に窃盗や脅迫の被害に遭う事例が繰り返されているとされ、SNS上で拡散された映像では成人とみられる人物による暴行も確認されている。これらの事案はいずれも教育機関外で発生している点が共通している。
エクアドル教育省はこれら一連の事案について調査と保護プロトコルの発動を行っていると説明しているが、保護者や地域住民は教育機関周辺の治安対策強化と警備体制の改善を継続して求めている。
[COMUNICADO] Ante los hechos registrados en los exteriores de una institución educativa en el norte de Quito, informamos que activamos de manera inmediata los protocolos de seguridad y el acompañamiento integral para la comunidad educativa. pic.twitter.com/SYVv7VjTAo
— Educación Zona 9 (@EducacionZ9_Ec) May 26, 2026
元当局関係者は、現在の暴力レベルは過去よりも高いと指摘している。教育関係者であるロサリア・アルテアガ(Rosalía Arteaga)は、エクアドルの若年層における自殺が主要な死因の一つとなりつつあること、また学校中退や犯罪組織による青少年のリクルートが深刻化していることを指摘している。 国連児童基金(United Nations Children’s Fund:UNICEF)およびワールド・ビジョン(World Vision)の報告によれば、エクアドルでは生徒の5割が暴力またはいじめ被害を経験しているとされる。 教育省は、これらの事案について調査と追跡を進めており、被害者保護のためのプロトコルが発動されていると説明している。また、2015年から2023年の間に、同省は身体的・心理的暴力の事例として約3400件を報告している。
参考資料:
1. Denuncias por agresiones, acoso y suicidios alarman a padres de familia tras caso de violencia escolar en Quito
2. Quito: Violenta pelea entre estudiantes en Alangasí terminó con un adolescente apuñalado
3. Un estudiante fue brutalmente agredido por un adulto afuera de una unidad educativa en el norte de Quito
4. Estudiante fue agredido afuera de institución educativa de Quito

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