国内総生産(Producto Interno Bruto:PIB)は輸出と投資に牽引されて拡大し、2025年は3.7%の成長率で終了した。この数値は前年の落ち込みからの回復を示すものである。
2024年、ドル化体制下にあるエクアドルの国内総生産(PIB)は前年に比べて2.0%縮小した。この主な要因は、家計消費の1.3%減少、政府支出の1.2%縮小、固定資本形成(formación bruta de capital fijo:FBKF)の3.8%減少である。一方、輸出は1.8%増加し、経済の縮小を部分的に緩和した。
産業別に見ると、2024年に分析対象となった20部門のうち5部門がプラス成長を記録した。農業・畜産・林業は3.1%増、金融・保険活動と不動産活動はいずれも1.3%増、保健・社会福祉は0.3%増、食品製造業は0.2%増となった。
2024年の経済パフォーマンスには内生的要因と外生的要因が複合的に影響した。特に、治安状況や石油採掘区画ブロック43‑ITT(イシュピンゴ(Ishpingo)、タンボコチャ(Tambococha)、ティプティニ(Tiputini)油田)の段階的閉鎖、2025年選挙に伴う政治的不確実性、そして過去60年で最も深刻な渇水が経済の重しとなった。
渇水による停電は、19億1,600万米ドルの損失を生み、国内総生産(PIB)に1.4%のマイナス影響を与えた。停電の影響を最も受けた部門は、商業(7億6,310万米ドル)、製造業(3億8,020万米ドル)、サービス業(3億7,410万米ドル)である。
2025年には、エクアドル中央銀行(Banco Central del Ecuador:BCE)が公表した年次国民経済計算報告によれば、成長は年末の最終四半期にも確認され、同期間の国内総生産(PIB)は前年同期比で5.0%拡大した。通年を通じて経済活動は段階的に持ち直し、外需の拡大が全体を下支えする構図となった。
成長の主な原動力は対外部門である。輸出は前年比6.4%増加し、非石油輸出が顕著な伸びを示した。エビ、カカオ、バナナ、水産缶詰、鉱産品などが輸出拡大を牽引し、国際市場での需要と価格上昇の恩恵を受けた。一方、石油輸出は精製能力や原油生産における運用上の課題により伸び悩み、外需全体の伸びを一部相殺した。
内需では、投資(総固定資本形成)が5.6%増加し、生産環境に対する信頼回復を反映した。家計消費も2.7%の増加を記録し、購買力の持ち直しが確認された。公的支出はほぼ横ばいで、増加率は0.04%にとどまり、民間投資が不確実性に直面する中で景気下支え機能の限界が課題として残った。
産業別では、20部門のうち16部門がプラス成長を示した。電力・水供給は13.0%増、漁業・養殖業は10.0%増、金融サービスは9.8%増、農業は8.6%増となった。商業や食品製造業も成長に寄与した。これに対し、石油部門は0.6%の縮小、石油精製は15.5%減、鉱業・採石業は6.5%減と、採取産業における構造的課題が浮き彫りとなった。家計による雇用活動は3.2%減、芸術・娯楽サービスは0.6%減となり、雇用や国内消費に関連する分野の弱さも示された。
金融・通貨政策調整委員会議長であるグスタボ・カマチョ・ダビラ(Gustavo Camacho Dávila)は、輸出の拡大と複数部門の回復により、経済がより広範な基盤のもとで成長していると指摘した。
2025年のエクアドル経済は外需と投資に支えられ回復したが、石油依存、採取産業の構造問題、公的支出の低迷、雇用の弱さといった課題が依然として残存しており、成長の持続性には引き続き注意が必要である。
参考資料:
1. Ecuador crece 3,7% en 2025 impulsado por exportaciones e inversión

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