2026年2月23日(月)朝、グアノ(Guano)の地元メディアは、行方不明の少年に寄り添い続け、忠誠の象徴として知られる犬「ハチ(Jachi)」が交通事故で死去したと報じた。ハチは2025年11月、プニャイ山(Cerro Puñay)で行方不明となったルーカス・カンパーニャ(Lucas Campaña)のそばを、厳しい寒さと不安が続く山中でも決して離れず、数日間にわたり寄り添い続けたことで広く知られる存在となった。当時、地域住民や救助隊、当局が動員された大規模な捜索活動が展開され、4日間行方不明だった少年は無事に発見されたが、ハチが示した変わらぬ忠誠心は多くの人々の心を打ち、国内外で大きな反響を呼んだ(詳細はこちら)。
11歳のルーカスの失踪は、チンボラソ県(Chimborazo)チュンチ(Chunchi)にあるプニャイ山で緊急捜索を引き起こした。家族が11月9日夜に通報すると、地域社会は直ちに対応し、国家警察や生命に対する犯罪、暴力死、失踪、誘拐、恐喝を扱う国家局(Dirección Nacional de Delitos contra la Vida, Muertes Violentas, Desapariciones, Secuestro y Extorsión:DINASED)、チュンチ、アラウシ(Alausí)、リオバンバ(Riobamba)の消防隊、地元当局、住民らが一斉に捜索を開始した。捜索は急斜面や狭い山道、草木に覆われた区域など険しい地形の中で3日間続いた。
11月12日午後、大規模捜索の末、静まり返った山中で疲れ切り方向感覚を失ったルーカスを発見した。その様子はSNSで拡散された動画にも記録されており、彼はぼんやりとした表情で「僕は生きているの?」と問いかけたという。ルーカスは家族とプニャイ山に来ていたが、別の道を進んでしまい迷子になった。見つかるまでの間、彼は岩場でバランスを崩したり「小さな洞穴」に身を隠したりし、野生のブラックベリーを食べ、雨水を飲んで生き延びた。そしてその間、彼のそばには常にハチがいた。
しかしそのハチが、2026年2月23日午前8時30分ごろ、自宅の約5メートル先の道路で車に轢かれて死亡した。飼い主によると、ハチは道路で横たわっていたという。ハチは4年前に飼い主に見つけられて以来、地域の人々に愛され、週末にはプニャイ山を訪れ、観光客や遅れたハイカーのそばに寄るなど、人々に親しまれていた。住民の証言では、ハチは孤独や疲労を抱えた人々のそばに寄る能力があり、プニャイ山の守護者のように見なされていた。国立文化遺産研究所の写真には、ハチが山頂で行われた測量・地図作成作業に技術者たちと同行している様子も残されている。
Ese perro es una belleza 😍 creo que él siente cuando alguien está realmente solo. Cuando fui al Puñay, en un momento me separé del grupo (había unos que estaban muy adelante y otros muy atrás) y me quedé sola, cansada, podía avanzar de a poquito y apareció él a acompañarme https://t.co/ucw9noSsAR pic.twitter.com/MXJeBJS17o
— Karla (@karla_cruz1110) November 15, 2025
En convenio con ESPOCH, el @INPC Zonal 3 realizará el levantamiento topográfico y cartográfico de la cima del cerro Puñay usando drones con RTK y sensores LIDAR. Este trabajo permitirá preservar y valorar sus estructuras arqueológicas.@Cultura_Ec #elnuevoecuadornosedetiene pic.twitter.com/zqsgAY5qzP
— INPC Ecuador (@INPCEcuador) June 30, 2025
ハチの物語は、2025年11月に行方不明になったルーカスに寄り添い続け、発見されるまでそばを離れなかったことで注目を集めた。チュンチの消防隊もこの出来事を「奇跡」と評した。ハチの死を知った少年の家族も別れを告げに駆けつけ、飼い主によれば、ハチは家畜の世話も手伝っていたが、子孫を残したかどうかは不明だという。
事故の詳しい状況は明らかにされていないが、飼い主によって死去が確認されると、SNS上では悲しみの声が相次ぎ、山中で少年を支え続けた姿を振り返る投稿が広がった。ハチはプニャイ山のふもとに埋葬される予定で、少年が過酷な時間を耐え抜いたその場所で永遠の眠りにつく。現在、地域ではハチをどう弔うか検討しており、火葬や山への埋葬、記念碑の設置などの案がある。
上述のハチがエクアドルで広く知られる以前にも、同じように忠誠心で人々の心を打った犬がいた。「ハチ公」として知られた本名クーパー(Cooper)は、グアヤキル(Guayaquil)で2016年10月22日に亡くなったが、その前年の2015年12月、飼い主のクリストバル・レンテリア・モスケラ(Cristóbal Rentería Mosquera)44歳が殺害された後も、かつて一緒に暮らした家の角で主人を待ち続けたことで知られていた。
主人はグアヤキル南部、トリニタリア島(Trinitaria )地区のハコボ・ブカラム協同組合(Cooperativa Jacobo Bucaram)12番区画で、21時45分に殺害された。当時、多くの住民は報復を恐れ、クリストバルを知らないと警察に答えていた。しかしクーパーは全く異なる行動を示し、主人を不可視化ことなく、いつもの通りその家の角で待ち続けた。
グアヤキルの29番通りとマラカイボ通り(Maracaibo)の住民によると、クーパーは最期の力を振り絞り、いつも主人を待って座っていた角で息を引き取った。亡くなる数週間前、8歳だったクーパーは他の犬と喧嘩をして体調を崩していたが、住民が世話をしようとしても捕獲を拒み、抱き上げられることも避けた。その理由は、その場所を離れたくなかったこと、そして亡くなった主人クリストバルに再び会えることを信じていたからだと考えられている。
住民マルタ・スアレス(Martha Suárez)は「その犬はゆっくり歩き、足が折れそうに弱っていました。そしていつものように横になり、後ろ足を伸ばし、前足の上に頭を乗せました。しばらくして横向きになり、そのまま亡くなりました。まるで別れのあいさつのようでした。主人を待っていたその場所で息を引き取ったのです」と語る。近隣住民の多くは、クーパーが自らの死を悟り、クリストバルと再会するためにその角へ向かったのではないかと考え、今は別の世界で主人とともに幸せに過ごしていると信じている。
こうして、プニャイ山のハチも、グアヤキルのクーパーも、エクアドルで「忠誠心の象徴」として人々の記憶に刻まれる存在となった。
参考資料:
1. Hachi, el perro que acompañó al niño perdido en el cerro Puñay, murió atropellado
2. Muere Hachi, el perrito que ayudó a un niño perdido en el cerro Puñay, en Chimborazo
3. ¡Murió el ‘Hachiko’ de Guayaquil!

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