ペルー大統領選挙2026:投票は終了、フジモリの決選投票進出はほぼ確定、次点は誰か

(Photo:AFP-JIJI)

ペルーでは、総選挙の投票が現地時間4月13日(月)16時をもって終了し、選挙プロセスが完了した。約2,730万人の有権者が大統領および国会議員の選出に参加した。

選挙当日、リマ(Lima)南部の一部地域で投票用資材の不足が影響し、投票が遅延した。この遅延により、最大5時間の待機時間が発生した。さらに、投票所の設置遅延や投票管理担当者の欠席も報告されている。特にサン・フアン・デ・ミラフロレス(San Juan de Miraflores)、ルリン(Lurín)、パチャカマック(Pachacámac)の3地区の13の投票所では、投票時間が翌14日まで延長された。この影響を受けて、約5万2,000人の有権者が追加で投票を行った。

ペルーは2018年以降、8人の大統領が交代するなど、政治的不安定が続いており、その背景には弾劾や腐敗スキャンダル、そして意思決定を麻痺させた弱い政権連合がある。このため、新しい政権が5年間の任期を全うできるかどうかに対する疑念が高まっている。今回の選挙も、こうした政治的不安定の中で実施されており、35人の候補者が立候補していることから、政治の断片化が進行していることが伺える。また、犯罪の増加や政治危機が背景にあり、制度に対する信頼が著しく低下している。

このような状況の中で、ペルーの有権者は深い失望感を抱いている。明確なリーダーが不在の中、主要候補者全員が必要な50%の票を獲得することなく、6月7日の決選投票が確実視されている。犯罪の増加や米国と中国の影響力争いの激化も、ペルーの不安定さを長引かせる要因となっている。

ケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)は、「今日は投票の権利を行使できなかった市民の皆さんに連帯の意を表したい」とメディアに対して簡潔な声明を発表した。また、月曜日から決選投票に向けた新たなキャンペーンを開始する意向も示した。

選挙資材を配布する業者による物流問題が原因で、リマを中心に一部地域で投票所の開設に遅れが生じた。この問題により、リマ南部では約6万3,000人が投票できない事態となった。国家選挙プロセス局(ONPE)はこの状況を報告している。

 

開票結果と決選投票の見通し

ケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)は次点候補であるラファエル・ロペス・アリアガ(Rafael López Aliaga)から4ポイント上回っており、決選投票進出がほぼ確定している。一方2位はまだ確定しておらず、他の3候補者との票差が非常に僅差となっている。そのため、今後の開票結果に注目が集まっている。

4月14日火曜朝6時(現地時間)時点での開票率73.6%の暫定結果:

  • ケイコ・フジモリ(政党:人民勢力〈Fuerza Popular〉): 16.9%
  • ラファエル・ロペス・アリアガ(政党:刷新人民党〈Renovación Popular〉): 12.9%
  • ホルヘ・ニエト(Jorge Nieto): 11.9%
  • リカルド・ベルモント(Ricardo Belmont):10.1%

いずれの候補も過半数(50%以上)に達する見込みはないため、決選投票(segunda vuelta)へ進むことがほぼ確実視されている。

 

なお、日本における投票結果は以下のとおり:

 

フジモリの発言と選挙戦

ケイコ・フジモリは、「選挙結果は国にとって非常に前向きな兆候だ」と述べ、左派を「敵」と位置づけて、決選投票に進む意気込みを見せた。フジモリは1990年から2000年にかけて強権的統治を行ったアルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領の娘であり、今回は4度目の大統領選挑戦となる。

一方、ラファエル・ロペス・アリアガは、選挙資材の不足や選挙管理当局(ONPE)の責任を追及した。刑事告発を行い、職務怠慢で即時逮捕を求める声明を発表した。ロペス・アリアガは、特に自らの支持基盤が多いとされる地区で意図的に排除が行われた可能性を示唆している。

 

国際的評価と市場反応

欧州連合(European Union:EU)および米州機構(Organización de los Estados Americanos:OEA)の選挙監視団は、「不正の兆候は確認されず、平穏かつ高い投票率で実施された」と報告しており、選挙の信頼性が国際的に評価されている。

月曜日の終値は1ドル=3.3725ソルとなり、選挙前の金曜日の3.3950ソルから下落した。この結果、過去12ヶ月間でペルーソルは9.66%上昇し、2026年の年初からは0.25%の上昇を見せている。

 

投票物資の配布遅延と政治的不信感

選挙では、投票物資の配布遅延により混乱が生じ、有権者の不満が高まった。選挙管理当局の責任者であるロベルト・ブルネオ(Roberto Brunedo)は、遅延を引き起こした会社に対して法的措置を取ることを発表した。

首都リマの南部にあるチョリジョス区で、35歳のマルガリタ・サンドバル(Margarita Sandoval)は、投票所で2時間以上並んだが、結局投票できなかったと語った。「私は仕事をしていて、投票できない。今回の選挙は本当にひどい」と不満を表明した。このような遅延によって、多くの有権者が投票できず、選挙の透明性に疑問を抱く声が上がっている。

 

選挙当局の対応と調査

国家選挙プロセス局(ONPE)は、今回の選挙を「極めて複雑な選挙過程」と表現し、結果が確定するまで市民に冷静に待つよう呼びかけた。同局は、選挙資材の遅延が一部地域での投票権行使に影響を与えたことを認めつつ、全国の投票所の99.8%が設置完了していたと説明している。

一方、国家選挙陪審(Jurado Nacional de Elecciones:JNE)は、選挙当局のピエロ・コルベット(Piero Corvetto)長と他3名の職員を刑事告発し、職務怠慢や選挙手続き妨害の疑いで調査を進めている。

 

政治的不信感と候補者の動向

ペルーでは、政治的不信感が高まり、イデオロギーのスペクトラムを超えて多様な候補者が登場している。アトランティック・カウンシル(Atlantic Council)のマーティン・カッシネリ(Martin Cassinelli)は、「人々は現在の議会を本当に軽蔑しており、過去10年間にわたる政治的混乱の責任を感じている」と述べた。

最も注目されている候補者の一人は、保守派のケイコ・フジモリである。フジモリは過去3回の選挙で決選投票に進出しており、今回で4度目の大統領選に挑戦している。米国で教育を受け、強力な支持基盤を持つ人民勢力の党首であるフジモリは、急増する暴力犯罪に対して秩序と経済の安定を提供する存在として自らを位置付けている。しかし、彼女の家族の遺産や過去の法的問題がその立候補に対する反発を招いている。

ラファエル・ロペス・アリアガは、元リマ市長であり、極右的な立場を取る裕福な実業家である。ロペス・アリアガは選挙前に支持が変動しており、選挙戦では社会的に保守的な見解を掲げてキャンペーンを行っている。

また中道左派のホルヘ・ニエトは、制度的経験を持つ統一的な候補者として自らを売り込み、選挙前には14.1%の支持を得て3位に位置していた。

リカルド・ベルモント(Ricardo Belmont)も、元リマ市長で、中道左派の市民事業党から立候補している。選挙前の数日間で支持を急増させ、最近の世論調査で順位を上げている。

治安問題が選挙の重要なテーマとなっている。近年、ペルーでは殺人事件や恐喝が増加しており、その一因として麻薬取引や違法鉱採が挙げられている。主要な候補者たちは、国内治安における軍の役割を拡大することを提案し、治安強化の必要性を訴えている。

 

地政学的背景と米中関係

ペルーは、世界第3位の銅の生産国として、国際的な経済的影響を持つ。近年、中国との経済関係が深まり、同国はペルーの最大の貿易相手国となり、鉱山やインフラ投資の主要な投資者となっている。このような経済的つながりは、ペルーの政治や外交にも大きな影響を与えており、特に選挙において重要な要素となっている。

一方、米国は、選挙前に外交と安全保障の関与を強化し、ペルーの政治情勢に対する懸念を高めている。ペルーの主要な候補者たちは、米国との緊密な関係を維持する意向を示しており、特に経済や治安の問題において米国との協力を強調している。米国の影響力が依然として強い中で、ペルーの今後の政治的選択が国際的な注目を集めている。

 

決選投票と政治的な課題

ペルーの選挙は、決選投票へ進む候補者が、分裂した議会と再設置された上院という課題に直面することになる。このような状況は、立法措置を通過させる難しさを増し、再び弾劾問題が浮上するリスクを高める可能性がある。政治的混乱が続く中で、選挙後の政権運営に対する不安が広がっており、今後の政治情勢がどのように展開するかに注目が集まっている。

ペルーは、経済的に重要な国であり、国内の政治的混乱が国際的な経済や外交に与える影響も無視できない。特に、中国との経済的なつながりと、アメリカとの安全保障協力が選挙の結果にどう影響するかは、今後の政権運営に大きな影響を与えると予想されている。

#KeikoFujimori #RafaelLópezAliaga #ペルー大統領選挙2026

 

参考資料:

1. Elección de Fórmula Presidencial
2. Elecciones en Perú: los derechistas Keiko Fujimori y Rafael López Aliaga encabezan la ajustada pugna para pasar a la segunda vuelta presidencial
3. Resultados de las elecciones presidenciales de Perú 2026, en vivo: avanza lento el escrutinio tras compleja jornada electoral

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