コロンビア:ペトロはイスラエルへの石炭輸出停止を発表、欧州議会選挙について語る

(Photo:Presidencia Colombia)

グスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)大統領の命令により、コロンビアはイスラエルへの石炭輸出を停止することになった。土曜日にXアカウントで大統領が発表したところによると「イスラエルがジェノサイドを止めるまで、我々(コロンビア)はイスラエルへの石炭輸出を停止する」。この決定には、商工観光省からの法令草案も添付されており、国家元首が署名する前のコメント期限を定めている。コロンビア鉱業協会(Asociación Colombiana de Minería:ACM)は今週、イスラエルへの石炭輸出が間もなく停止されることに懸念を表明した。背景にコロンビアにとってイスラエルがこの分野での重要な貿易相手国であることが挙げられる。毎年6500億ドルの税金、ロイヤルティ、寄付金を産んでいる。ACMは「このような措置は、国と地域にとっての経済的・社会的影響を考慮しなければならない」と述べている。

 

ボゴタの発表は、イスラエル軍が過激派組織ハマスに拘束されていた4人の人質を救出したとされるヌセイラト難民キャンプに特に重点を置いて、ガザに対する新たな攻撃で150人を殺害したとされるテルアビブの今日の行動と一致している。

その数週間前にも国家元首はすでに、コロンビアの警察と軍隊への主要供給国のひとつであるイスラエルからの軍事装備の購入停止を命じており、また、5月、コロンビアはイスラエル軍によるラファへの攻撃を受けて、同国と外交関係を断絶した。

 

一方グスタボ・ペトロ大統領は保守派が勝利した欧州議会選挙の結果を受けて、ファシズムが台頭しつつあると述べている。彼は9日(日)夜、Xを通じて「彼らはファシズムの台頭に気づいていない。民主主義の烽火は今、ラテンアメリカにある」「極右がヨーロッパを制している。福祉国家によって分配された富は、ヨーロッパの人々に麻酔をかけ、過去と同じように、ナチスを呼び込んで、彼ら自身が征服戦争で引き起こした流出に反発している。彼らは富と権力を守るために、貧しい人々に反発している」とペトロ大統領は語った。

大統領が述べたのは日曜日に行われた欧州議会議員(定員720人)の選挙のことだ。欧州連合加盟27カ国によって6~9日に行われた選挙は予想によると欧州人民党(EPP)が189議席を獲得し、第1党となる予定だ。これに135議席を獲得する欧州社会・進歩同盟(S&D)と80議席を獲得する再生ヨーロッパが続く。つまり親欧州派の3大グループは欧州議会で404議席を獲得することになる。これはフランス、イタリア、オーストリア、ドイツなどで極右政党が躍進していることを意味し、一方のリベラル系政党(欧州刷新)や、環境政策に力を入れる「緑の党」などは各国で議席を減らしていることを意味する。無所属の95議員がどのグループを支持するかは不明ではあるものの、ハンガリーのオルバン・ヴィクトル(Orbán Viktor)首相の右翼政党「フィデス(Fidesz – Magyar Polgári Szövetség)」などの銀も含まれる。ドイツでオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相が率いる社会民主党(ozialdemokratische Partei Deutschlands)は、欧州選挙で過去最悪の結果となり、3位となり、極右政党「ドイツのための選択肢(Alternative für Deutschland:AfD)」が16%の得票率で2位となり、中道右派のキリスト教民主党(Christlich Demokratische Union Deutschlands:CDU)が1位となった。

イタリアでは、ジョルジャ・メロニ(Giorgia Meloni)首相率いる極右政党「イタリアの同胞(Fratelli d’Italia : FdI)」が得票率約29%でトップとなり、イタリア76議席の約半数を占めることになりそうだ。ポーランドでは、ドナルド・トゥスク(Donald Tusk)首相率いる中道政党「市民連立(Koalicja Obywatelska:KO)」が第1党となり、右派政党「法と正義(Prawo i Sprawiedliwość:PiS)」を第2党に転落させた。この国はハンガリーでYouTubeで悪ふざけをしていたとし拘束された24歳のキプロス人をも欧州議会議員に当選させている。

 

フランスの場合、マリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)率いる極右政党「国民結集(Rassemblement National:RN)」がフランス議会選挙でほぼ3分の1(31.5%)票を獲得する予定でエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領率いる中道同盟(15.2%)の2倍以上の得票率となった。これは与党の歴史的敗退と言える。これを受けマクロン大統領は国民議会(下院)の解散と総選挙を発表している。マクロンはこの結果を受け大統領府から国民に向けて「欧州を守る政党にとって良い結果ではない」とメッセージを出し、「私は何ごともなかったかのように振る舞うことはできない」と述べ、総選挙の実施について発表した。それによると6月30日に第1回投票、7月7日に第2回投票が実施される。RN候補のジョルダン・バルデラ(Jordan Bardella)は「エマニュエル・マクロンは今夜、弱体化した大統領になった」と語るとともに「この前例のない敗北は、ひとつのサイクルの終わりを意味する」。マリーヌ・ルペン国民党党首も「フランス人が我々に信頼を寄せてくれるなら、政権を取る準備はできている」と述べ、フランスのジャン=ノエル・バロ(Jean-Noel Barrot)欧州相はBBCに対し、マクロン大統領のルネッサンス党は以前にも極右政党を打ち負かしたことがあり、「我々は再び彼らを打ち負かすことができる」と語った。

 

なお北欧諸国では、デンマーク、スウェーデン、フィンランドで左派と緑の党が健闘し、ヨーロッパの極右化の流れに逆行した。ポルトガルでも野党「社会党(Partido Socialista Portuguesa)」が僅差で勝利したとされている。デンマークは「社会主義人民党緑(Socialistisk Folkeparti)」が、メッテ・フレデリクセン(Mette Frederiksen)首相の与党「社会民主党(Socialdemokratiet)」を抑えて第1党になるとされている。

#ガザ

 

参考資料:

1. Colombia dejará de exportar carbón a Israel por orden de Petro
2. Presidente Gustavo Petro reacciona tras elecciones del Parlamento Europeo: ‘No se han dado cuenta del ascenso del fascismo al poder’
3. Recap: Europe’s centre right and far right celebrate after elections

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