ペルー危機2023:ボルアルテ、早期選挙なし、政権は2026年まで維持と言及

(Photo:Presidencia Perú/ Flckr)

ディナ・ボルアルテ(Dina Boluarte)大統領は、閣僚理事会を開催した後、アルベルト・オタローラ(Alberto Otárola)、アレックス・コントレラス(Alex Contreras)経済部長を伴って記者会見に臨んだ。大統領は政府宮殿から「2026年7月まで、法の支配、民主主義、憲法を尊重し、責任を持って仕事を続けていく」と述べ、早期選挙を否定した。

今年2月、議会本会議は、選挙を2023年7月に前倒しし、ペルー新政治憲法起草のための立憲議会開催を求める国民投票の実施を否決した。投票の結果は、賛成48票、反対75票、棄権1票であった。

 

大統領はロサ・グティエレス(Rosa Gutiérrez Palomino)保健相についても言及している。同大臣は12月10日から就任していたポストからの辞表を提出している。大統領は「彼女の懸命で誠実な仕事」に感謝した。この辞任と受理は、フエルサ・ポピュラルのリーダー、ケイコ・フジモリによる要請からわずか24時間後のことであり、また、これは同国におけるデング熱の症例増加の理由を説明するために招かれたセッションの終了時のことであった。

彼女が国会で説明したのはデング熱を診断している研究所が49箇所あること、この症状が多くの地域、特にペルー北部に影響を及ぼしていることを語っている。この流行は周期的であり、世界的なものであると述べている。感染拡大を食い止め、一方、診療所の数を増やすためには当局や他のセクターとの調整が必要だ。しかしそれに長い時間がかかっていること、患者数を減らすためにやるべきことが未だたくさん残っていることを認めている。その一方「国内のさまざまな医療機関に必要な資源はすべて配置されている」と断言した。

デング熱による死亡拡大に、セルフメディケーションが関与しているとも述べている。自己診断は全国での拡大を導き感染者が拡大した。これは前大臣が実行したアクションプランが「アカイエカ(Aegypti)によるデング熱の流行を根絶するのに15日しかかからない」と先走って言ってしまったことにも起因しており、謝罪している。この問題を解決するためには、この分野で構造的な変化を起こさなければならない。そして、もっともっと仕事のスピードを上げるべきだったと彼女は反省している。

また現在の社会についても彼女は言及しており「政治的利害の情熱にとらわれず、この言葉に耳を傾ける人たちが、私の中に威厳、名誉、首尾一貫性、謙虚さ、国への愛の小さな見本を見ることを願うばかりだ。私たちの国は、私たち全員を必要とし、団結し、これ以上の対立を望んでいません」と述べている。

 

議会、大統領に対する国民の拒否感は強い。予定されている全国レベルでの反政府デモ「リマ第3次占拠」は7月19日に行われる予定だ。またクスコのクスコの革命的農民連盟トゥパック・アマル(Federación Agraria Revolucionaria Túpac Amaru del Cusco:Fartac)も抗議デモを予定している。これは2022年12月から2023年3月にかけて行われた行進で起きた暴力や仲間の死に抗議することを目的としている。インティライミの日である6月24日に計画されている。新聞「ソル・デル・クスコ」によると、黒い旗が掲げられる予定だ。

6月14日と16日にペドロ・カスティージョ(Pedro Castillo)前大統領の釈放を支持するリージョナルストライキが行われた。Comité Nacional Unificado de Lucha del Perú(Conlup)が公開した画像ではワカベリカ(Huancavelica)などでいくつかの道路が閉鎖された様子が垣間見れた。

インティライミの日に行われるでもについては祝日であることもあり、労働組合の間では総意は得られていない。一方、ペルー教育労働者全国連盟(Federación Nacional de Trabajadores de la Educación del Perú:Fenatep)は、教育バウチャーと教育の自治体化に反対する24時間ストライキを呼びかけている。なお、この団体は7月19日に呼びかけられた抗議行動にも参加する予定だ。

最後に、国家元首はメディアと国民に、さまざまなポーフォリオの責任者が変わる可能性がある場合、すぐに発表すると約束した。

 

カスティージョ元大統領による「自主クーデター」その後の投獄、そしてボルアルテ大統領の圧政と社会不安についてはペルー危機2023参照。

参考資料:

1. Tercera toma de Lima: Convocan marchas previas al 19 de julio
2. Dina Boluarte: “El tema de adelanto de elecciones está cerrado, trabajaremos hasta julio de 2026”

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