ペルー危機2023:カスティージョ元大統領、公判前追加勾留が決まる

(Photo by Pedro Castillo Terrones/Twitter)

最高裁判所準備捜査部のフアン・カルロス・チェックリ(Juan Carlos Checkley)最高裁判官は、運輸通信省に付属する執行ユニットProvías Descentralizado、住宅省、国営石油会社ペトロペルー(Petroperu)の事件における犯罪組織、影響力売買、共謀罪の容疑で前大統領ペドロ・カスティージョ(Pedro Castillo)に対し公判前勾留36ヶ月を求め、要求通り判決がくだった。カスティージョは2022年12月7日に実行したクーデターの失敗を受けて、反乱罪およびその代替となる陰謀罪の疑いでバルバディージョ刑務所で現在18カ月間公判前勾留されている。

検察庁はフアン・シルバ・ビジェガス(Juan Silva Villegas)前大臣(運輸通信省)、住宅建設・衛生省のヘイネル・アルバラド・ロペス前大臣(Geiner Alvarado López)に対しても同様の要請を行っている。

先週水曜日の審理で、ガリンカ・メサ(Galinka Meza)副最高検察官が、前大統領に対する告発に従った刑の予後を支持した。この点で、彼女は、前大統領は32年の懲役刑に処されるだろうと指摘している。検察庁の代表は、ガイナー・アルバラードの場合は17年8ヶ月、逃亡中のフアン・シルバの場合は24年8ヶ月の刑に処される可能性があると述べた。

カスティージョは自らの公聴会の様子をTwitterを通じ共有している。

 

一方現政権側も警察から取り調べを受けている。それはカスティージョ解任後の市民デモに対する非道な暴力に関するものである。共和国議会本会議においても抗議行動中の政府行動について疑問を呈しているものがいた。事実Cambio Democráticoはアルベルト・オタロラ(Alberto Otárola)首相への質問動議を提出した。しかし質問動議は賛成31票、反対59票、棄権7票で却下された。同申し入れでは各地でのデモに対してペルー軍と国家警察が暴力的に弾圧していることを指摘しており、また、間題文書には18の質問が含まれていた。「ペルーが民主的でない国として認定されるに至った政府の行動に関して、アルベルト・オタロラに応答するよう要請する」と文書に書かれており、同人物が閣僚の長としてデモ参加者に汚名を着せ、「犯罪的な軍と警察の弾圧を正当化」することを目的とした公の発言を行ったと主張している。間題動議は3月1日に提出されたが、その時点で抗議活動を通じ48人が死亡、数百人が負傷していた。

 

抗議行動を通じ命を落としているのはデモ参加者のみならず、鎮圧に向かった兵士をも含む。3月5日(日)にホスエ・フリサンチョ・ラソ(Josué Frisancho Lazo)大尉の命令でイラベ(Ilave)川を渡り、溺死した兵士カルロス・ダニエル・ママニ・モンタリコ(Carlos Daniel Mamani Montalico)の叔父はディナ・ボルアルテ(Dina Boluarte)の辞任を求める無期限ストを支持している。「私たちは決してあきらめない(…)あなた(甥)は国に貢献するために行ったのであり、腐敗した政府に貢献するためではない。この腐敗した政府は、たとえ私たちの命を犠牲にしてでも崩壊させなければならない」と語った。息子の遺体がイラベの中央墓地に埋葬される直前、「ペルーには正義がない。今日まで捜査も処罰もなく、それどころか軍が事実を歪めようとしている」と、兵士カルロス・ダニエル・ママニの母、セリア・モンタリコ・タコラ(Celia Montalico Tacora)は語った。

 

20歳だったフランス・フアン・カナサ・カウアヤ(Frans Juan Canaza Cahuaya)の葬儀では、被害者の父親であるサムエル(Samuel)が、政府と軍司令官を非難している。彼はアイマラ・コミュニティのメンバーに責任を負わせると主張する軍統合司令部の考えから距離を置いている。「私はこれに関して確固たる立場を持っている。住民はそれとは無関係だ。直接の責任者はラソ大尉にある」と述べている。カナサは「私は政府(ディナ)に対してどうなっているのか、と申し上げたい。私は傷ついている、ディナ。私の話を聞いて、私を見て、正気に戻って(…)お願いだ。あなたはこの国の支配者にふさわしくもない」と述べている。

パチャクテック(Pachacútec)兵舎までの道のりを短縮しようとしたラソによる川渡りの命で6人が命を落とした。6人は溺れ、5人は川から引き上げられた後、アイマラ族の村人によって救出された。死んだ兵士の仲間は「多くは泳ぎ方を知らなかった、リュックの重さで沈んだ」と語っている。川を渡っている最中、アイマラの人々は遠くから見ており、誰も兵士たちに何かを投げつけるなどしていなかった。イラべ川の深い水の中で溺れかけた兵士の一人は軍の責任者から「起こったことをすべて詳しく話すべきではないと言われた」と口止めをされたと語っている。別の人間はラソの言葉を回帰し「犬たちよ、川を渡ろう、さもないとかわいそうなことになるぞ!」と語っている。

被害者の親族には終身年金が支給される。陸軍の3級下士官が受け取る現在の報酬と同額を終身年金として受け取る。生命保険料としてS/76,000、死後補助ボーナスとしてS/2,700の支給が予定されている。ただし、遺族が求めるのは息子たちの帰りであり、ディナの退任であり、そして社会正義である。

 

プノ南部のアイマラ族のコミュニティの代表者は埋葬に参加する前に、イラベとフリアカ(Juliaca)の境界でミーティングを行った。彼らは日が経つにつれて、抗議活動がより過激になっていくことを確認した。「私たちは目を覚ましたのだ。私たちには民主主義があると思っていた。しかし我々の声は届いていない。彼らは私たちを差別している。彼らは私たちが無知だと考えている。だからモルモットの飼育法を学ぶプログラムを提供するとさえ言ってきた。これは政治的な闘争であり、私たちはねじ伏せられるつもりはない。この政府は立ち去らなければならない」とフリ高原カリリ共同体のラウル・モロコジョ(Raúl Morocollo)会長は言った。イラベのカイパラ(Caipara)コミュニティから来たフアン・ユジュラ(Juan Yujra)は「彼らの死は、政府が私たちを殺すために、私たち自身の子どもたちを兵役に使っていたことを示すものだ。私たちはこれを許すつもりはない。私たちはリマに行くつもりだ」と語っている。他の4人の兵士はエル・コラジョ(El Collao)にある出身地に埋葬された。それぞれの副知事と近隣のコミュニティから代表団が同行し、ダンスと葬送音楽の中で埋葬は行われた。強制兵役中の兵士の葬儀の後、ケチュアとアイマラのコミュニティは、衝突で命を落とした21人のために、大統領の辞任と村からの軍の撤退を要求するために抗議措置を過激化することを発表した。

 

「ペルー危機2023」その他の記事はこちらから。

参考資料:

1. Pedro Castillo: Poder Judicial resolvió pedido de prisión preventiva de 36 meses en su contra
2. Poder Judicial dicta 36 meses de prisión preventiva contra Pedro Castillo por organización criminal
3. Congreso rechaza moción para interpelar al premier Alberto Otárola
4. Tras entierro de soldados se reavivan protestas contra el Gobierno
5. Soldado en Puno: “Muchos no sabían nadar, nos hundimos por el peso de la mochila”

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