（Photo by Presidencia Perú）
半年間で4つ目の内閣がやっと発足したと思ったら（詳細はこちら）、今度はペドロ・カスティージョの罷免をめぐり野党が動いた。
3月14日（月）、議会は汚職疑惑を理由に大統領の弾劾手続きを開始することを賛成76票、反対41票、棄権1票で承認した。賛成票を投じたのはAlianza Para el Progreso（13）、 Acción Popular（13）、Podemos Perú（4）、Somos Perú（4）とともにRenovación Popular（9）、Avanza País（9）、Fuerza Popular（23）だ。
罷免に向けた議論の背景を退役将官であり、保守のホルヘ・モントヤ（Jorge Montoya）議員は、「大統領は、度重なる不正行為について、直ちに国民に説明しなければならない」と述べている。彼が不正と言っているのは例えば、軍隊の昇進、サラテア事件、検察庁での彼の矛盾した説明、影の内閣についてであり、また、内陸海偽していない隣国ボリビアに太平洋へのアクセス権を認めるかどうかの国民投票に前向きであると述べたことは「反逆罪」に値すると非難している。
カスティージョか彼の弁護士は3月28日に議会に出席し、議員が弾劾のための議論や最終投票を行う前に弁明を述べなければならない。
動議2148は、道徳的無能力による大統領の永久追放を提案するもので、野党からすれば現政権に対して2度目の挑戦となる。1度目は12月に行ったが、弾劾に必要な表は得られなかった。弾劾裁判の後、カスティージョを罷免するには、87票が必要とする。
週末に発表されたイプソスの世論調査によると、7月の就任以来、カスティージョの支持率は26％に急落していたこともあり、また、同氏による不正行為疑惑によって検察に申し立てられたこともあり、弾劾のための議論がなされるに至った。野党は非難を否定するカスティージョが道徳的に統治にふさわしくないと主張している。
月曜日にサンマルティン（San Martín）地方の先住民コミュニティ ナウタ（Nauta）行われたイベントでのスピーチで、カスティージョは火曜日午後5時に本会議に出席し「この国のために、我々が何をしているか、そして何をするかを伝える」と述べた。ペルー・リブレ（Perú Libre）のスポークスマンであるワルデマル・セロン（Waldemar Cerrón）も、議会が「この種の議論」で時間を浪費していると述べた。「野党の主張するカスティージョに対する反逆罪の告発は意味をなさない。」そう語るのは、政治学者のフェルナンド・トゥエスタ（Fernando Tuesta）だ。「彼らはカスティージョ政権を倒すために、どんな方法でも見つけようとしている」と付け加えた。
貧しい人々の支持を受けて大統領になった農村部の教師は、スキャンダルや社会的な抗議行動の中で急速に支持を失った。左派のペルー・リブレを率いて政権についたカスティージョは、弾劾を推進する人々はペルーの金持ちの経済利益を擁護しており、クーデターにも関与しているだろうと述べている。また、カスティージョ自身を大統領から引き摺り下ろすことに精一杯で「国民の声に耳を傾けず、横やりを入れられたままであることを悲しく思う」と述べた。
この国では2016年以降、カスティージョを含め5人の大統領が誕生している。2018年にはペドロ・パブロ・クチンスキ（Pedro Pablo Kuczynski）が敗北が確実な弾劾投票を前に辞任し、2020年にはマルティン・ヴィスカラ（Martin Vizcarra）が議会での投票で弾劾されている。
空席に関する動議の討議および採決の日時は3月28日（月）午後3時と定められている。
https://twitter.com/congresoperu/status/1503446904214114306
参考資料：
1. Peru Congress votes to debate President Castillo’s impeachment
2. Pedro Castillo tras aprobarse admisión a debate de moción de vacancia: “Me apena que sigan las zancadillas y no se escuche al pueblo”
3. Admisión de vacancia al presidente Pedro Castillo obtuvo 76 votos
4. Pedro Castillo acudirá al Congreso a las 5 p.m. para brindar mensaje
No Comments