ウクライナ:VRを通じて感じるチェルノブイリ原子力発電所事故

旅をしながら時々こんなことを考える。 我々は観光を通じ綺麗なもの、観るように作られたものだけを見れば良いのだろうか。フォトジェニックなものにだけに目を向け、その国で起きていること、起きてしまったことに目をつぶっていて良いのだろうか。我々は同じ地球に住む仲間が犯してしまった罪を反面教師として、新たなる輝かしくも皆が笑える未来を作ることは出来ないのだろうかと。

最近話題のVR。その言葉を聞くだけで未知なる体験への期待で心がワクワクしてしまう。Google Earth VRやMission:ISS、ドラえもんVRなど多くのコンテンツが登場し、マシン1つで一瞬で仮想空間へワープできる時代となった。

この度The Farm 51がとても意義のあるアプリケーションの提供を開始した。アプリケーションの名は「Chernobyl VR Project」。想像に難くないが、人類史上最悪と言われる原子力発電所の事故現場とその周辺の現在を見に行くというものだ。

 

事故が発生してから30年が経過した。今もなお現場周辺の半径30キロ以内は危険区域とされ、人が住むことはできない。生徒であふれ笑い声が絶えなかった学校からは人は消え廃墟となった。廃炉になってから18年経った今も原発の除染作業が終わらず、そして解決しない核廃棄物の処理問題。

 

このツアーではそのような立ち入り制限区域を巡る。我々は廃墟と化した街プリピャチを見て何を思うだろうか。クリーンで安全なはずだった原子力発電が与えた地球へのインパクトとは何か。チェルノブイリの事故は対岸の火事ではないと思うはず、我ら地球人の問題として捉えることができるのならば。

 

そして、彼らが持つフクシマに対する思い、そして第2次大戦で原爆の被害を受けた日本への思いもにしっかりと耳を傾けられればと思う。

 

なお「Chernobyl VR Project」は、Oculus RiftやHTC Viveプラットフォーム(VRヘッドセット)に対応している、OCULUS STORE、G2A.COM、STEAMから購入が出来、価格は14,99米ドル(現在はもう少し安くなっている模様)。なお売上金の一部は事故の被害者のための寄付されるという。

 

チェルノブイリ博物館のレポートはこちらから。

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