(photo by Néstor Soto Maldonado)
El ComercioとIPSOSは2021年6月の意識調査を発表した。調査では当局、公共機関、投票に対する評価を聞くものだ。
やはり1番最初に見るべきは未だ確定していない次期大統領に関するものだろう。大統領就任式の7月28日まで残すこと1ヵ月である。
この調査でも明らかになった事は国の考え方が2分されていると言うことだ。でもそれは特定候補を支持している人の数が真っ2つに別れているという単純な話ではない。
ペドロカスティージョに投票した理由の1番は変化への期待(43%)、フジモリスモに政権を取ってほしくない(27%)、国民の大多数の状況を知っているから(24%)と言うもので、逆にケイコ支持の理由は反共産党主義(33%)、公約が良かった(31%)、両者の相対的に比較から(31%)というのが理由なようだ。決選投票初期段階から言われているように、積極的な事由と言うよりは他方を回避するための策であったり、相対的に見たらと言う意味合いが強そうだ。
なお、今後の内閣に求めることとしては複数政党の起用(54%)や専門家(23%)の採用で、超党派での構成を求める国民は全体の16%だったことを思うと目指すものが見えてくる。つまり支持してくれている人、事由がどうであれ投票をしてくれた人の意見を聞き見た政策づくりをするのではなく、他候補者に投票した人の考えも取り込み、少しでも多くの人が幸せになれるようなポイントを探し出すことが重要となる。言い換えれば「左翼主義と貧困層対策中心主義」でも「右翼主義と特権階級優遇主義」の二項対立、それに基づく国づくりなど誰も求めておらず、それを表すかの如く「7月28日に大統領に就任する人は、どのような姿勢で臨むべきか」を問う調査でも、有権者の96%は「全国民のための統治(Gobernar para todas las peruanas y peruanos )」を求めた。
https://twitter.com/ipsosperu/status/1409173753075048450
決選投票の結果を見て国民が感じた不安(46%)、不確実性(31%)、恐怖(17%)を良い意味で覆して欲しい、そう思う次第だ。ちなみに、選挙自体の評価は、「双方の候補者に有利な不正があったが、全体としては公正な選挙だった」とした人間が全体の39%、カスティージョよりの不正があったとする人間は都市部で多く全体の38%、逆にケイコに対する不正があったと考えるものは農村部が多く30%であった。もちろん都市部、農村部ともに逆の候補者に対する不正の存在を語るものもいる。繰り返しになるが、とはいえ総じて公正が約40%となった。
今回の調査ではケイコフジモリに対する拒否反応が大きくなった事は特筆事項だろう。有権者の65%は開票結果の判定後の彼女の振る舞いに対して反対を示し、一方での賛成は30%だった。彼女の対応に不満を感じる人は、彼女の支持基盤であるリマでさえ53%に及び、都市部として見た場合でも72%にもなる。一方のペドロカスティージョに対しては、48%の人がその振る舞いを支持し、47%が不支持とした。
さて次にカスティージョが大統領になった場合のことを鑑み、下記内容も見ていこう。
ジャスティージョが誰の意見を最も聞くかという質問に対しては、ペルー・リブレ創設者ウラジミール・セロン(Vladimir Cerrón)が36%、専門家が22%、次いでベロニカ・メンドーサ(Verónika Mendoza)21%と考える人が多かった。ただ、セロンに関する意識調査は続きがあり、彼が次の政府に参加すべきでないとする国民は90%にも及ぶ。強硬派のセロンは汚職で有罪判決となっている。
https://twitter.com/ipsosperu/status/1409174249244434433
ちなみに憲法改正に対する考え方としては「次の議会で現行憲法で定められた方法で、憲法の一部を改正しなければならない」が39%、「憲法の全面的な改正は、憲法制定議会を通じて行われなければならない」32%と、政治システムや国家の構造について何かを変えなければならないと感じている人間が70%を占めているということであり、一方で、現行法の維持を求める人も22%いる。
選挙に関する調査はもう一つある。それは選挙担当機関のパフォーマンスについてだ。そのパフォーマンスを認めるかという質問について、ONPEについては49%が反対(賛成は45 %)、JNEについては56%が反対の意思を示している。大統領就任式1ヶ月を切っても、公式発表がないことへの表れだろう。繰り返すが、未だ発表はない。それはこちらの記事でも触れた通り、候補者による策略と、その策略に乗ってしまっただろうJNEによる。
また、現在の大統領フランシスコ・サガステイ(Francisco Sagasti)に対する調査もある。
現在の政府する支持はここにきて52%にまで急進捗をした。
https://twitter.com/ipsosperu/status/1409656012571766795
政治学者のケイティ・セガラ(Kathy Zegarra)によると、サガスティは任期当初は欠点があったものの、現在は政治的にも選挙的にも不安定である中で「安定性」の象徴となっていること、さらにはワクチン接種の加速が効果を生んでいる結果だとしている。
今回の調査は2021年6月24日、25日の2日に渡り都市、農村部に住む18歳以上の1200名を対象に実施された。発表データはこちらから。
なおケイコは国際機関からも投票が公正だったとされている一方で米州機構(OEA)に介入を求めるとし、フランシスコ・サガスティ大統領に宛てた手紙を28日政府宮殿に置きに行った。選挙プロセスを監査するためにOEAを召喚するよう要請しているという。今のところ、ペルー政府からの回答はない。なお、フジモリスモとその親クーデター派は、OEAの監査要求が受け入れられなければ、カスティージョの勝利も次期政権の正当性も認めないと語っている。
参考資料:
1. Francisco Sagasti es aprobado por el 52%: ¿cuáles son los motivos de este repunte?
2. Entre la polarización y el consenso
3. Encuesta El Comercio-Ipsos: El 54% prefiere que próximo Gabinete sea multipartidario
4. Perú: Keiko Fujimori juega la carta de la OEA en Bolivia
No Comments