コロンビア大統領選2022:次期大統領はグスタボ・ペトロか

4月28日から始まったコロンビアにおける全国ストは未だ留まることを知らない。国民の多く(中産階級から極貧層)が求めているのはもはや税制改革だけでなく、国家警察により続けられる暴力の停止、さらにはイヴァン・ドゥケ(Ivan Duque)大統領の退陣をも要求している。この後、スト沈静化にむけ、どこで合意をしていくのかは未だ未知数だ。

イヴァン・ドゥケは2018年6月17日対抗馬であった中道左翼且つ進歩主義路線のグスタボ・ペトロ(Gustavo Francisco Petro Urrego※)に決選投票で12%近く差をつけ勝利した。当初よりドゥケやその政党Partido Centro Democrático、さらには政党を率いるアルバロ・ウリベ元大統領についてはその暴力性に対する心配がされていたり、2016年にサントス政権が締結したゲリラ組織FARCとの和平合意改悪など不安材料が多いところではあった。そんな政権も度重なる国民との衝突を重ね、もうすぐ着任(※)から3年が立ち、次期選挙の話をする時期になってきたというわけだ。

 

そんな中、SEMANAによる世論調査が行われた。テーマは「明日が大統領選だったら誰に投票をするか」であり、それとともに現在行われているゼネストや大統領選におけるシナリオ計29の項目である。なおこの国立コンサルティングセンター(El Centro Nacional de Consultoría)による調査期間は5月12日〜15日で、コロンビアの都市部に住む18歳以上の市民2001名を対象に行われた。調査主体はSemana誌である。

まず大統領についてはColombia Humanaのグスタボ・ペトロが他者を上回り堂々の一位、25%という結果だったようだ。一方「誰でもない」と回答した人 は25%、白票は11%にも及んだ。なお、2位につけた候補者セルヒオ・ファヤルド(Sergio Fajardo)は獲得率6%で、3位はマルタ・ルシア・ラミレス(Marta Lucía Ramírez)が5%となっている。

 

ちなみに上位2名が決選投票に進んだ場合はペトロは38%の得票率に対し、ファジャルドは33%で、さらにはヘルマン・バルガスレラス前副大統領と決選投票となった場合も、ペトロ42%に対しで勝ち、ヘルマン・バルガス・ジェラス(Germán Vargas Lleras)は23%であった。

また、前大統領アルバロ・ウリベ(Álvaro Uribe Vélez)の息子トマス・ウリベ(Tomás Uribe)とペトロの比較においては、ペトロ46%に対しトマス・ウリべは18%となった。

その他の項目についてもみてみよう。

好感の持てる人、持てない人ランキングでは各々トップがクラウディア・ロペスとアルバロ・ウリべとなっている。

 

ゼネスト終了に当たっては市民、医療部隊、労働省、教育省、オンブズマン、若者の力が必要との回答だ。

 

全国ストに対しては72%が賛成を示し、またストの継続についても57%が支持を示した。

 

交通網の封鎖については68%の人が反対で、破壊行為についても79%の人が刑罰や制裁を求めている。

 

警察による虐待は機関として行っているのではなく、一部の人間の問題であるとしたのは79%だ。

 

なおゼネストと政治家の関わりについては59%の人が示唆しており、またグスタボ・ペトロの可能性を30%の人が言及している。

 

今回の世論調査で圧倒的多数で次期大統領候補化したグスタボ・ペトロは、青年時代に旧ゲリラ組織 “4月19日運動(Movimiento 19 de Abril:M19※)に参加し、武器の違法所持などの罪で18ヶ月投獄されたこともある人物だ。また、彼自身はベルギー駐在大使、下院議員、上院議員、ボゴタ市長を歴任し2010年にはPolo Democrático Alternativo (PDA)から大統領選挙に出馬し落選している。

なお2022年のコロンビア大統領選挙は2022年5月末に開催される予定だ。一発当選には有効投票総数の半分に1を加えた表を得る必要がある。それが叶わない場合は投票数上位2名による決選投票後大統領が確定する。

全調査結果はこちらから。

※グスタボ・ペトロは2018年Coalición Petro Presidenteから出馬した。
※ドゥケが就任したは2018年8月7日。
※M-19は1970年の大統領選挙での不正疑惑を受け、国民戦線連合に対抗して1974年に登場した。

 

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