(Photo:Embajada de Japón en Cuba)
キューバで停電が慢性化し、医療サービスの維持が困難になる中、日本政府は650万ドルを拠出し、同国の10病院に太陽光発電設備を導入する支援を開始した。国連開発計画(United Nations Development Programme:UNDP)が事業を実施し、5月にハバナで正式な協定が結ばれた。
停電が医療現場を直撃
キューバの電力危機は近年、かつてない深刻さに達している。
国家電力網は過去18か月で7回の全系統崩壊を起こし、2026年4月には発電不足が1,945MWに達し、国土の55%が同時停電に陥った。
医療機関への影響は甚大だ。
4月にはサンティアゴ・デ・クーバ(Santiago de Cuba)州立病院で停電が発生し、集中治療室(ICU)の患者12人が緊急避難を余儀なくされた。
3月末時点で96,000人以上が手術待ちで、そのうち11,193人は子どもである。
国連開発計画(UNDP)は声明で「停電は救命装置の稼働や薬品・ワクチンの保管を脅かし、医療サービスの継続性を危険にさらしている」と警告した。
日本の支援:10病院に太陽光発電システム
今回のプロジェクトでは、以下の設備が導入される:
- 太陽光パネル
- 蓄電池
- 電力調整装置
対象はハバナ(Havana)市内4病院と地方6州の6病院の計10施設。
事業期間は2年間を予定している。
在キューバ日本大使 中村和人(Nakamura Kazuhito) は次のように述べた。「最優先事項は、病院の重要区域に安定した電力を届け、途切れない質の高い医療を確保することだ」。
国連開発計画(UNDP)は、この事業により260万人の患者と27,500人の医療従事者が恩恵を受けると見込んでいる。
キューバ側「最も重要なプロジェクトの一つ」
キューバ公衆衛生副大臣 フリオ・ゲラ(Julio Guerra) は、今回の支援を「最近推進された中で最も重要な取り組みの一つ」と評価し、「手術室、救急医療室、集中治療室に電力を供給できるようになる。
最も危機的な領域を優先できる」と述べた。
国連開発計画(UNDP)キューバ常駐代表 フェルナンド・ヒラルド(Fernando Hiraldo) も、日本の支援を「非常に寛大」と述べ、
「国連機関と日本政府がキューバでこの種の協力を行うのは初めてだ」と強調した。
電力危機の背景
キューバの電力危機は、単なる設備の老朽化だけでは説明できない。国連や国際機関は、米国の経済封鎖が電力インフラ維持を著しく妨げていると指摘している。
封鎖によりキューバでは以下のようなという状況が続いている:
- 発電所のタービンやボイラーの交換部品が輸入できない
- 米国技術を含む設備は第三国経由でも購入禁止
- 石油取引企業が制裁を恐れてキューバとの取引を回避
- 結果として、老朽化した火力発電所を修理できず故障が連鎖
国連総会では毎年、「米国制裁はキューバの医療・エネルギー・交通インフラに深刻な影響を与えている」と報告されている。つまり、キューバにおける電力危機の根本原因は、国内の構造的問題(老朽化・投資不足)とともに、外部要因として米国制裁による部品・燃料調達の阻害が重なった結果発生している。
日本の対キューバ協力は拡大
日本は近年、エネルギー・医療分野での支援を強化している:
- 2024年:JICAが太陽光発電所整備に約2,000万ドルを拠出
- ハリケーン・メリッサ被災者に人道支援
- 東部地域19万人の食料安全保障のため、PMAに100万ドルを寄付
- 2025年:青年の島に10MWのリチウムイオン蓄電池システムを整備
- 2023年:病院に500万ドル相当の医療機器を寄贈
中村大使は「日本はキューバ国民がこの困難を乗り越えられるよう支援を続ける」と述べた。
参考資料:
1. Japón financiará con 6,5 millones de dólares la instalación de paneles solares en hospitales de Cuba
2. Japón destina 6,5 millones de dólares a hospitales cubanos ante el colapso eléctrico

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