エクアドル:組織犯罪との戦いの功績を主張する政府の一方で軍はミラグロで民間人を殺害

(Photo:REUTERS/Cesar Munoz)

3月27日、エクアドル軍(Fuerzas Armadas)は、カルチ県(Carchi)チカル教区(Chical)エル・パブロ地区(El Pablo)において違法経済に対する大規模な軍事行動を実施した。同作戦は、同国北部国境における違法採掘活動に歴史的打撃を与えたものである。

本作戦は「致死の炎(Fuego Letal)」と称され、「前例のない」軍事行動として位置付けられる。エクアドル陸軍(Ejército Ecuatoriano)は、カルチ県チカル教区エル・パブロ地区に存在していた、北部国境で最も収益性の高い違法採掘拠点の一つを解体することに成功したと発表している。特に、違法資源採掘への対処に戦車AMX-13を投入した点は、同国において初の事例である。

今回制圧された拠点は犯罪組織にとって重要な資金源であり、1日あたり約30万ドルを生み出していたと推定される。これは年間で約1億800万ドル規模に相当する違法経済である。

作戦は4日間にわたり継続され、地上および航空戦力を統合した諸兵科連合運用により実施された。装甲戦力としてAMX-13戦車3両が投入され、突破口の形成と火力集中を担った。砲兵部隊は81mm迫撃砲40発と5,500発以上の弾薬を用いた集団火力を展開した。さらに、口径0.50弾を装備した軽武装ヘリコプターC3による航空支援が行われた。

これらの戦力運用により持続的な火力投射が可能となり、少なくとも50か所の坑口が破壊された。その結果、当該地域で活動していた組織の兵站能力および生産能力は完全に無力化された。

本作戦は国防大臣ジャン・カルロ・ロフレド(Gian Carlo Loffredo)の指揮の下で実施され、国家政府の強硬路線に沿ったものである。エクアドル軍は、これらの行動が領土統制の回復と、金採掘によって資金を得る武装集団の拡大阻止を目的とし、国民の生活と安全の確保に寄与するものであると強調した。

また、本地域への介入は不正規武装集団の資金源を弱体化させることを狙いとしており、軍の計画では、国内安全保障における重火器運用の先例を確立する位置付けとなる。

 

AMX-13はフランス製軽戦車であり、1952年から1987年にかけて生産された。フランス陸軍(Armée de Terre)ではシャール13トン75 モデル51(Char 13t-75 Modèle 51)の名称で運用され、25か国以上に輸出された。同車両は初期重量13トンに由来して命名され、堅牢で信頼性の高い車体を備える。また、GIAT製の揺動式砲塔とリボルバー式装填装置を特徴とし、この装填方式はオーストリアのSK-105キュラシェーア(SK-105 Kürassier)にも採用された。さらに、試作型および輸出型を含めて100以上の派生型が存在し、自走砲、防空システム、装甲兵員輸送車、対戦車ミサイル搭載車両など、多様なバリエーションが開発されている。

カルチ県における本報告の前日の2026年3月26日には国内2県に対しても違法採掘に対する作戦を実施している。作戦はボリバル県(Bolívar)とナポ県(Napo)で展開され、軍は秘密裏に設置されていた採掘用インフラを破壊し、天然資源の違法採掘に使用されていた資材を押収した。

 

ボリバル県での介入、坑口を破壊

第1師団(Primera División)は機甲騎兵旅団(Brigada de Caballería Blindada)を通じて、鉱業規制管理庁(Agencia de Regulación y Control Minero:ARCOM)と連携し、ボリバル県クルス・デル・ウエソ地区(Cruz del Hueso)に介入した。作戦中、軍は複数の違法坑口を破壊し、機能を停止させた。

また、隊員は鉱化物を詰めた大量の袋を押収した。公式情報によれば、押収資材の価値は数千ドル相当である。これにより違法採掘の供給連鎖を断ち切り、地域の環境被害拡大を防止した。

機甲騎兵旅団は、天然資源保護と市民の福祉確保のため、統制を継続する方針を改めて表明した。

 

ナポ県での作戦、機材を無力化し金関連資材を押収

第2の作戦として、エクアドル陸軍はナポ県テナ(Tena)プエルト・ナポ教区(Puerto Napo)ラタス地区(Latas)に介入した。本行動はアマゾン地域における違法採掘活動の解体を目的として実施された。

作戦中、軍は鉱物の違法採掘に使用されていたZ型選別機2基および吸引モーターを特定し、無力化した。さらに、隊員は215.10キログラムの金関連資材を押収した。

エクアドル軍は、これらの行動を他の国家機関との連携の一環として実施しており、違法採掘の抑止、環境保護、水資源保全、アマゾン地域の安全保障確保を目的としている。

 

グアヤス県ナランヒトで違法滑走路を破壊

3月30日には国防省は、グアヤス県(Guayas)ナランヒト(Naranjito)にあった違法滑走路を破壊し、組織犯罪の物流ルートに直接的な打撃を与えたと報告した。

国防大臣ジャン・カルロ・ロフレド(Gian Carlo Loffredo)は、2026年3月29日土曜日の午後に実施された作戦で、麻薬取引やその物流に利用されていたナランヒトの違法滑走路を破壊したことを明らかにした。大臣によれば、この介入により、違法活動に使用されていたルートが排除され、麻薬組織の構造的移動能力が低下したという。「ルートが1つ減った」とされ、組織犯罪の財政に直接的な影響を与える行動となった。

作戦は、セキュリティ部隊(Bloque de Seguridad)と情報部隊(Inteligencia)の協力のもとで実施され、違法活動に使用されていた場所を特定した。国防省は、この行動が国内の麻薬物流ルートを制限し、組織犯罪の構造を弱体化させる一環であることを強調した。

国防大臣は市民に対し、作戦は市民の協力によってさらに強化されると呼びかけた。情報提供は131番で受け付けており、中〜高価値の対象者逮捕に貢献した場合には匿名性が保証され、報奨金が支給されると述べた。

作戦中には、ナランヒトで違法滑走路を発見した際、4名のメキシコ人も拘束されたという。

 

ミラグロで民間人死亡、権限逸脱の疑いで軍人2名に予防拘禁

2026年3月16日、エクアドル沿岸部ミラグス県ミラグロ(Milagro)で、28歳のブライアン・アルジェニス・レデスマ・フランコ(Bryan Argenis Ledesma Franco、通称「アグチョ(Agucho)」)が、軍の作戦中に死亡した。作戦はダニエル・ノボア政権下で施行されていた非常事態に基づく夜間外出禁止令(toque de queda、0時~5時)のもとで実施され、国家権力の行使と人権問題の象徴的事例となった。

地元メディアや目撃者の証言によれば、レデスマはラ・チョンティジャ(La Chontilla)地区で、軍人から身体的暴行や電気ショックを受けた可能性がある。SNS上には、負傷した男性がピックアップトラックの荷台に横たえられ、病院に搬送される映像も確認されている。検察による予備的な死亡原因は機械的窒息で、軍の介入下での暴力死の可能性が指摘されている。

Photo:Diario Extra

 

エクアドル陸軍(Ejército Nacional)は、当該作戦が「上級指揮官の承認や知識なしに」管轄外で実施されたことを認め、検察への全面的協力を表明した。一方、司法当局は任務遂行中の死亡事故に伴う権限逸脱(extralimitación)の疑いで7名の軍人を捜査している。2026年3月21日夜、裁判官は7名のうち2名に予防拘禁(prisión preventiva)を命じ、残る5名には国外渡航禁止、定期的な裁判所出頭、電子監視装置(足枷)の装着などの代替措置(medidas sustitutivas)を課した。

報道やSNSによれば、拘禁された2名のうち1名はレデスマ及び作戦で生存した別の人物に電気ショックを加えた疑いがあり、もう1名は身体的攻撃や脅迫に関与した疑いがある。この告発は、事件当時現場にいた目撃者G.R.の証言に基づいている。

Photo:Diario Extra

陸軍は公式声明で、関与した隊員が「上級指揮官の承認や知識なしに」行動し、管轄外で作戦を実施していたことを確認した。また、SNS映像でも軍服を着た人物が負傷した男性を地元病院に搬送する様子が確認されている。陸軍は、関与隊員の法的責任を明らかにするため必要な支援を提供する意向を示した。作戦は政府が定めた「新たな安全保障フェーズ」の最中に実施され、夜間外出禁止令の適用と関連している。

なお司法情報および裁判所評議会(Consejo de la Judicatura)の記録によると、レデスマは過去に少なくとも3件の刑事手続きーー窃盗(2020年)、武器所持(2024年)、規制対象薬物所持(2025年)ーーを抱えていた。しかし、人権団体は個人の司法歴が過剰な武力行使や拷問、私的処刑の正当化にはならないと強調している。

 

ノボア政権のもとで加速する人権問題

この作戦は、ダニエル・ノボア政権の安全保障戦略に基づき、グアヤス県(Guayas)を含む4県で適用されている夜間外出禁止令(tocque de queda)の期間中に行われた。この事案は軍の街頭行動に関して人権団体から提出されている告発のリストに新たに加わる形となった。

ミラグロでの死亡事件は孤立した事案ではなく、より広範な人権問題の文脈に位置している。米州人権委員会(Comisión Interamericana de Derechos Humanos:CIDH)は、以前の軍による拘束後に行方不明となった26名に保護措置(medidas cautelares)を付与している。また、2024年12月にはグアヤキルで不適切な拘束後に4名のアフリカ系未成年者が殺害され、16名の軍人に最大34年の刑が言い渡された事件も記録されている。

2024年1月にノボアが内戦状態(conflicto armado interno)を宣言して以降、強制失踪に関する告発が多数存在している。国家は2024~2025年に34件の事件を報告している一方、人権団体は少なくとも51件の被害や記録された事例があると主張し、国連強制失踪防止委員会(Comité de la ONU contra la Desaparición Forzada)でも議論されている。

国際アムネスティ(Amnistía Internacional)は、軍事作戦に起因する強制失踪の継続的な告発が存在すると指摘し、有効な捜査の欠如が再発リスクを高めていると警告している。さらに、人権防衛常設委員会(Comité Permanente por la Defensa de los Derechos Humanos)も、記録のない逮捕や行方不明者情報の欠如、家族による捜索の妨害といったパターンを文書化している。

 

違法採掘、2025年に最大の経済的打撃

違法採掘はエクアドル国家にとって深刻な脅威であり、2025年には過去最大規模の経済的打撃を受けたと国防省(Ministerio de Defensa)は2025年11月に報告している。

違法採掘はもはや孤立した現象ではなく、エクアドル領土に対する主要な圧力の一つとなっている。影響は複数の県に及んでおり、セキュリティブロック(Bloque de Seguridad)による作戦が2025年を通じて展開された。国防省の発表によれば、これらの作戦により違法採掘ネットワークの財務に対する影響額は20億ドルを超えた。

無力化された機材には、41基の浚渫装置(ドラグ)や360台のバックホウが含まれ、違法採掘および犯罪資金の重要な歯車として機能していた1,344か所の坑口も対象となった。

インバブラ県(Imbabura)ブエノスアイレス(Buenos Aires)ではキャンプの解体により領土管理が改善され、大規模採掘が抑止された。アスアイ県(Azuay)ラ・チョンタ(La Chonta)では南部の違法組織に対する大きな打撃が加えられ、カルチ県では新たな入植地の形成阻止と金資材輸送ルートの封鎖が行われた。また、作戦はオレリャナ県(Orellana)、サモラ・チンチペ県(Zamora Chinchipe)、モロナ・サンティアゴ県(Morona Santiago)、スクンビオス県(Sucumbíos)、ナポ県(Napo)、ボリバル県(Bolívar)、エル・オロ県(El Oro)にまで及び、違法採掘、国境密輸、資金洗浄の連鎖を断つことに成功した。

国防大臣ジャン・カルロ・ロフレド(Gian Carlo Loffredo)および合同司令部長エンリ・デルガド・サルバドル将軍(Henry Delgado Salvador)が、違法採掘圧力の高い地域での作戦展開を指揮した。ダニエル・ノボア大統領(Daniel Noboa)率いる政府は、マフィアの資金源を断つことが、国民の安全と秩序の確保に不可欠であるとして、断固たる姿勢を維持している。

#DanielNoboa #人権侵害 #夜間外出禁止令

 

参考資料:

1. Destruyen pista clandestina en Naranjito, Guayas
2. Ejército da duro golpe a la minería ilegal y decomisa material aurífero en Bolívar
3. Prisión preventiva para dos militares por presunta extralimitación y muerte de un civil en Milagro 
4. Ejército admite que operativo en Milagro se ejecutó sin autorización superior 
5. La minería ilegal en Ecuador enfrenta en 2025 su mayor golpe económico, según el Gobierno. 
6. Operación ‘Fuego Letal’: Tanques del Ejército golpean minería ilegal en Carchi
7. Ecuador investiga la muerte de un civil bajo custodia militar y crecen las denuncias de abusos en el marco del estado de excepción

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