メルコスル:EUとの歴史的自由貿易協定で関税大幅削減へ

(Photo:LULA MARQUES / AGÊNCIA BRASIL)

ブラジル議会(Câmara dos Deputados)は火曜日、南米南部共同市場(Mercado Comum do Sul:MERCOSUR)と欧州連合(European Union:EU)との自由貿易協定を公布した。これは世界最大級の貿易圏の形成に向けた重要な一歩である。

同協定は2026年5月1日から段階的かつ暫定的に発効する予定である。欧州議会(European Parliament)は2026年1月、本協定文書を欧州司法裁判所(Court of Justice of the European Union)に付託することを決定した。この審査には最大で2年を要する可能性があるが、文書では規則が即時に効力を持つことも定められている。

本条約は25年以上にわたる交渉を経て、2026年1月17日にパラグアイのアスンシオン(Asunción)で署名されたものであり、両ブロック間の貿易の90%以上に適用される関税の段階的削減または撤廃を規定している。さらに、工業製品および農産品の貿易に関する共通ルールに加え、投資および規制基準の枠組みも整備されている。

この構想は、7億人以上の市場を統合し、南米諸国の経済とユーロ圏を結び付け、財や資本の流れを一層活性化させることを目的としている。

ブラジルでは立法手続きが今月4日に上院(Senado Federal)での協定承認により完了した。これは事前に下院(Câmara dos Deputados)の承認を得た上での手続きである。また、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は、欧州連合(EU)との貿易に適用される二国間セーフガードを規定する政令に署名した。この仕組みにより、外国製品の急増が国内産業にリスクをもたらす場合、関税引き上げや輸入制限といった一時的な保護措置を講じることが可能となる。

1月17日に行われた厳粛な会合では、ブラジル国民議会(Câmara dos Deputados e Senado Federal)が同協定を正式に公布した。協定批准の政令に署名した上院議長兼国民議会議長のダヴィ・アルコルンブレ(Davi Alcolumbre)は、世界が戦争や貿易摩擦に直面する中、この協定が平和と繁栄を支持する明確なシグナルを発するものであると述べた。

アルコルンブレは演説で次のように強調した。「貿易は世界平和の鍵である。相互に取引を行う国々は、戦争によって得るものよりも失うものの方が大きい。貿易は友好国、パートナー国を生み出す。生命と富を破壊する武力紛争は、生産、投資、消費市場の連鎖を共有する経済間では起こりにくい。貿易は平和と繁栄をもたらすのである」。この場には副大統領兼開発・産業・商業相のジェラルド・アルキミン(Geraldo Alckmin)らも出席した。

約26年にわたる交渉を経て成立したこの協定により、人口7億1800万人、国内総生産(Gross Domestic Product:GDP)約113兆レアル規模の自由貿易圏が創設される見込みである。その後2か月足らずでブラジル側の批准手続きは完了し、協定発効に向けた最終段階を迎えた。アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイといった南米南部共同市場の他の加盟国議会も、すでに協定を批准している。

 

欧州議会、自由貿易協定の法的評価を欧州司法裁判所に要請

欧州議会は1月、南米南部共同市場(MERCOSUR)と欧州連合(EU)間の自由貿易協定に関する法的評価を、欧州司法裁判所(Tribunal de Justiça do Bloco)に行うよう要請した。

しかし、フォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)欧州委員会委員長は、司法審査が保留中であっても、5月から協定を暫定的に適用することを保証した。以後、文章中ではフォン・デア・ライエンと表記する。

ブラジルのウーゴ・モッタ(Hugo Motta、共和党・パライバ州)は、厳粛な議会会合の場で次のように述べた。「保護主義、単独主義、不確実性が蔓延する世界において、本協定には政治的・文明的価値もある。これは、民主主義、多国間主義、人権、持続可能な開発という基本的価値を共有する二つの地域(MERCOSURとEU)を結び付けるものである」。さらにモッタは、欧州側による協定の最終的な国内承認を求めた。

フォン・デア・ライエンは、大西洋のこちら側から心から、かつ自信をもって次のように呼びかけた。「欧州議会および欧州司法裁判所が、この特別な瞬間にふさわしい対応を示し、自らに課せられた著名な使命を迅速に遂行することである」。

 

南米南部共同市場とEU、自由貿易協定で関税削減を合意

南米南部共同市場(MERCOSUR)と欧州連合(EU)は、自由貿易協定に基づき、関税削減の具体的な数値を合意した。メルコスールを構成するアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイの4か国は、15年以内に欧州から輸入される商品の91%にかかる関税をゼロにする。一方、EUは南米南部共同市場(MERCOSUR)から輸出される商品にかかる関税の95%を12年以内に撤廃する。

ジェラルド・アルキミン(Geraldo Alckmin)副大統領兼開発・産業・商業・サービス省(Ministério do Desenvolvimento, Indústria, Comércio e Serviços:MDIC)長官は、「この協定は市場を多様化し、外部の脆弱性を低減し、我々の統合を強化し、ブラジル経済のグローバルショックへの回復力を向上させるものである。したがって経済政策上の手段であると同時に外交政策の手段でもある。持続可能かつ包摂的な発展戦略と整合している」と述べた。また、協定が現在、世界経済の約4分の1に相当する規模をカバーしていることを指摘した。

アルキミンによれば、開発・産業・商業・サービス省(MDIC)の推計では、本協定はほぼすべてのマクロ経済指標にプラスの影響をもたらす見込みであり、国内総生産(GDP)の拡大、輸出増加、雇用創出、投資誘致、コスト削減、消費者への商品の供給拡大などが期待されるという。

外務大臣マウロ・ヴィエイラ(Mauro Vieira)は、協定発効の歴史的意義を強調した。「ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルヴァ大統領が繰り返し述べているように、南米南部共同市場(MERCOSUR)と欧州連合(EU)のパートナーシップ協定は両ブロックにとって歴史的な節目であり、特に現在の国際秩序が強く分断されている状況下で重要である。EUは我が国の第2の貿易相手であり、2025年には貿易額が1000億米ドルを超えた」と述べた。

さらに、ブラジル政府は新自由貿易圏による国内生産の不均衡を避けるため、国内生産者向けのセーフガード適用ルールを規定する政令を2週間前に発した。二国間セーフガード措置は、協定に基づく特恵条件下での輸入品が増加し、国内産業に重大な損害を与える、あるいは与えるおそれがある場合に適用できるもので、工業部門だけでなく農業部門の保護にも用いられる。

#MERCOSUR #EU

 

参考資料:

1. Congresso Nacional promulga acordo Mercosul-União Europeia
2. Congreso de Brasil promulga acuerdo Mercosur-UE

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