エクアドル政府、CONAIEによる3時間の対話への評価

10月4日、レオニダス・イサ(Leonidas Iza)を含むエクアドル先住民族連合(Confederación de Nacionalidades Indígenas del Ecuador:CONAIE)のリーダー80人以上と、エクアドル大統領ギジェルモ・ラッソ(Guillermo Lasso)はカロンデレット宮殿(Palacio de Carondelet)の会議はスタートした。それは予定から1時間以上遅れ12時をすぎてのことだった。政府サイドは「生産的な対話だった」と評価しているが、CONAIEは「自分たちの要求に対する政府からの具体的な回答がないまま帰ってきた」と述べている。約3時間半に渡る対話は先住民サイドにとっては不満が残る結果だった。

 

そもそも、レオニダス・イサは会議の「直前になって」議題が変更されたこと、代表団を乗せたバスの到着が阻止されたことに憤っていた。だから首都の中心部から先住民デモ隊を引き連れ、大行進でカロンデレット宮殿を目指してきたイサは、宮殿に到着するや否や敵対心剥き出しで会場入りすることになった。政府宮殿の入り口では、入場リストに参加すべきメンバーが登録されておらず入場できないとし、数人の同僚の入殿を要求するという一コマもあった。その中には、全国選挙評議会(Consejo Nacional Electoral:CNE)のピチンチャ(Pichincha)代表デニス・デ・ラ・クルス(Dennis De La Cruz)も含まれていた。

 

一方の共和国政府参加者はシナモンロールやコーヒー、アロマウォーターが提供されるのと、CONAIEのメンバーが全員揃うのを待っていた。会議には大統領をはじめとし、副大統領アルフレド・ボレロ(Alfredo Borrero Veg)、行政・内閣長官イバン・コレア(Iván Correa)、行政大臣アレクサンドラ・ベラ(Alexandra Vela)、フェルナンド・ドノソ(Fernando Donoso)国防大臣、グスタボ・マンリケ(Gustavo Manrique)環境大臣などが出席していた。1時間遅れの開始であっても、ゴタつきがあっても政府は彼らとミーティングを持たねばならなかった。それくらいこの国にとって先住民たちは大切だった。

先住民族のリーダーであるレオニダス・イサとギジェルモ・ラッソにとってお互い初めての会談とった。会議に先立ち、CONAIEは本会議でのアジェンダに以下6項目を盛り込むとし、事前に提示している。

1)燃料価格を恒常定期に上昇させるバンドシステムに関する政令の廃止
2)金融システムにおける借入金のモラトリアム
3)農家や生産部門について、少なくとも生産コストを回収するためのメカニズムの確立
4)議会が政府に提出した労働政策「機会創出法」への異議申し立て
5)石油や鉱山の生産拡大計画が発表されたことを受けての採取主義に反対表明
6)先住民族および民族の集団的権利の適用

 

 

政府は当初から異文化間のバイリンガル教育への支援や先祖伝来の慣習、先住民の正義の尊重の強化など、CONAIEとの意見の「一致」を見せていたものもあった。ラッソによると農村開発の促進についてもそうだった。

一方、CONAIE的には重視している燃料価格固定制度の廃止、燃料の販売価格の凍結、鉱山や石油開発の拡大、さらには危機による債権の支払い軽減を目的とした1年間のモラトリアムの提供については、その立場は両極にいた。

政府との対話で打開点を見出すことのできなかったことに対しCONAIEは以下を決めた。
1)組織全体の拡大審議会と臨時総会を早急に開催する
2)団結のための効果的な行動を強化する
3)政府の拒否に直面して、抵抗する権利を活性化する

 

なお、子どもの慢性的な栄養不良についても本会議では議論された。この国では幼児の4人に1人が成長不足で、先住民はその中でも比率が高い(詳細はこちら)。その観点に着目することは重要としながらも、イサは政府のアプローチ方法を受け入れることができないと語った。なぜなら「食料価格を高騰させることで栄養不良を解決するのではなく、生産能力を強化し、エクアドル人が食料にアクセスできるよう政策で保証するしかない」と考えるからである。

ラッソは金持ち優遇のための策ばかりを講じているわけではない。2022年1月1日から小規模農家や起業家に1%の金利で融資を行う仕組みを提供するとしているし、採掘主義の観点からは水源の近くでは露天掘りをさせないこと、すべてのプロジェクトは環境省の承認を得ることを約束している。また、先日議会から却下された大統領独自経済策は、富裕層(25,000米ドルの年収者)に対する課税額を増やすことを提示していた。

ラッソからすると充実感で終わった会議も、CONAIEは異なる意見を示している。だからラッソは具体的な問題に焦点を当てて対話を続けることを提案した。国内における「不和は発展を達成する手段にはならない」という考えが彼にはあることによる。元銀行マンらしい考え方なのかもしれない。

 

なお、最近のCONAIEはお家事情もごたついているという報道がある。代表を決めるときの選挙もそうだったが、CONAIEの一部メンバーが自らの利益のために動いているとの意見まで出てきていて、組織の分裂の危機にいる。事実情報筋によると、極秘で行われた会議においてイサと海岸の先住民族連合体(Coordinadora de las Nacionalidades Indígenas de la Costa Ecuatoriana :CONAICE)代表ハビエル・アグアビル(Javier Aguavil)との間で衝突があり、アクビルは現在のCONAIEが沿岸部のコミュニティを「不可侵」にしていると非難していたようだ。

CONAIEによる苛つきはこれからもまだ続きそうだ。なお、大統領も隠し資産疑惑がちょうど出たばかりである。なお、イサに関する風刺がネット上では流れており、彼は傲慢だとする

 

参考資料:

1. Gobierno y Conaie inician diálogo, con seis ejes sobre la mesa
2. Tras diálogo se prometen créditos al 1% y Conaie llama a sus bases
3. Eliminación de decretos sobre combustibles, que no haya flexibilidad laboral y moratoria de deudas, entre los temas que planteará la Conaie al presidente Guillermo Lasso durante la reunión

 

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