私たちがキューバの医療危機に対してできること

どのような事象に際しても、批判だけしてくる人がいる。その手の人間は基本的にスルーすることとしている。自分は意見も考えも出さず、アクションを取ることもない人の話を聞いたところで、進歩がないからだ。一方、たとえ意見が違っても、思いを持った人との議論は新たな視点を発見できたりと得るものが大きい。私個人はそう感じている。

今回のキューバのデモについてもそうだろう。引き続きあれは「良い」「悪い」の二項対立のみが先行し、米国を中心とした片方の意見だけがおおよそ拡散する。そんな時、もう一方の意見を持った人の考えはどうなってしまうのか、と心配すら感じるほどだ。もちろん我々人間は感情というものを持っているから、完全なる平等の精神を持って臨むのは無理なことも理解している。

米国の経済封鎖が及ぼす影響な間違いなくある。それを世界が否定していることも事実である。でも全ての米国人がそのような考えを持っているわけではもちろんない。苦境に陥っているキューバの人々に手を差し伸べようとしている人々もいる。それも確かだ。

遠い日本からではあるが、そしていますぐ生活必需品を届けに行くことができない私にとってなにができるのか、日本時間12日からずっと考えていた。そこで出会ったがのがGlobal Health Partnersである。ニューヨークに拠点を置くボランティア団体だ。

キューバではラテンアメリカ初国産COVID-19ワクチンを開発した国として有名だ。5種類開発しており、アブダラ(ABDALA)やソベラナ02(soberana 02)が有名だ。(各々に関する記事はアブダラソベラナ02から)その一方でここ最近同国における感染者が急増しているのは、より生き延びようとしているワクチンの変異と、医療品不足、具体的には注射器不足でワクチン接種が進んでいないことによる。全世界でも注射器は不足していて、COVID-19の予防接種だけでも全体で80億から100億本の注射器が必要とされている。(ニューヨーク・タイムズ紙試算)

そんな世界の状況がありながらも、自国で注射器を作ることができないキューバは、米国の封鎖により海外から注射器を輸入することもできていない状態にある。

Global Health Partners社によるとキューバにおいてはCOVID-19の大量接種キャンペーンを実施しているものの、約3,000万本必要とされる注射器は2,000万本程不足している。

キューバでは重症患者に必要な人工呼吸器も買えない状況だ。スイスのメーカー2社がキューバに人工呼吸器を販売していたものの、米国の企業がそれを買い占めたため、販売ができない状態となった。そんな困難を乗り越えるべく、キューバはここでも技術力を発揮した。自らで人工呼吸器のモデルを考案、生産しているのだ。それでも経済封鎖によるで部品不足は想像にも難くない。

米国の封鎖はその国のみが例えばキューバに対して禁輸措置をとっているのみならず、第三国の貿易業者や金融業者にも影響を与える。キューバへの販売を考えている外国企業は、米国内に支店を持っていたり、米国企業と提携していたり、米ドルを扱っていたりすると、米国の制裁を受けることになるからだ。

Global Health Partners社によると世界の注射器のほとんどは、米国の3社と海外の5社が製造していて、後者はいずれも米国企業と提携しているから、キューバへの注射器の輸出は事実上できない。それは他人事ではなく、日本企業にとっても言えることなのだ。シリンダーを作っているテルモ株式会社(本社東京)は、ニュージャージー州にも本社を置いているし、ニプロ株式会社(本社大阪)も最近米国に血管部門を設立することを発表した。

バラク・オバマ前大統領が多くの封鎖規制を緩和し、キューバとの国交を回復たことは周知の事実だろう。一方のバイデン政権はキューバとの関係改善を優先事項にしないことを明言し今に至っている。その上バイデンはトランプ政権が実施した米国のテロ支援国リスト指定を支持した。経済封鎖解除に向けた運動も民主党上院議員ロン・ワイデンをはじめ行われている。それでも残念ながら未だその声が実現されていないのが現実だ。

困っている人々を救うのに、政権への思いは必要ない。一人一人のアクションは小さくても、皆が結集すれば大きな力となる。それを思って、私はGlobal Health Partnersを通じた支援策をここで提示しようと思う。キューバを救うことはその他の国を救うことにもなる。なぜならキューバは他国に国際医療旅団を派遣し自然災害や西アフリカのエボラ出血熱などの深刻な伝染病患者の治療や命の救助を行ってきたからだ。

同社はすでにキューバのCOVID対策のために注射器400万本を送付しているとのこと。追加200万本の送付のために、同社では寄付を募っている。

なお同社試算によると360ドルで10,265人にワクチン接種のための注射器を、150ドルで4,285本の注射器をキューバの地域のクリニックに送ることができるとのこと。

なお、Global Health Partnersは米国商務省からキューバへの医療品送付の許可を得ている。寄付はもちろんオンライン(クレジットカード/デビッドカード/チェックアカウント)でできる。

Global Health Partnershipsの紹介は以下TED動画から。

 

Global Health Partners社の本プロジェクトに関する詳細はこちらから。

 

参考資料:

1. U.S. deprives Cuba of syringes it needs now
2. US Medical NGO Receives Commerce License To Send Cuba Syringes

 

No Comments

Leave a Comment

CAPTCHA