頼んだぞ、アマゾンの未来は先住民にかかっている

国連はアマゾン地域と南極大陸が取り戻すことのできないほどの環境危機に面していると指摘した。その上でその未来を先住民たちに託す。
エクアドル東部6州と北東部ペルーはアマゾン地帯は生物多様性を保有する巨大な回廊で、その森林面積は35,000ヘクタールにも及ぶ。アマゾン地域は、世界の肺とも捉えられている通り、その悪化は気候変動、地球温暖化を招き、我々の住む地球を制御不能な状態、ひいては死をもたらす。
 
600,000 人の住民が住み、30 以上の先住民が共有するこの土地は伝統的経済に基づき成り立っているのではなく、例えば輸出製品となりうるパーム油の栽培のための畑づくりや、いかだ製造に欠かせない木材伐採の目的地とされてきた。森林の伐採は環境汚染や土壌侵食をも招き、その表面を少しずつ削っていく。Cuencas Sagradas(※)によると1985 年から 2018 年の間にアマゾンの熱帯雨林が440,227 ヘクタールも失われたという。
 
さらに、アマゾン地域 “エル・オリエンテ” には豊富な石油資源が埋まっている。この拙作もまた森林破壊とともに環境の悪化を招く。過去の研究からも、1ボーリング当たり約15haの森林が消え去り、1ボーリング孔当たり約4,165㎥の汚泥や洗浄水による排水と、重金属を含んだ廃棄物があることが確認されている。
 
ギジェルモ・ラッソ大統領はその選挙キャンペーンの中で、鉱工業は国家の経済問題を解決する方法だとして、短期間での生産量の倍増を提案している。
先住民はラッソが候補者であった時から、環境問題について指摘し、開発のためのビジョンが環境保護と経済成長とを両立させるようにしなければならないとし、生物地域計画(Plan Biorregional)を氏に提示している。そして彼もまたそれに熱心に耳を傾けていたという。そのプラントとは例えばこの地域におけるスマート・シティの開発、河川システムの管理、電気相互接続および通信接続などが含まれいる。
 
これらの計画の実現に必要な資金の調達に際しては債務環境スワップの活用などが提案された。なお、債務環境スワップとは自然環境保護事業の実施と引き換えに自然財団(Nature Foundation)が対外債務の一部を賄うという方法のことを言う。この計画で次の 10 年間で 6 億ドル以上の投資を呼び込むことを目的としたプロジェクトのポートフォリオを提案しており、革新的なイニシアチブを提案している。
もちろんこのプランは国家財政へプラスのインパクトを提供していくだけでなく、アマゾンの永続的な保護とそこに住む人々の代替手段となることを目指している。
 
5月26日ラッソは神聖な指導者の杖を先住民から受け取った(詳細はこちら)。それは人間の権威であり、パチャママの精神的な力を表し、さらに人々を正義に導くためのガイドとなるものである。そしてそれを持つものは大地の守護者となる。
 
もともと財界人であるラッソ。COVID-19のパンデミックもありガタガタになっている経済再建に早々に着手したいところであり、得意とするところだろう。
是非短期的な良し悪しだけでなく、中長期的観点からエクアドルがエクアドルらしく生きていく、さらに先代から受け継いできた貴重な遺産を効果的に活用し、小さい国土でも大きな存在感を発揮できるように皆を導いていって欲しいものである。
経済発展とサステイナビリティは背反するものではない。
自然を破壊し、開発していくことが解ではないはずだ。
 
 
※Cuencas Sagradasは2017 年、エクアドルとペルーにいる先住民たちが市民社会組織とともに作ったイニシアティブで、現在60 万人以上の人々が暮らす 3500 万ヘクタール以上の土地を恒久的に保護することを目指す同盟のこと。彼らのホームページはこちらから。

 

参考資料:

1. Colectivos indígenas piden a Ecuador y a Perú liderar plan para salvar la Amazonía
2. Comunidad de Napo en alerta roja por la erosión regresiva del río Quijos (Alto Coca)
3. La Amazonía y la Agenda 2030 – UNDP
4. La ONU premia a la indígena ecuatoriana Nemonte Nemquimo como ‘Campeona de la Tierra’

No Comments

Leave a Comment

CAPTCHA