東京:「ドイツパン」を食べながらドイツとの関係を振り返る(吉祥寺)

若干ラテンアメリカに関する情報が多くなり、キャラがそっちに言ってしまいそうなので、ドイツのことも書いてみることとする。ドイツ、行ったことは多分ない。しかし昔から親近感のある場所だった。それは一般的にドイツ人と日本人の気質が似てるとか(私は全くそうは思わない)、アニメ「MONSTER」を読んでいたからとか、そういうことではない。

我が家にはドイツ担当とでも言うべき人間がおり、彼女に聞けばドイツに関するいろいろな話をしてもらうことができた。毎晩寝る前には「Gute Nacht」と挨拶を交わすことは日常だったし、朝起きれば「Guten Morgen」と言うのが習慣だった。彼女とは私の祖母のことを言う。祖母は兎にも角にもアクティブでバイタリティに満ちていた。我が家系が全員旅好きなのは、おそらく彼女の影響だし、私が初めて手に入れた旅行用のバックパックは彼女のお下がりだった。スイス国旗がついていた紫色のそれは今でも心の中で大切な宝物となっている。彼女は今から50年くらい前にはすでにバックを担ぎ、独りでドイツを旅していた。我々孫が大きくなる頃には、現地で知り合ったドイツ人、オーストリア人などが祖母を訪ねに我が家に遊びに来ることも多かった。祖母のことを書くのが目的ではないし、虹を渡ってもないのに回想録調で書くと怒られそうなので、この辺りでやめておくがとにかく、彼女から得たドイツの影響は明らかに強い。

我が両親を想起してもドイツの影響を感じ取れる。ハインリヒ・シュッツ(Heinrich Schütz)に思い入れの強かった彼らはおおよそ週末の朝になるとドイツのコーラスをかけており、我が家はその音楽とともにいた。いずれにしても、私が想像する一般的な日本家庭とは異なる形でドイツと接していたように思う。

 

1989年11月9日ベルリンの壁の崩壊は、大きな衝撃とともに自由を手にすることの喜びを目の当たりにした瞬間だった。皆の歓喜する姿が眩しく映ったことを幼心にも覚えている。

あれから30年以上が経過した。ドイツの人々は自らが勝ち取った民主主義は、今もなお世界で脅かされている。東西冷戦、ベルリンの壁についてあまりにも無知であることからこれ以上は書くつもりはないが、いずれにしても我々が築くべきなのは分断の壁(※)ではなく、皆が地球人としてともに幸せに暮らせるような未来なのではなかろうか。

 

パンの話を書こうとしたのに全く違う路線に行ってしまったから、軌道修正が必要だろう。吉祥寺にあるドイツパン屋「Linde」 は、ドイツ気分を味わいたい人におすすめだ。残念ながら窓の外にアルプスの山並みが広がるわけではないが、美味しいパンを食べながらゆっくりとした時を過ごすことができる。

今日はベーコンブリューゲルをいただいた。しっかりとスモークした厚切りベーコンが入っていて、かみごたえも抜群で満足度も高い。同ベーカリーでは讃美歌がかかっている。今日の一曲を共有しておくこととする。

 

※メキシコ人俳優ガエル・ガルシア・ベルナルによる米国の壁に関するブラックジョークはこちらから。

 

BÄKEREI KAFFEE LINDE(吉祥寺)

 住所
  東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-27 (1-11-27, Honcho, Kichijoji, Musashino-shi,Tokyo)
 電話
  0422-23-1412
 価格帯
  
 営業時間
  AM10:00 ~ PM7:00(オーダーストップ PM6:30 イートイン PM7:00)
ホームページ
  https://www.lindtraud.com/

 

東京で食べられる各国の料理情報は「東京で世界飯」から。

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