前回の世論調査結果から1週間が過ぎ、いよいよ選挙戦も残すところ3週間となった。人々の意識はどのように変わってきただろうか。今回の調査は5月12日、13日に行われた。第1回の大統領選で7.865%の得票があった大統領候補ベロニカ・メンドーサ(Verónika Fanny Mendoza)とその政党Juntos por el Perú(以下JP)がカスティージョと協定を結んでから初の調査ということになる。
早速だが前回同様Datumの報告を見ていこう。まず結果としてはカスティージョとケイコの差は縮まった。選挙日に誰に投票する予定かの質問に対して、具体的には帽子を被った候補者が44%であるに対して、オレンジ色のパワフルな女性は41%となった。前回の差が5%だったのに対して今回は3%とケイコが躍進している。
なお、明日がもし投票日だったらどうするかと言う質問に対しては、その差はより小さく2%となった。なお、カスティージョが伸びていないわけではなく(微増)、ケイコが1週間で4ポイントの上げを見せたことから、差が縮まった形だ。投票先未定の人々も5%減った。
各々の候補者に対する13項目に関する期待値は以下の通り。4月21日と今回調査での各候補者への期待値の変化も合わせてみてほしい。(棒ブラフのラベルが5月21日となっているが12日の間違いと想定)
カスティージョに対する期待が大きいものは下記5項目。
1)公立学校の教育改善 2)犯罪の減少 3)汚職の減少 4)人権の尊重 5)貧困の減少
なお医療システムの改善は両者への期待値は現地点では一緒であった。
逆に経済危機やそれに伴う生産活動への影響、そして食糧不足に伴う価格の上昇については、カスティージョが大統領になった場合の方がリスクが高いと考える人が10ポイント以上多い。
総じて教育・汚職分野ではカスティージョ、経済対策においてはケイコに軍配ありと考える人が多そうだ。
なお、政党政治的色がやや薄いように思われるペルーではあるものの、カスティージョとその政党Perú Libreとの関係性がギスギスしており、足並みが揃っていない。
ベロニカ・メンドーサ(Verónika Fanny Mendoza)たちJuntos por el Perúと協定についてはポジティブに見えているものの、Free Perúの創設者ブラディミール・セロン(Vladimir Roy Cerrón Rojas)と今回の選挙は関係ないと主張するカスティージョに対して、国民はそんなことはないと判断している。
なお、過去の討論会やカスティージョのお家事情による自爆、それに加え、引き続き行われているPerú Libreによるネガティブキャンペーン(※)もあり、ケイコの支持が増えているとも推察される。
なおソーシャルネットワークなどを活用した一部ネガティブキャンペーンについては、公平性や腐敗の観点からアカウント閉鎖などされている。それはペルー大統領選2021 : 初の左派協定とフェイクニュース撲滅への取り組みにも記載している。
※ネガティブキャンペーンは主に極左ゲリラ “センデロ・ルミノソ(Sendero Luminoso)”とカスティージョを結びつけ、危険人物であることをアピールしている。
※カスティージョはブラディミール・セロンの反対にもかかわらず技術チームに新たにカート・ブルネオ(Kurt Burneo Farfán)を採用した。なおアレハンドロ・トレド政権時代、ブルネオは財務副大臣、国立銀行の会長、ペルー中央準備銀行の理事などを歴任していた。
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