(Photo:el COLOMBIANO)
2026年4月14日、コロンビア共和国大統領グスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)は、コロンビア共和国中央銀行(Banco de la República)の金融政策運営をめぐり、理事会および特定の理事に対して強い批判を行っている。直近の発言では、自身が任命した理事の一人に対して「ファシスト」とまで表現した。
問題となっているのは、政策金利を100ベーシスポイント引き上げ、11.25%とした同銀行の決定である。この利上げにより年初来の累計上昇は200ベーシスポイントとなり、政府と中央銀行の対立は一段と深刻化した。その結果、ヘルマン・アビラ(Germán Ávila)財務大臣が理事会から退席する事態となり、ペトロによる中央銀行幹部への批判発言が相次いでいる。
Petro llamó fascista a codirectora de BanRepública: “Era más marxista que yo”, dijo el mandatario, al referirse a la decisión que tomó la junta del Emisor de subir las tasas de interés, lo que calificó como “burrada”. https://t.co/if1kX8q65f pic.twitter.com/HxLfe31dBn
— Revista Semana (@RevistaSemana) April 15, 2026
本件でペトロの批判対象となっているのはラウラ・モイサ(Laura Moisá)理事であり、彼女は前年1月にペトロ自身がシーサル・ヒラルド(César Giraldo)とともに任命した人物である。ただしペトロは当初、過去に批判してきたオルガ・ルシア・アコスタ(Olga Lucía Acosta)を今回の対象ではないとしており、アコスタについては当時の財務大臣ホセ・アントニオ・オカンポ(José Antonio Ocampo)の推薦に基づく任命を後悔しているとされる。
閣僚会議における発言として、ペトロは「理事会にいる女性は人民解放軍(Ejército Popular de Liberación:EPL)に所属していた人物で、私よりもマルクス主義的だった。理事会のその女性は極左であったが、今ではファシストだ」と述べた。
この発言はラウラ・アルラ・モイサ・エリカビデ(Laura Carla Moisá Elicabide)を指しているとみられている。
モイサはコロンビア共和国中央銀行に加入する以前、コロンビア国立大学(Universidad Nacional de Colombia)メデジン校の副学長を務めていた経歴を持つ経済学者である。また経済科学修士号および経済開発博士号を有し、コロンビア国立大学、セサル・アルボレダ大学(Universidad Sergio Arboleda)、高等行政学院(Escuela Superior de Administración Pública)などで教職経験を持つ。
任命時には、彼女が行政府寄りの活動家である、あるいは共産主義的傾向を持つとの批判が野党から出ていた。さらにシンクタンクのリベルタンク(Libertank)は、モイサの任命により中央銀行がリスクにさらされる可能性を警告しており、理由として「異端的経済学(heterodox economics)」への支持や、「国家介入、再分配政策、進歩主義的政策を優先する視点」を挙げていた。
一方でペトロは、中央銀行の政策決定そのものが政治的意図によるものであると主張している。
「我々は富を他国へ移転している。それこそが中央銀行の理事会が行ったことだ。政治的セクト主義と無知によるものだ」と、イピアレス(Ipiales)で述べた。
しかし報道では、この主張には構造的な矛盾があると指摘されている。中央銀行理事会7名のうち4名はペトロ自身による任命であり、ラウラ・モイサ、オルガ・ルシア・アコスタ、シーサル・ヒラルド、現財務大臣ヘルマン・アビラが含まれるとされる。そのため理事会の多数派形成に大統領自身が関与している構図となっている。
また4月13日の閣僚会議では、金融政策決定をめぐる投票結果として、100ベーシスポイントの利上げに賛成4票、50ベーシスポイントの利下げに賛成2票、据え置き1票という構成が示された。理事会の投票は通常非公開であるが、この会合では財務大臣ヘルマン・アビラが利上げ決定に反対して退席したことも明らかになっている。
なおこの会合でペトロは、今回の決定が最低賃金引き上げに対する報復であるとの見方も示し、「これは経済ではない。セクト主義だ」と述べ、理事会判断を「とんでもない誤り」と批判した。
総じて本件は、ペトロ政権とコロンビア共和国中央銀行との対立が金利政策を軸に激化する中で、大統領自身が任命した理事を含めて強い政治的批判が行われている状況を示している。
参考資料:
1. Presidente Petro llamó “fascista” a codirectora del Banco de la República que él llevó a la junta
2. Petro atacó a codirectora del Banco de la República que él mismo nombró; la trató de “fascista”

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