エクアドル:パレスチナ人民の固有の権利行使に関する委員会から脱退とイスラエルの賞賛

(Photo:SHUTTERSTOCK)

2026年2月16日、パレスチナ人民の不可侵の権利の行使に関する委員会(Committee on the Exercise of the Inalienable Rights of the Palestinian People:CEIRPP)の委員長コリー・セック(Coly Seck)は、国連総会議長宛ての書簡で、エクアドル共和国が同委員会から即時脱退したと報告した。

脱退は、2月2日付で国際連合に駐在するエクアドル常駐代表アンドレス・モンタルボ・ソサ(Andrés Montalvo Sosa)が通告したもの。委員長は2月13日に委員会メンバーへ通知し、総会にも構成変更を正式に伝達するよう要請した。

エクアドル共和国は今回の決定について、イスラエル国とパレスチナ国の二国家共存による交渉解決を支持する従来の立場を変更するものではないと強調した。国際法および関連する国連決議に基づく平和的解決への支持を改めて確認し、中東における公正で永続的かつ包括的な和平努力を今後も支援するとしている。

本件は国連総会の議題35「パレスチナ問題」の下で正式文書として回付される予定である。

 

イスラエルとの連帯を強めるノボア政権

モンタルボ・ソサ代表は、エクアドルが中東における平和と紛争解決の促進に引き続き取り組む姿勢を強調した。また、この決定はエクアドルが長年支持してきた二国家解決への立場を損なうものではないと述べた。しかし、こうした説明には当然ながら政治的意図がある。ノボア政権は、イスラエルやアメリカとの関係強化を明確に志向しているからである。

その象徴的な出来事が、2025年5月5日の会談である。この日、エクアドル大統領ダニエル・ノボア(Daniel Noboa)はエルサレムの首相官邸を訪れ、イスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)と会談し、両国関係の強化を確認した。

ネタニヤフ首相は、エクアドルがエルサレムにイノベーションセンターを開設する決定を称賛し、これを「友情の強い象徴」と表現した。また、農業、水資源、防衛、セキュリティの各分野で協力を拡大していく考えを強調した。

ネタニヤフ首相は「エクアドルとイスラエルは素晴らしい友好関係を共有している」と述べ、「私たちは、繁栄、平和、安全という共通の価値を持つ真に民主的な国々の友人と緊密に協力していきたいと考えている」と語った。さらに「エクアドルの友情、そしてエルサレムにイノベーションセンターを設立するという決定を深く評価している。近い将来、エクアドルを訪問できることを楽しみにしている」と続けた。

 

これに対しノボア大統領は、イスラエルに対するエクアドルの支持を改めて表明した。「私たちは同じ敵を持っている――貧困、テロリズム、そして苦しみだ。そして私たちはそれらと最後まで戦う。」「あなた方には常に私の支援があり、エクアドル国民の友情もある」と述べた。この会談は、イノベーションおよび国家安全保障分野における新たな協力の枠組みを正式に確立する重要な機会となったとエクアドル政府は主張する。

ノボア大統領はイスラエル訪問時、エルサレム旧市街の西壁(Western Wall)も訪れている。これは、ハマスとの戦争の最中にあるイスラエルへの連帯を示す象徴的な行動であった。ノボアは、ガザ地区で拘束されているとされる59人の人質への支持を示す黄色いリボンを身に着けていた。

ノボア大統領は、西壁のラビであるシュムエル・ラビノウィッツ(Shmuel Rabinowitz)とともに詩篇121を朗読した。その後、古代の石壁の前で静かに祈りを捧げ、指導者としての力、エクアドルの平和、そしてイスラエルとの強固な関係を願う個人的なメッセージを書いた紙を石の隙間に差し入れた。

 

イスラエル、エクアドルの脱退を評価

イスラエルは、エクアドルが国連のパレスチナ人民の不可譲の権利行使委員会(CEIRPP)から脱退したことを称賛した。イスラエル外相ギデオン・サール(Gideon Sa’ar)は、エクアドル大統領ダニエル・ノボアおよび外相ガブリエラ・ソマーフェルド(Gabriela Sommerfeld)が示した「道徳的指導力」を評価した。

サール外相は、「この委員会は、国連内部におけるイスラエルに対する固有の偏見を示す典型例である。エクアドルは政治的演技よりも、真実と道徳的明確さを選んだ」と述べた。また、エクアドルが脱退した決定について感謝の意を示し、同国の指導部が示した「道徳的明確さ」を高く評価した。

さらにサール外相は、X(旧ツイッター)への投稿で、「脱退することによって、エクアドルは政治的演技ではなく、真実と道徳的明確さを選んだ」と表明した。あわせて、「誠実さを重んじるすべての加盟国に対し、この偏った委員会から脱退するよう呼びかける」と述べた。

 

パレスチナ人民の不可侵の権利の行使に関する委員会(CEIRPP)は1975年に設立された。主な目的はパレスチナ人の権利擁護であり、とりわけイスラエルとの関係において強い立場を取ることが多い。

イスラエルによると、同委員会はイスラエルに対して偏った立場を取ることがあり、イスラエルの行動を批判する一方で、パレスチナ側の暴力やテロ行為には十分に目を向けていないと批判している。親イスラエル系の監視団体UN Watchもこの委員会が一方的で偏った議論を扱っているとして非難している。

なお、UN Watchは自らを反ユダヤ主義や国連内の偏向に対抗する擁護者と位置づけ、イスラエルに支持的な立場を取りつつ、国連や国際機関に圧力をかける活動を行っている。国連の透明性と人権保護を監視することを使命とするその団体は、自らの立場から、同組織は国連や国連人権理事会がイスラエルに対して不公平かつ偏った扱いをしていると強く批判し、特にイスラエルに対する決議や非難が他国に比べ過度であることを問題視し、国際社会やメディアに対してその偏向を是正するよう働きかけている。

親イスラエルによると、パレスチナ人民の不可侵の権利の行使に関する委員会(CEIRPP)の会議では、イスラエルに対する強い非難が繰り返され、ジェノサイド(集団虐殺)やテロ、人権侵害といった強い表現が用いることがある。さらに、同委員会はイスラエルの政策に反対する国連決議を推進する中心的役割を担い、「占領の終了」や「入植活動の停止」を求める内容が含まれている。委員会のメンバーにはアフガニスタン、ベラルーシ、キューバ、南アフリカ、ベネズエラなどが含まれ、これらの国々は歴史的にパレスチナの立場を支持し、国際舞台でイスラエルの政策に批判的な姿勢を取ってきた。委員会の活動はパレスチナ人の権利や人道問題に焦点を当てることを目的としているが、その偏ったアプローチがイスラエル・パレスチナ問題の平和的解決を困難にしていると批判している。

#DanielNoboa #BenjaminNetanyahu

 

参考資料:

1. UN Palestinian Rights Committee Chair Letter to General Assembly President on Ecuador’s Withdrawal from Committee (A/80/645)
2. Israel praises Ecuador’s ‘moral leadership’ in withdrawing from UN committee on Palestinian rights
3. 
Sa’ar praises Ecuador for withdrawing from UN committee against Israel
4. Netanyahu, Noboa cement Israel-Ecuador ties in Jerusalem

 

No Comments

Leave a Comment

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

error: Content is protected !!