エクアドル:患者と公衆衛生関係者が医療制度の崩壊を警告

(Photo: Palabrasuelta)

エクアドル全国保健連盟(Confederación Nacional de Salud del Ecuador:CONSADE)は、医薬品などの供給不足率が54%に達し、保健省(Ministerio de Salud Pública:MSP)で過去最大規模となる20億米ドルの予算削減が行われ、さらに公約の90%に財源が確保されていないと告発している。

エクアドルにおける保健医療危機は、もはや治療を受けられないのではないかと不安を抱く患者の痛切な証言だけで測られるものではない。

社会団体の告発によれば、その危機は現在、保健省(MSP)自身の技術報告書によっても裏付けられており、医療制度が限界状態で運営されている実態が示されている。

記者会見において、6年間にわたり透析治療を受けている腎臓病患者でありコンセードのコーディネーターを務めるケビン・バルデス(Kevin Valdés)と、リアクシオン・エクアドル(Colectivo Reacción Ecuador)のメンバーであり同じくコンセードに所属するベロニカ・チャベス(Verónica Chávez)は、統計数値、政令、行政上の決定を提示し、これらが医療制度の悪化をさらに深刻化させたとの見解を示した。

 

「私たちは数字ではない、人間である」

バルデスは、6年前から血液透析を受けている患者としての自身の経験とともに、彼の苦悩を「明日、透析を受けられるかどうか分からない」という言葉を添えて述べた。

腎臓病患者のうち公立病院またはエクアドル社会保障庁(Instituto Ecuatoriano de Seguridad Social:IESS)で治療を受けているのはわずか12%にすぎず、残りは民間の透析クリニックに依存していると指摘した。これらのクリニックに対し、国家は約2億米ドルの未払い債務を抱えている。

 

「私たちに最も不足しているのは時間である」と彼は強調した。

透析が一度でも中断されれば、その結果は致命的になり得る。そのような状況下で、存在しない医薬品を求めて患者が各地を奔走し、数か月先まで延期された診察予約や終わりの見えない官僚的手続きに直面している現実を彼は疑問視した。

「年末に、単なる統計の一つとして数えられる存在にはなりたくない」と彼は述べた。

 

保健大臣6人、技術的トップ不在が4か月

ベロニカ・チャベス(Verónica Chávez)は、医療制度の構造的運営に焦点を当てて「保健分野における悪化した指標は、国家の非効率性を直接的に反映している」と彼女は主張した。

彼女は、過去2年間でエクアドルで6人の保健大臣が就任したことを語った。現在は副大統領のマリア・ホセ・ピント(María José Pinto)が暫定的に職務を担当しており、同国はほぼ4か月間にわたり正式な保健大臣を欠いていると指摘した。「国家の主要省庁が、4か月もの間、技術的指導者を欠いている状況を想像してほしい」と彼女は疑問を呈した。

さらに彼女は、保健分野の経験を持たない人材が、包括的医療担当次官室、物流次官室、専門医療センター国家局といった重要な技術部門に任命されていると述べた。「それぞれの分野では優れた専門家であるかもしれないが、公衆衛生の行政運営には特有の経験が必要である」と彼女は述べた。

 

過去最大の予算削減と場当たり的な決定

チャベスは、2025年に約20億米ドル規模の予算削減が実施され、これは同省予算のおよそ50%に相当すると指摘した。「そのようなことはかつてなかった」と彼女は述べた。

また、医薬品の中央集権的購入に関する政令第289号についても疑問を呈し、地域ごとに異なる疫学的特性を考慮していないため、ある地域では供給不足が生じ、別の地域では過剰在庫が発生していると批判した。

さらに彼女は、2025年8月の政令第70号にも言及した。同政令はゾーン調整局の組織体制を県単位の局へと変更したものであるが、医薬品の調達・供給体制に関する十分な計画がないまま実施されたと主張した。

 

医薬品供給率54%、一部病院では19%

チャベスが引用した公式データによれば、2025年末から2026年初頭にかけて、医薬品の全国平均供給率は54%にとどまっている。通常運営に必要とされる最低基準は85%である。

一部の県では状況はさらに深刻である。サント・ドミンゴ(Santo Domingo)およびマナビ(Manabí)では43%、エスメラルダス(Esmeraldas)では47%、グアヤキル(Guayaquil)では46%と報告されている。

特定の病院では数値はさらに低い。グスタボ・ドミンゲス病院(Hospital Gustavo Domínguez)およびモンテ・シナイ病院(Hospital Monte Sinaí)は19%、グアヤキル大学病院(Hospital Universitario de Guayaquil)は29%、グアスモ・スール病院(Hospital Guasmo Sur)は35%である。「いずれも公式の数値である」と彼女は強調した。

さらに彼女は、2026年2月付で保健省(MSP)の計画・投資局が作成した技術報告書ITDPI-026014を引用した。同報告書は、外部委託サービスおよび医薬品に関する複数年契約の義務の90%に財源が確保されておらず、その結果として未払い債務の発生リスクが高まり、制度の運営に支障を来す可能性があると結論付けている。「私たち全員が衝撃を受けるべき数字である」と彼女は述べた。

 

医師は過剰なのか

もう一つ問題視されたのは、エクアドル社会保障庁(IESS)による報告書であり、公的医療制度には医師が過剰に存在していると指摘しているとされる内容である。

チャベスはこの主張を退け、同国では医師、看護師、技術職員を合わせて約3万人の追加人員が必要であると述べた。

「医師が余っているのではない。包括的な医療チームが不足しているのである」と彼女は強調し、危機は医師だけでは解決せず、看護師、栄養士、理学療法士、そして一次医療従事者を含む体制が不可欠であると指摘した。

 

予防を怠ることの代償

同連盟のスポークスパーソンは、一次医療への投資不足が結果として医療制度全体のコストを押し上げていると述べた。

「一人の患者を予防的に診る費用は5ドルで済む。しかし進行した糖尿病の治療には月1,000ドルがかかる。集中治療室での1日は3,000ドルに達する」と具体例を挙げた。

エクアドル全国保健連盟(CONSADE)は、行政当局との即時対話の実施と、公衆衛生分野で技術的経験を有する責任者の任命を求めた。

さらに、実効性ある予算配分、支払い状況の透明化、そして包括的医療チームの緊急採用を要求した。

「保健医療はこれ以上待つことができない。健康なくして何も成り立たない」とバルデスは締めくくった。

#PublicHealth

 

参考資料:

1. “No somos cifras, somos personas”: Pacientes y salubristas advierten colapso del sistema de salud

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