エクアドル:エクアドルから米国への引き渡し、2025年以降で9人に

(Image:ecuavisa)

エクアドル当局は2026年10月29日木曜日の朝、ダニエル・サルセド・ボニジャ(Daniel Salcedo Bonilla)、ロナルド・エレラ(Ronald Herrera)、フランシスコ・ベルムデス(Francisco Bermúdez)、通称チュロン(Churrón)の3人を、厳重な警備の下でキト空港(Quito)から米国へ移送した。

2025年以降、エクアドルから米国への引き渡しは今回で9人となった。2024年の国民投票では、米国当局が訴追を求めるエクアドル人の身柄引き渡しを認めることについて、賛成が多数を占めていた。

公的記録と当局の発表によると、これまでに米国へ引き渡されたのは次の9人である。

  1. ホセ・アドルフォ・マシアス・ビジャマル(José Adolfo Macías Villamar)、通称フィト(Fito)

  2. オマル・アウセノ・ブルゴス(Omar Auseno Burgos)、通称ジャネロ(Llanero)

  3. ニラマ・チャベス・ガルビス(Nirama Chávez Galvis)、通称ニラマ(Nirama)

  4. ルイス・ゴンサロ・アロ・チャベス(Luis Gonzalo Haro Chávez)

  5. セルソ・モレイラ(Celso Moreira)、通称パトゥチョ・セルソ(Patucho Celso)

  6. ダリオ・ハビエル・ペニャフィエル(Darío Javier Peñafiel)、通称トポ(Topo)

  7. ダニエル・サルセド・ボニジャ(Daniel Salcedo Bonilla)

  8. ロナルド・エレラ(Ronald Herrera)

  9. フランシスコ・ベルムデス(Francisco Bermúdez)、通称チュロン(Churrón)

ダニエル・ノボア大統領は移送後、3人の写真を投稿し、「犯罪との闘いは国境で終わるものではない」と述べた。今回の移送には、国際刑事警察機構(INTERPOL)と米麻薬取締局(Drug Enforcement Administration:DEA)の捜査官が同行した。3人はいずれも米国で訴追されている。

 

サルセド、エレラ、チュロンが米国で訴追されている理由

サルセドとエレラは、元大統領候補フェルナンド・ビジャビセンシオ(Fernando Villavicencio)の暗殺事件をめぐる捜査に関係している。エクアドルの国家司法裁判所が引き渡しを認めてから約1カ月後、2人は米国へ移送された。

サルセドはエクアドル国内で5件の有罪判決を受けている。米国ではニューヨーク南部地区連邦検察当局が、麻薬密売、銃器所持、マネーロンダリングの容疑で訴追を求めている。米国到着後、連邦判事の前に出廷し、容疑について手続きを受ける見通しだ。

米当局は2023年から2026年にかけての資金洗浄計画についても捜査している。サルセドは新型コロナウイルスのパンデミック中、医療用品の販売をめぐる汚職疑惑で知られるようになった。その後、メタスタシス事件(Metástasis)や司法手続きにおける詐欺、刑務所内での携帯電話所持、ビジャビセンシオ暗殺事件などをめぐっても捜査対象となった。

メタスタシス事件とプルガ事件(Purga)の捜査では、チャットの記録や証言から、現金を暗号資産に換える仕組みがあったことが示唆されている。サルセドは米国で不動産を購入し、3社を設立した後、これらの会社を解散したとされる。

エレラは元警察官で、保護対象の証人でもある。サルセドと関係があったとされ、サルセドからビジャビセンシオの監視や情報収集を依頼された。エレラの証言では、監視を指示した人物として元閣僚のホセ・セラノの名前が挙がった。

チュロンはホセ・アドルフォ・マシアスの側近で、2026年7月にグアヤキル(Guayaquil)北部で逮捕された。米国は逮捕につながる情報に対し、500万ドルの報奨金を提示していた。チュロンは自らをフィトの後継者の一人と称していた。ロス・チョネロスの指導者とみられ、フィトと同じ米国の刑事事件で、国際的なコカイン密売の共謀や違法な銃器使用の容疑をかけられている。

 

フィト、ジャネロ、ニラマ、パトゥチョ・セルソ、トポも米国へ引き渡し

最初に米国へ引き渡されたのは、ロス・チョネロスの指導者フィトだった。2025年7月20日にニューヨーク(New York)へ移送され、ブルックリン(Brooklyn)の連邦裁判所で7つの罪状に問われた。マナビ県(Manabí)モンテクリスティ(Montecristi)の住宅にある地下施設で再逮捕されてから、米国への移送までには25日かかった。米当局は、逃亡中だったフィトの身柄を求めていた。

米ニューヨーク東部地区の連邦検察官は2025年4月、国際的なコカイン流通の共謀、第三者を使った銃器購入、物品の密輸、銃器の使用、麻薬密売などの罪でフィトを訴追した。

同年8月には、コロンビア国籍のニラマ・チャベス・ガルビスとオマル・アウセノ・ブルゴスが米国へ引き渡された。2人はエクアドルに居住し、2016年から麻薬密売の捜査対象となっていた。米当局は、コロンビア、メキシコ、中米で活動するコカイン密売組織を捜査する中で、エクアドルとのつながりを確認した。

2人は2001年にエクアドルへ入国し、スクンビオス県(Sucumbíos)に居住していた。ジェラルド(Gerald)の通称で知られる人物の後継者とみられ、エクアドルの「パブロ・エスコバル(Pablo Escobar)」とも呼ばれていた。2025年2月27日、スクンビオス県カスカレス(Cascales)で逮捕され、約6カ月後に米国へ引き渡された。米国ではマイアミ(Miami)で麻薬密売共謀の罪に問われている。

ロス・チョネロスの指導者セルソ・モレイラ、通称パトゥチョ・セルソは、2023年5月に開かれた誕生日パーティーに出席したことで注目を集めた。このパーティーは、麻薬組織の関係者が集まる催しとして知られていた。その後、銃器をめぐる取り締まりで逮捕され、ニューヨーク南部地区の連邦検察当局から身柄の引き渡しを求められていた。

モレイラは麻薬密売の共謀と銃器所持に関する3つの罪状について、無罪を主張した。モレイラと関係する組織の危険性が高いことから、裁判手続きは非公開で行われた。

ダリオ・ハビエル・ペニャフィエル、通称トポは、モレイラと同じ航空機で米国へ引き渡された。フィトの右腕とされ、米国の起訴状にも名前が記載されている。2025年3月に武器密売の容疑で逮捕されたが、3カ月後に裁判官の判断で釈放された。同年7月、検察側が不服を申し立て、新たな逮捕状が出された。9月にテナの集落で発見され、警察官殺害の罪で有罪判決を受けた。また、オレジャナ県(Orellana)で違法採掘に関係する組織の違法活動を管理していたとされる。

ルイス・ゴンサロ・アロ・チャベスも米国へ引き渡された人物の一人だ。他の人物とは異なり、ミネソタ州(Minnesota)で未成年者への性的暴行の罪に問われており、2025年11月に引き渡された。

 

米国へ引き渡された人物の現在の法的状況

フィトはニューヨークで厳重な警備の下に拘束されている。ブルックリンの連邦裁判所では、大規模な麻薬密売共謀を含む連邦法上の7つの罪状すべてについて無罪を主張した。現在、訴訟は証拠開示の段階にある。引き渡しに先立ち、エクアドル側の要請を受けた米国は、死刑や終身刑を科さないことを正式に保証した。

ジャネロとニラマはフロリダ州で拘束され、麻薬貨物の押収をめぐる連邦裁判に対応している。ジェラルドの組織との関係が疑われており、刑を軽減するため司法取引を交渉していると報じられている。

サルセド、エレラ、チュロンの3人は、米国到着後に連邦判事の前に出廷し、正式な訴追手続きを受ける見通しだ。

米国へ引き渡された9人は、いずれもエクアドル国内で刑事事件の捜査対象となっているか、有罪判決を受けている。

#FernandoVillavicencio #Fito #INTERPOL #LosChoneros

 

参考資料:

1. De alias Fito a Daniel Salcedo: estos son los nueve extraditados de Ecuador a Estados Unidos

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