コロンビア共和国では、2026年に議会選挙と大統領選挙が実施される。3月の議会選挙を皮切りに、5月から6月にかけて大統領選挙が行われ、新たな政治地図が描かれる見通しである。選挙について見ていく。
議会選挙(3月8日)
2026年3月8日、国民は共和国議会(Congreso de la República)の議員を選出する。任期は2026年から2030年までの4年間である。有権者は国内外合わせて約4,100万人に上り、全国で13,700以上の投票所、125,259の投票台が設置される予定である。
上院(Senado)
上院では、次期任期に向けて102人の議員が直接選挙で選ばれる。
- 全国区:100議席
- 先住民コミュニティ枠:2議席
- 憲法に基づく追加議席:大統領選挙で2位となった候補者の副大統領候補に1議席
- この規定により、上院の総議席数は最終的に103となる。
下院(Cámara de Representantes)
下院では183議席が直接選挙で選ばれる。内訳は以下の通り。
- 地域区(各県および首都ボゴタ):161議席
- 特別平和暫定区(Circunscripciones Transitorias Especiales de Paz:CITEP):16議席
- アフロ系コミュニティ枠:2議席
- 先住民コミュニティ枠:1議席
- サン・アンドレス諸島のライズアル共同体枠:1議席
- 海外在住コロンビア人枠:1議席
- 大統領選で2位となった副大統領候補枠:1議席
特別平和暫定区(CITEP)は、武力紛争の被害を受けた地域住民に政治的代表権を保障する制度であり、2026–2030年期にも16議席が維持される。なお、2016年の和平合意に基づき暫定的に付与されていたコムネス党(Partido Comunes)の自動議席は、2025年政令第719号により廃止される。今後、同党は他党と同様に通常の選挙で議席を争うことになる。
大統領選挙の日程
2026年の選挙は、3月の議会選挙から始まり、5月末の大統領選第1回投票、6月の決選投票へと続く長期戦となる。和平合意後の政治制度の転換期にあたる今回の選挙は、コロンビアの今後の進路を左右する重要な節目となる見通しである。
第1回投票:2026年5月31日
過半数を獲得した候補が当選する。
決選投票:2026年6月21日
第1回投票で過半数に達する候補がいない場合、上位2候補による決選投票が行われる。
主要連合と党内予備選の構図
有権者は、上院・下院の投票用紙に加え、政党・連合による大統領候補選出のための党内予備選用投票用紙を請求できる。各投票用紙では1人の候補者のみ選択可能であり、複数候補を選択した場合は無効票となる。
ソルシオネス連合(Consulta de las Soluciones):
進歩的政治勢力を中心とする連合で環境政策や社会的公正を前面に掲げ、都市部や若年層からの支持獲得を目指している。
グアルモ社(Guarumo)とエコアナリティカ社(Ecoanalítica)が実施した最新世論調査によると同連合の予備選で前ボゴタ市長ロペスは89.6%の支持を獲得しており、対立候補のレオナルド・ウエルタは10.4%にとどまった。
構成政党
- Con Claudia, Imparables
- Colombia, Una Nueva Historia
予備選候補
- クラウディア・ロペス(Claudia López)
- レオナルド・ウエルタ(Leonardo Huerta)
ラ・グラン・コンサルタ・ポル・コロンビア連合(La Gran Consulta por Colombia)
中道から中道右派の勢力による連合であり、経済自由主義や法の支配を重視している。サントス政権系(exfuncionarios santistas)とウリベ派(uribistas)の政治勢力が前例のない形で結集し候補者は9名に及ぶ。経済安定と安全保障を強調し、企業家層や都市中間層の支持を見込む。
世論調査の結果ではパロマ・バレンシアが優勢であることが示された。支持率は40.6%で、同連合内では頭一つ抜けた状況である。
構成政党
- Centro Democrático
- Nuevo Liberalismo
- Verde Oxígeno
- Alianza Democrática Amplia
- Unidos-La Fuerza de las Regiones
- Valientes
- Sí Hay Un Camino
- Avanza Colombia
- Con Toda Por Colombia
予備選候補
- マウリシオ・カルデナス(Mauricio Cárdenas)
- ダビド・ルナ(David Luna)
- ビッキー・ダビラ(Vicky Dávila)
- フアン・マヌエル・ガラン(Juan Manuel Galán)
- パロマ・バレンシア(Paloma Valencia)
- フアン・カルロス・ピンソン(Juan Carlos Pinzón)
- アニーバル・ガビリア(Aníbal Gaviria)
- エンリケ・ペニャロサ(Enrique Peñalosa)
- フアン・ダニエル・オビエド(Juan Daniel Oviedo)
フレンテ・ポル・ラ・ビダ連合(Frente por la Vida)
社会的公正と平和構築を重視する連合で、農村部や紛争被害地域に基盤を持つ。
党内予備選に関する調査では、ダニエル・キンテロが優勢であることが示された。支持率は47.6%に達しており、連合内での有力候補として位置づけられる。
構成政党
- Pacto Histórico
- Fuerza de la Paz
- Partido del Trabajo
- Movimiento Alternativo Indígena y Social:MAIS
- Autoridades Indígenas de Colombia:AICO
予備選候補
- エクトル・エリアス・ピネダ(Héctor Elías Pineda)
- エディソン・ルシオ・トレス(Edison Lucio Torres)
- ロイ・バレラス(Roy Barreras)
- マルタ・ビビアナ・ベルナル(Martha Viviana Bernal)
- ダニエル・キンテロ(Daniel Quintero)
その他の主要候補
予備選を経ずに、あるいは別勢力から出馬の意向を示している主な政治家は以下の通り。
1. イバン・セペダ(Iván Cepeda)
依然として首位を維持しているが、1月の33.6%から2月には31.7%に減少。1.9ポイントの下落は、ペトロ政権(Gobierno Petro)が最低賃金の大幅引き上げを通じて継続支持候補を有利にする政治的効果が薄れつつあることを反映していると分析される。物価や雇用環境への影響が徐々に意識され始めた結果である。
2. アベラルド・デ・ラ・エスプリエラ(Abelardo de la Espriella)
支持率は18.2%から22.6%に上昇。首位との差を縮めつつある。
3. セルヒオ・ファハルド(Sergio Fajardo)
党内予備選に不参加で単独出馬を選択したが、支持率は3.9%から3.6%へわずかに低下。
各連合の予備選で勝利した者は、第1回投票で、現在まで立候補を維持している複数の候補者と争うことになる。
最新の調査において注目すべき点は白票(voto en blanco)の割合である。8.6%と多くの候補者の支持率を上回っており、これは有権者の間で決定が未だ決まっていないことを示す。この結果は、党内予備選の結果次第で情勢が大きく変動する可能性があることを示しており、第一回投票に向けた激しい競争が予想される。
グアルモの共同創設者で政治分析家のビクトル・ムニョス(Víctor Muñoz)は、「党内予備選は政治的ポジショニングを加速させる装置として機能する」と指摘する。ロペスとバレンシアがこの勢いを維持できるかが、第一回投票後の決選投票進出の可能性に直結すると見られている。
なお、全国77自治体で3,867人に対し実施された対面調査では、有権者の政治的分布は右派(31.8%)・左派(31.2%)がほぼ拮抗している状況も明らかになった。一方、中道層(9.6%)は少数であり、無党派層(23.9%)も一定の割合を占めていることが分かった。
第一回投票で過半数が得られなかった場合の決選投票シミュレーションでは、イバン・セペダ上院議員が、どの候補者に対しても優位を保つ状況が示されている。
- セペダ:39.1%
- アベラルド・デ・ラ・エスプリエラ:35.2%
1月時点の調査では、セペダ39.4%、デ・ラ・エスプリエラ33.9%であったため、セペダの優位はわずかに縮小していると言える。また、無回答・未定の有権者は全体の25%以上を占めており、決選投票の結果次第で状況が変わる可能性も残されている。
コロンビア立法選挙
投票を無効にしないために注意すべきこと
2026年3月8日、コロンビアでは立法選挙が行われ、上院と下院の議員が選出される。これに向けて、コロンビア国民登録局(Registraduría General de la Nación)は、有効な投票を行うための注意点を発表した。
選挙では「どのような行為をすると投票が無効になるのか」という質問が多い。
実際、2022年の立法選挙では180万票以上が無効票となった。
今回の選挙で同様の事態を避けるためには、正しい投票方法を守ることが重要である。
投票が無効になる主なケース
国民登録局によると、以下のような場合、投票は無効となる。
- 複数の政党に投票する場合:複数の政党や政治運動のチェック欄に印をつけると、投票は無効となる。
- 投票の意図が明確でない場合:チェック欄以外の場所にマークした場合や、どこに投票したのか判断できない場合は無効となる。
- 空欄に複数のマークをつけた場合:「白票」などの空欄に複数の印をつけた場合も無効票となる。
- 白票と政党の両方に印をつけた場合:白票と政党(または政治運動)の両方を選んだ場合、投票は無効となる。
- 党内予備選で複数の候補者を選んだ場合:党内予備選では候補者を1人だけ選ぶ必要がある。
2人以上の候補者に印をつけると、その投票は無効となる。
議会選挙の投票で注意すべき点
開かれたリストの場合:
同じ政党の候補者番号を2人以上にマークした場合、その票は候補者個人には割り当てられない。この場合、票は政党への票としてのみ計算される。
選挙当日に避けるべき行動
- 遅刻すること:投票所は午後4時に閉鎖される。それ以降は投票することができない。
- 市民IDカードの原本を持参しないこと:投票には市民IDカードの原本が必要である。コピーや写真、デジタル画像は認められない。
- 投票ブースで携帯電話を使用すること:投票ブース内での携帯電話の使用や撮影は違法である。違反した場合、刑事罰の対象となる可能性がある。
- 政治的な宣伝を行うこと:投票日には、以下のような政治的宣伝は禁止されている。
-
- 政党のTシャツ
- キャップ
- ポスター
- その他の宣伝物
2026年コロンビア立法選挙の有権者数
今回の選挙では、国内外合わせて41,287,084人が投票資格を持つ。
- 女性:21,236,349人
- 男性:20,050,735人
投票は、13,746か所の投票所に設置され、125,259台の投票箱で行われる。
コロンビア国内の投票状況
- 有権者数:40,036,238人
- 女性:20,553,062人
- 男性:19,483,176人
- 投票箱:123,314台
- 投票所:13,493か所
- 都市部:6,011か所
- 農村部:7,482か所
海外での投票
海外在住のコロンビア人も投票することができる。
海外有権者数
- 合計:1,250,846人
- 女性:683,287人
- 男性:567,559人
投票箱
- 3月8日:1,945台
- 3月2日〜7日:1,387台
投票所
- 67か国、253か所
参考資料:
1. ¿Qué se vota en las elecciones legislativas de Colombia 2026 y cuándo son las presidenciales?
2. CEPEDA, 31,7 %; ABELARDO, 22,6 %;PALOMA, 10 %; CLAUDIA, 5 % Y FAJARDO, 3,6 %: NUEVA ENCUESTA DE GUARUMO
3. LA IZQUIERDA INSCRIBE SU CONSULTA “FRENTE POR LA VIDA” ANTE LA REGISTRADURÍA
4. Así quedó establecida la posición de las consultas y los precandidatos presidenciales en la tarjeta electoral
5. ¿Qué no hacer en las elecciones legislativas del próximo 8 de marzo? Conozca las claves para evitar que anulen su voto
6. Elecciones Colombia 2026





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