(Photo: SNS)
エクアドル検察庁(Fiscalía de Ecuador)は、スペイン当局に対し、ウィルメル・チャバリア(Wilmer Chavarría)、通称ピポ(Pipo)がフェルナンド・ビジャビセンシオ(Fernando Villavicencio)事件について行った証言映像を、弁護側に提供しないよう要請したと通信社EFEが報じた。
問題の映像には、ロス・ロボス(Los Lobos)の首謀者とされるチャバリアが、自身は暗殺の実行者ではないと否認し、犯行はエクアドル大統領ダニエル・ノボア(Daniel Noboa)の指示によるものだと述べる様子が記録されている(詳細はこちら)。
ピポによれば、その情報はエクアドル内務大臣ジョン・ライムベルグ(John Reimberg)に近い人物から伝えられたものであり、動機はビジャビセンシオが選挙で勝利することへの懸念にあったとされる。さらにピポは、ノボアおよびライムベルグの意図について、スペイン当局を欺き、自らをエクアドルまたはアメリカに引き渡させることにあったと主張した。これに対し、ライムベルグはこの供述を強く否定し、「この麻薬犯罪者による告発は馬鹿げている」と非難した上で、その内容に疑問を呈している。
エクアドル検察庁からの要請は、検察官アナ・イダルゴ(Ana Hidalgo)が、スペイン検察庁国際協力・国際問題局長スタリン・セバスティアン・アギラル(Stalin Sebastián Aguilar)に送付した書面で伝えられたものである。書面には、映像の提供を認めない決定が明記されているとされる。
書面によれば、国際刑事支援においては、協力国から得た情報は要請された事件の目的に限って使用されるべきとされており、その理由として国家主権の保護と情報の流用防止が挙げられている。
これに対し、サラゴサ検察庁から録画提出の拒否を通知されたピポの弁護士は、3日後にアラゴン高等司法裁判所(Tribunal Superior de Justicia de Aragón)行政訴訟部へ提訴した。弁護士は、この対応が依頼人の権利を侵害していると主張し、その確認を求めている。依頼人の権利はスペイン憲法および欧州人権条約で保障されている。
訴えでは、録画の完全なコピーの提出に加え、エクアドルから送付された委託状および関連書類、現地の刑事手続きの識別情報、さらに委託状がサラゴサ検察庁に至るまでの経路の開示が求められている。また、依頼人はスペイン国家裁判所で引渡し手続き中であり、エクアドルで殺人罪の刑事手続きにも関与していることから、これら資料の提出を確保するための暫定措置の採用も申請されている。
事情聴取の要請
ビジャビセンシオ殺害事件をめぐり、検察は首謀者の特定を進めており、事情聴取は捜査手続きの期限である3月12日を前に実施された。
ラファエル・コレア(Rafael Correa)、アレクシス・メラ(Alexis Mera)、フアン・アンドレス・ゴンザレス(Juan Andrés González)は、元警察官ロドニー・レンゲル(Rodney Rengel)が公開した音声に関連して召喚された。この音声をめぐっては、レンゲルと元司令官タニャ・バレラ(Tannya Varela)が情報漏洩の疑いで起訴されている。
録音には、市民革命運動(Movimiento Revolución Ciudadana:RC)の関係者が、事件の首謀者として訴追されているハビエル・ホルダン(Xavier Jordán)を支持する目的で会合を開いたとされる内容が含まれていた。これに対しホルダンは、事件は検察総長府によって「仕組まれたもの」だと主張している。コレアは、自身が関与する録音について、編集の有無を問わず公開を認める姿勢を示した。
また、この一連の事情聴取にはレンゲルら関係者も加わり、証言を行う予定である。一方、ゴンザレスは自身のSNSで、召喚理由は不明だとし、この対応を「迫害」とみなす考えを示した。
Insólito. Ahora pretenden involucrarme por el delito de “asesinato”.
— Juan Andrés González Alvear (@JAGonzalvear) March 15, 2026
La Fiscalía me pide que comparezca por algo que no conozco. Ni siquiera intentan disimular la persecución en mi contra.
Ecuador debe ser testigo de esta estrategia del gobierno para silenciar las voces… pic.twitter.com/XLp5wgBVQo
さらにコレアは、ウィルメル・チャバリアがビジャビセンシオ殺害は大統領ダニエル・ノボアの指示によるものだと主張していることを受け(詳細はこちら)、検察に対しノボアの事情聴取を求めた。あわせて、マルセロ・ラッソ・サアベドラ(Marcelo Lasso Saavedra)の告発に基づき、元大統領ギジェルモ・ラッソ(Guillermo Lasso)の召喚も要請した。
ラッソ・サアベドラは2025年11月の証言で、ビジャビセンシオ殺害は「合意の上で計画され、指示されたもの」だと述べ、関与者として元大統領ラッソとその義兄ダニロ・カレラ(Danilo Carrera)の名を挙げている。
ビジャビセンシオ暗殺事件の関係者
- ホセ・セラノ(José Serrano):元大臣
- ハビエル・ジョルダン:被疑企業家、メタスタシス事件関係者
- ロニー・アレアガ(Ronny Aleaga):元国会議員(市民革命(RC))
- ダニエル・サルセド(Daniel Salcedo):複数の汚職事件で有罪判決を受けた
- ウィルメル・チャバリア:ロス・ロボスの首謀者、ビジャビセンシオ暗殺の指示容疑
- エステバン・アギラル(Esteban Aguilar)、通称「ロボ・メノル(Lobo Menor)」:チャバリアの継子、実行犯との調整役(既に有罪判決済みの実行犯)
- ルイス・アルボレダ(Luis Arboleda)、通称「ゴルド・ルイス(Gordo Luis )」:資金の物流や受け渡しを担当
#Pipo #FernandoVillavicencio #DanielNoboa #GuillermoLasso #RafaelCorrea
参考資料:
1. Correa cuestiona que Fiscalía no haya citado a Daniel Noboa ni Guillermo Lasso a declarar en el caso Magnicidio FV
2. Fiscalía de Ecuador pide a España no entregar video de ‘Pipo’ sobre caso Villavicencio, asegura la agencia EFE


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