エクアドル:燃料不足が深刻化、エクアドル航空業界に影響

(Photo:EFE)

エクアドルでは航空燃料の供給不足が深刻化しており、航空機の給油量が制限される事態となった。エクアドル民間航空局(Dirección General de Aviación Civil:DGAC)は、2026年3月21日以降、国内に着陸する航空機について燃料を従来の半分しか補給できないと発表した。これにより、航空会社は飛行計画や燃料搭載量の調整を余儀なくされる。医療搬送便や政府機関、緊急便には絶対的な優先順位が与えられる一方、一般の商業便は出発前に代替給油の手配を行う必要がある。

燃料不足の背景には、国内のインフラ被害がある。エル・コラソン給油所(El Corazón)のパイプラインが土砂崩れで損傷し、エル・ベアテリオターミナル(El Beaterio Terminal)からの供給が制限されているためである。また、国際的には原油価格や石油製品価格の上昇が続いており、イランでの戦争紛争が世界市場の不安定要因となっている。

国内でも影響が出ており、キト(Quito)の複数のガソリンスタンドチェーンでは、車両ごとのガソリンやディーゼルの販売量を制限する配給制が始まっている。エクアドル民間航空局(DGAC)は、航空業界に対しても緊急対応を呼びかけ、供給制限の中で安全かつ効率的な運航を確保するよう指示している。

 

原油価格が100ドルに迫る:エクアドルで得する者と損する者

エクアドルでは、国際原油価格の上昇が国内経済に複合的な影響を及ぼしている。中東での紛争激化を受け、2026年3月第2週のテキサス中間原油(West Texas Intermediate:WTI)は1バレルあたり93.17ドルで取引され、2月末から40%以上の上昇となった。これはエクアドル政府に追加歳入をもたらす一方、燃料補助金の廃止により消費者は高額な燃料価格に直面している。エネルギー危機は、世界の重要航路のひとつであるホルムズ海峡での海上輸送の中断によってさらに深刻化している。世界の原油の約20%がこのルートを通過しており、輸送の遮断は市場に不安をもたらし、価格を押し上げる要因となる。

原油価格上昇の恩恵は限定的である。エクアドルは重質原油を国際市場で割引価格で販売する一方、ガソリンやディーゼルなどの派生製品を輸入しており、高価格の原油の利益は一部相殺される。エクアドル中央銀行(Banco Central del Ecuador)の最新記録によれば、2026年3月12日時点で国内の原油生産量は1日あたり460,155バレルに達した。さらに、国営石油会社ペトロエクアドル(Petroecuador)は追加収入を得て、国内で減少傾向にある原油生産量を増加させるための投資に充てることが可能である。

消費者への影響も顕著である。2026年3月12日から、エクストラガソリンおよびエコパイスガソリン(85オクタン)は1ガロンあたり2.76ドルから2.89ドルに、プレミアムディーゼルは2.70ドルから2.83ドルに値上げされた。スーパーハイオクガソリン(95オクタン)は3.19ドルから3.41ドルに引き上げられた。これらの調整は、ダニエル・ノボア大統領(Daniel Noboa)が燃料補助金を廃止した政策に伴うものである。2024年6月にガソリンの補助金、2025年9月にディーゼルの補助金が撤廃され、燃料価格はバンド制により月次で最大5%の変動が可能となっている。

燃料高騰は旅客輸送や貨物輸送に直接的な影響を与え、物流コストを押し上げる。これにより、バナナ、花卉、エビ、カカオなど輸送依存型産業にコスト上昇の影響が及ぶ可能性がある。輸送に依存する経済活動、特に非石油系輸出も同様にコスト上昇に直面する。

さらに、燃料価格の上昇はエクアドル経済にインフレ圧力をもたらす可能性がある。エクアドル国際大学(Universidad Internacional del Ecuador:UIDE)ビジネススクールのセバスティアン・コルデロ教授(Sebastián Cordero)によれば、農業および水産養殖部門は生産物を国内外の市場に輸送するため輸送に依存しており、ディーゼルやガソリン価格の上昇は、部分的に販売価格に転嫁される可能性があるという。一方で、基本消費財の価格への影響は不確実であり、国際情勢やエネルギー市場の動向に左右される。

石油専門家オスバルド・エラソ(Oswaldo Erazo)も、国際紛争による原油市場の影響が国内に早期に反映されることを指摘し、輸出国利益と消費者負担の二面性が顕在化していることを強調した。

 
 

エクアドルで3つの新油井が原油生産を押し上げる

2026年1月14日に報じられた情報によるとエクアドルでは、国内原油生産の押し上げが期待される新たな油井の発見された。これはアンドス・ペトロリウム・エクアドル(Andes Petroleum Ecuador)とグラン・ティエラ・エナジー(Gran Tierra Energy)によるアマゾン地域での探索活動で分かったことであり、合計3つの新油井を確認した。

環境・エネルギー省(Ministerio del Ambiente y Energía)によれば、これらの油井により国内原油生産は1日あたり4,000バレル以上増加する見込みである。発見はスクンビオス県(Sucumbíos)の両社が操業するブロックで記録され、国内の石油開発規制に基づくプロジェクトとして進められている。

アンドス・ペトロリウム・エクアドルは、スクンビオス県クヤベノ(Cuyabeno)ブロック62–タラポアにおける探索油井ジョアンナ・スール1(Joanna Sur 1)で初期試験を完了した。予備結果によると、同油井は1日平均650バレルの原油生産が見込まれる。同社は中国資本で、アマゾン地域の技術的および環境的条件に沿った操業を継続している。

一方、グラン・ティエラ・エナジーはスクンビオス県ブロック50–チャラパ(Charapa)での探索活動により、商業生産可能な2つの油井を確認した。コネホA-01油井(Conejo A-01)は1日あたり2,100バレル、API度数26度の原油を生産すると見込まれ、コネホA-02油井(Conejo A-02)は1日あたり1,500バレル、API度数29度の原油を生産するとされる。

エクアドル国内の炭化水素産業は経済で重要な位置を占めており、成熟油田や開発中地域での生産維持を目的とした探索活動が続けられている。現在、グラン・ティエラ・エナジーはブロック50–チャラパ、51–チャナングエ(Chanangue)、89–イグアナ(Iguana)で操業し、アンドス・ペトロリウム・エクアドルはブロック62–タラポアで操業している。いずれもアマゾン地域に位置しており、国内原油生産の拡大に貢献すると見込まれる。

ただし上述の通り、エクアドルはガソリンやディーゼルなどの派生製品を輸入しており、原油掘削の増加、高価格の原油もその恩恵の一部は相殺される。

#Petroecuador #DanielNoboa

 

参考資料:

1. Alerta en el sector aéreo: Aviones en Ecuador solo podrán recargar el 50% de combustible por escasez
2. Precio del petróleo se acerca a los 100 dólares; quién gana y quién pierde en Ecuador 
3. Tres nuevos pozos petroleros impulsan la producción del Ecuador

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