(Photo:Infobae)
2025年9月13日(土)、イバイ・ジャノス(Ibai Llanos)が主催した「朝食ワールドカップ(Mundial de Desayunos)」の決勝戦において、ペルーの「チチャロン入りパン(Pan con chicharrón)」がベネズエラの「アレパ・レイナ・ペピアーダ(Arepa Reina Pepiada)」を破った。このバーチャルトーナメントは、各国の代表的な朝食メニューがTikTok、Instagram、YouTube上での一般投票により競い合う形式で行われた。イバイ・ジャノスはペルーの優勝を発表する際、ペルー国旗を体に巻きつけ、国歌の一節を歌うパフォーマンスを披露した。ペルーは1,280万票を獲得し、ベネズエラの1,260万票を20万票差で上回ったのである。
決勝戦の結果発表は、ベネズエラで祝われる「国際アレパの日(Día Internacional de la Arepa)」と重なったため、一層激しい対決となった。その結果、SNS上では多くのミームやバイラル投稿が飛び交い、注目を集める一日となった。
この発表動画は、数百万のインターネット利用者の注目を集める大会のクライマックスとして配信され、料理的・文化的達成を強く印象付ける演出となった。配信は感動と愛国的象徴を織り交ぜた構成であり、すでにSNSや公共空間で高まっていた熱狂を決定的に後押しした。結果発表の瞬間、ペルー各地では家族連れや地域住民が広場や市場、レストランに集まり、祝賀ムードが広がった。リマのミラフローレスでは、大型スクリーンの前に人々が集まり、勝利の発表を見守った。ペルーの伝統的なサンドイッチであるチチャロン入りパンは、この日、国民的祝祭の主役となり、年齢や地域を超えた参加と誇りをもってその地位を確かなものとした。
このデジタルコンテストは、ラテンアメリカ中の数百万人の視聴者によって注目され、単なる投票イベントにとどまらず、創造的で風刺的なミーム合戦へと発展した。特に、ペルーの祝賀ムードと国際アレパの日に敗北を喫したベネズエラ側の反応が対照的に描かれ、インターネット上では「神よ、これ以上私に何を望むのか」といった自虐的ユーモアが拡散された。
インフルエンサーでタレントのマリア・ピア・コペロ(María Pía Copello)は、イバイ・ジャノス(Ibai Llanos)主催の「朝食ワールドカップ」でペルーが勝利したことをユーモアあふれる動画で祝福した。彼女は美人コンテストを模したパロディを制作し、自らを「ミス・パン・コン・チチャロン(Miss Pan con Chicharrón)」として演じ、対するコリナ・リバデネイラ(Korina Rivadeneira)を「ミス・アレパ(Miss Arepa)」としてベネズエラ代表に見立てた。ベネズエラ代表を演じたモデルのコリーナ・リバデネイラ(Korina Rivadeneira)は、ユーモアをもって結果を受け止め、「アレパはいつでも美味しいが、今日はチチャロン入りパンを祝う日だ」と投稿をシェアした。彼女のSNSには、「いつもそのキレのある表現力が素敵、マリア・ピア」「これが私たちペルー人だ、どんな大会でも全力で祝う」「私たちに必要だったミス・パン・コン・チチャロン!」などのコメントが寄せられた。
@piacopellotiktok ¡Somos los campeones! 🇵🇪
♬ sonido original – Pia Copello
結果発表は現地時間12時20分ごろ、TikTokおよびInstagramの公式アカウントを通じて行われた。
ペルー国内では、この勝利を称える街頭イベントや国民的な祝賀メッセージが相次ぎ、オンライン・オフラインを問わず広く国民的な誇りとして共有された。ペルー料理ファンにとって、この勝利が感情的にも大きな意味を持つ出来事であることが強調された。こうして、「朝食ワールドカップ」は単なるグルメコンテストを超え、ラテンアメリカにおける文化的トレンドの中心となったのである。SNS上では「ペルーの味が世界を制した」といった誇らしげな投稿が相次ぎ、料理を通じた国家的誇りと文化の発信として、広く国民的関心を集めている。
ペルー大統領府は、「朝食のワールドカップ」での優勝を受け、X(旧Twitter)への投稿を通じてペルーのガストロノミーは「文化であり、ペルーの伝統であり、我々の経済発展における重要な要素である」と述べた。「再び、我々の味わいが世界で唯一無二であることが証明された」と続け、その投稿には「我々はチャンピオンである(Somos campeones)」というタイトルの、チチャロン入りパンの画像が添えられていた。
ペルーのディナ・ボルアルテ(Dina Boluarte)大統領もこの勝利を公に祝福した。発言は、ランバイエケ州エテン(Eten)において開催された多目的港ターミナル計画(Terminal Portuario Multipropósito)の開設式典の席で行われた。この祝賀の言葉は、事前にペルー大統領府がSNS上で発表した勝利メッセージに続くものであり、政府首脳による公的な言及は、このバーチャルコンテストの国家的意義と国民的感情の象徴としての側面を一層強調するものとなった。
¡Perú es clave! 🇵🇪🇵🇪
— Presidencia del Perú 🇵🇪 (@presidenciaperu) September 13, 2025
El pan con chicharrón es campeón del sabor y motor de una economía que reconoce a la gastronomía como emblema de peruanidad y progreso. #PonlePunchePerú💪🏽 pic.twitter.com/03Q6sDzZbB
農業・灌漑開発省(Ministerio de Desarrollo Agrario y Riego)はXにおいて、「我々の農業生産者の努力のおかげで、チチャロン入りパンは人々の味覚を魅了し、世界的な評価を得た」と投稿した。経済・財務省(Ministerio de Economía y Finanzas)もこれに加わり、「チチャロンは年間2億4,400万ソル(約7,000万ドル)の経済規模を動かしており、我が国の経済を強化している」と述べた。
著名シェフのガストン・アクリオ(Gastón Acurio)は「チチャロン入りパンはただの朝食ではなく、私たちが誰でどこから来たのかを思い出させてくれる抱擁のようなものだ」とコメントした。
この数日間、ペルー各地の地方自治体や料理人たちが、伝統的な朝食であるパン・コン・チチャロンを祝う催しを開催した。たとえば、マグダレナ・デル・マル(Magdalena del Mar)では先週の水曜日に住民たちが集まり、「世界最大のチチャロン入りパン」を調理・試食するイベントが開かれた。ペルー代表がこのコンテストの決勝に進んだことは、リマ(Lima)で開催されたレストランやフェスティバルの来場者にも土曜日、大きな反響をもって受け止められた。また、マグダレナ・デル・マルの中心広場では、決勝戦前夜にあたるタイミングで、これまでにない規模のチチャロン入りパンが準備された。そのサイズは長さ4メートル、幅3メートルにもおよび、有名な朝食500人分に相当した。調理後、それは来場した熱心な観客たちにふるまわれた。
「国際アレパの日」に負けたベネズエラ
「国際アレパの日(Día Internacional de la Arepa)」は、2012年に「在外ベネズエラ人協会(Organización de Venezolanos en el Extranjero)」によって制定された記念日であり、例年9月12日にベネズエラ料理を祝う重要な日である。しかし今年、その祝賀ムードは意外な展開によりかき消されることとなった。ペルーの朝食が、「アレパ・レイナ・ペピアーダ」を破って優勝を果たしたからである。この結果により、例年アレパが主役となる記念日は、今年に限ってペルー料理の台頭というかたちで新たな意味を持つこととなった。
最終的な結果は以下の通りとなっている。
ペルー、総計1,280万票を獲得:
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TikTok:650万票
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Instagram:490万票
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YouTube:140万票
ベネズエラ、最終的に1,260万票を獲得:
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TikTok:640万票
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Instagram:490万票
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YouTube:130万票
参考資料:
1. La presidencia de Perú celebra triunfo del pan con chicharrón en concurso de Ibai Llanos
2. Pan con chicharrón peruano conquistó el Mundial de Desayunos de Ibai Llanos: así fue el anuncio y las reacciones
3. María Pía Copello celebra el triunfo del pan con chicharrón en el Mundial de Desayunos con divertido video
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