(Photo:gmvueltaalapatria / instagram)
6月11日(水)、米国からホンジュラス経由で152人のベネズエラ人移民が帰国したと、ニコラス・マドゥロ(Nicolás Maduro)政権はSNS上で発表した。これはマドゥロの政権が運営する帰還支援プログラム「祖国への帰還(Misión Vuelta a la Patria)」によるものであり、今回の便が公式プログラムにおける第32便目であったことを発表している。今回プロジェクトを通じてベネズエラに到着したのは、14人の女性と138人の男性であった。帰国者の多くは、今年2月以降、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下の米国政府により国外退去となった者であり、これは1月にカラカスとワシントンの間で締結された合意に基づいて実施されたものである。なお両国における外交関係は2019年以降断絶している。
Plan Vuelta a la Patria: Arribó nuevo vuelo con 152 migrantes venezolanos desde EEUU https://t.co/i201FVVCGI vía @teleiguana
— Madelein Garcia (@madeleintlSUR) June 11, 2025
この航空機は、共有された画像によれば、ベネズエラ国営航空会社コンビアサ(Conviasa)が運航し、カラカス近郊のシモン・ボリバル国際空港(マイケティア空港)に着陸した。発表では、これは公式プログラムにおける「第32回目の帰還便」であり、前日の火曜日には、主に米国およびメキシコからの国外退去者を対象に、これまで5,600人以上のベネズエラ人の帰還を支援してきたと伝えている。
思い出されるのは、先月5月に米国の連邦最高裁判所が、30万人以上のベネズエラ人に付与されていた一時的保護資格(Estatus de Protección Temporal:TPS)の撤回を承認したことである。さらに、1798年制定の「外国人敵性法(Ley de Enemigos Extranjeros)」を適用して、わが国の同胞を米国領土から追放する措置が講じられた。これを受け、国家政府はドナルド・トランプ政権と自国民の帰還を交渉するに至った。
ベネズエラ当局は、米国が推進する移民政策について、極右勢力、特にマリア・コリナ・マチャド(María Corina Machado)率いるグループが展開している中傷キャンペーンの一環であると、これまで繰り返し非難してきた。
なお、火曜日には、別の帰還便が米国の航空会社によって運航され、141人の移民が帰国したが、その便に女性や未成年が含まれていたかについては公式情報に明記されていない。
前回の帰還便は、テキサス州から出発し、6月6日(金)に192人の移民を乗せて到着しており、その中には10人の子どもと26人の女性が含まれていた。内務・司法大臣ディオスダド・カベジョ(Diosdado Cabello)によれば、そのうち2人の未成年は大人の同伴なく渡航していたという。
ベネズエラ移民の米国における状況は、最近の移民政策の変更および司法判断により大きく影響を受けている。「人道的仮釈放(parole humanitario)」や「一時的保護資格」といった、合法的かつ一時的な滞在および労働を可能にする制度は、連邦最高裁の判決によって将来が不透明となり、数十万人の移民が不安定な状態に置かれている。
公式統計によれば、帰還者の多くはベネズエラと米国との間で1月に締結された二国間合意に基づき強制送還されたものである。しかしながら、メキシコなど他国からの便も報告されており、ベネズエラの移民危機が地域的な広がりを持つことが示唆されている。
この危機の展開は、今後も継続されると見られる帰還便と、米国内における司法判断の行方という2つの主因によって左右される。両国政府は、2019年からの正式な外交断絶にもかかわらず、この帰還合意を引き続き履行している。
「祖国への帰還計画」と申請要件
ニコラス・マドゥロ・モロス(Nicolás Maduro Moros)大統領によって提案された「祖国への帰還計画(Plan Vuelta a la Patria)」はベネズエラ国家の社会プログラムである。その基本的な目的は、国外において脆弱な状況に置かれているベネズエラ人市民に対して、帰国の意思を自発的に表明した者に支援と励ましを提供することにある。この目的のために、人的移動(モビリティ)分野における共同連携および各種の取り組みが行われており、帰国を希望する同胞の自発的な帰還を促進・支援し、社会的・家庭的・経済的活動への再統合を実現することを目指している。
申請者は以下の書類を提出または送付しなければならない。なお本申請は、当国の外交使節団または領事館に直接、あるいは領事関係局に対し、対面または電子メールを通じて提出することができる。なおこの手続きは無料で行うことができる:
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帰還希望者の現在の状況を詳細に説明した動機説明書。
この書類には、当該市民の置かれている状況、現住所、連絡先電話番号を明記する必要がある。
加えて、以下の書類を添付すること:
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申請者の身分証明書(身分証またはパスポート)のコピー。
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成人が子どもまたは未成年(NNA:Niño, Niña o Adolescente)を同伴している場合で、当該未成年がベネズエラの身分証明書を所持していない場合には、出生証明書のコピーを提出しなければならない。
加えて、同伴者が親権者または法定代理人でない場合には、渡航の許可書を提出しなければならない。 -
未成年者が父または母のどちらか一方のみと同行している場合には、同行していない親または法定代理人による渡航許可書が必要である。
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未成年者の親権者が一方または双方ともに死亡している場合には、死亡証明書を提出すること。
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健康状態や診断された病状に関する事情がある場合には、該当する病状を証明する最新の医療診断書、および主治医による渡航許可書または証明書を提出しなければならない。
参考資料:
1. Retornaron 152 migrantes venezolanos deportados por EE UU en un vuelo desde Honduras
2. Plan Vuelta a la Patria retornará el jueves más migrantes venezolanos desde México
3. Plan Vuelta a la Patria
4. Plan Vuelta a la Patria
5. Llegó a Venezuela otro vuelo con 152 nuevos deportados desde Estados Unidos
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