エクアドル:市民革命党出馬のサン・ビセンテ市長暗殺される

(Photo: X)

3月24日(日)早朝、国内で最も若いマナビ県サン・ビセンテ(San Vicente)の女性市長ブリジット・ガルシア(Brigitte García)が殺害された。同氏はエクアドルで最も若い女性市長で、26歳の時、2023年のマナビ県サン・ビセンテの選挙で当選した。職業は看護師で、4人兄弟の長女だった。Televistazoのインタビューによると、15歳のときから社会事業に携わり、それが認められるようになり、それが政治の道に進むきっかけになった。彼女が所属していた財団は、薬や消耗品、治療を受ける余裕のない患者たちに治療を提供する役割を担っていた。。彼女は4,943票を獲得し市長に選ばれた。市長としての彼女の仕事は、自治体内の飲料水供給の改善に重点を置いていた。

 

昨年市民革命(Revolución Ciudadana)党から大統領選に出馬したルイサ・ゴンサレス(Luisa González)候補は、このニュースを聞いてショックを受けたと語った。このニュースを聞いて「エクアドルでは誰も安全ではない。惨めな右翼政権が面白半分、見世物半分で生きている間、誰も安全ではいることはできない」と彼女はXに書き込んだ。彼女に続き同党で元大統領だったラファエル・コレア(Rafael Correa)も2つのメッセージを寄せた。一通は、「あなたにとってつらいことなら、あなたの家族がどれほどまでにつらいか想像できる」でもう一通は「本日、ブリジットが亡くなった。私は打ちのめされている。信じられない」と言うものだ。議会副議長のビビアナ・ベロス(Viviana Veloz)は、「殺人者の手は、あなたの笑顔も夢も決して消すことはできない。 不在国家はもうたくさんだ。 不罰はもうたくさんだ。 私たちは正義を求める」と投稿した。グアヤス県のマルセラ・アギニャガ(Marcela Aguiñaga)知事も正義を求める声に加わった。「胸が張り裂けそうなニュースだ。私が感じている痛みと怒りを表現する言葉がない。ブリジットのご家族とご友人に心からの抱擁を捧げる。今日、私たちはこれまで以上に正義を求める」。

 

 

共和国政府もまた彼女の死を受け「テロリズム、組織犯罪、政治腐敗との戦いにおいて、警戒を緩めることはない」と断言した。政府省と内務省のソーシャル・ネットワークでは、コミュニケーション局長のジャイロ・ロア(Jairo Loor)の銃撃によるしについても触れていた。政府は、両者の遺族に哀悼の意を表明するとともに、二重殺人の犯人を見つけるためにあらゆる手段を講じていることを確約した。政府によって非常事態宣言が発令されている最中におきたこの事件を受け政府は「治安と平和が達成されるまで」治安管理を強化するとしている。政府は犯人と首謀者を見つけるため、捜査の即時性を保証するすべての行動を実行するよう警察に命じたと言う。

 

両名の殺害は報道によると3月24日午前1時頃に行われた。武装した男たちが市長と広報部長の命を狙ったと言う。国家警察は両名の殺害車の外側からではなく内側から行われたと考えている。二人の遺体はマナビのプンタ・ナポと呼ばれるビーチでレンタルされた青いキア・スポルテージの中で発見された。警察は検察庁と協力し、所轄官庁に報告し捜査を続行するため、レンタカーとして記録されている車両のGPS移動の技術的ルートを分析中であると述べたている。

エクアドルではここ数年、政治家に対する武装暗殺スタイルの襲撃事件が多発している。市長や候補者は襲撃によって命を落とし、その中には何十人もの目撃者や巻き添えの犠牲者も含まれている。これらの犯罪に関与した犯人の一部は捕まっているものの、その首謀者のほとんどはまだ検事総長によって起訴されてすらいない。

2023年1月21日、サリナスのサンタ・エレナ(Santa Elena)市長候補フリオ・セサル・ファラキオ(Julio César Farachio)は、ホセ・ルイス・タマヨ(José Luis Tamayo)教区で選挙集会を開いている最中に、殺し屋に撃たれた。犯行に及んだのはバイクに乗った2人組の男で、彼を射殺した後、軽自動車を乗り捨て、待ち構えていたタクシーで逃走した。事件の数時間後、首謀者とされる男が逮捕されたが、暗殺犯は逮捕されていない。ファラキオは社会正義運動の候補者で、裁判弁護士として働いていた。

2023年2月5日(日)のマナビ県プエルト・ロペス(Puerto López)市長選挙で、41歳のオマル・メネンデス(Omar Menéndez)が当選したが、そのわずか数時間後に射殺された。人口約2万人のこの町で、市民革命候補は46.22%の票を獲得し、主なライバルである現市長ハビエル・ピンカイ(Javier Pincay)の21.41%を上回っていた。メネンデスが襲撃された事件では、16歳の少年も死亡し、他に2人が負傷している。

グアヤス県ドゥラン(Durán)のルイス・チョニジョ(Luis Chonillo)市長も2023年5月15日、殺されそうになった。ドゥラン-タンボ間で開かれた第1回審議会に出席した際、ドゥラン市長は、警察の戦術部隊が彼を安全な場所に連れて行くまで、なんとか逃げ延び、民家に隠れ込んだ。この事件で、2人が死亡し、他の人々が負傷した。

2023年7月23日の朝、マナビ県マンタ(Manta)でのスポーツ・イベントに出席していたアグスティン・イントリアゴ(Agustín Intriago)はライフルを持った男に撃たれた。イントリアゴはマンタで絶大な人気を誇っていた。わずか数カ月前、彼は60%以上の得票率で再選を果たしたばかりだった。この犯罪で6人が起訴されているが、判決はまだ出ていない。

大統領候補フェルナンド・ビジャビセンシオ(Fernando Villavicencio)も昨年8月大統領選のキャンペーン期間中に暗殺された(詳細はこちら)。8月9日、彼はキトの集会を出たところで銃殺された。選挙のわずか12日前の出来事だった。ビジャビセンシオの犯行で13人が起訴されたが、実行犯である6人は獄中で殺されている。

 

参考資料:

1. Asesinato Brigitte García: Figuras de la Revolución Ciudadana lamentan el asesinato de la alcaldesa de San Vicente
2. El Gobierno se pronuncia por el asesinato de la alcaldesa Brigitte García
3. Estos son los atentados contra alcaldes y candidatos en los últimos dos años en Ecuador
4. Asesinada a tiros una alcaldesa en Ecuador

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