エクアドル武力国内紛争:夜間外出禁止令の時間変更と空港へ行く時の注意点

(Photo:Fuerzas Armadas del Ecuador / X)

非常事態宣言が発令されてから2週間が経過した2024年1月23日午後、ダニエル・ノボア・アシン(Daniel Noboa Azin)大統領は、非常事態宣言における夜間外出禁止令の時間変更を指示した。この変更により、カントンの危険度に応じて異なる外出禁止スケジュールが設定された。これに伴い危険度の低いカントンでは、夜間外出禁止令は完全に撤廃されることとなる。

非常事態宣言は2024年1月8日に発令された。この発表は、同国の主要犯罪指導者の一人である通称フィト(Fito)の逃亡が確認された翌日に行われた。非常事態宣言が発令された数時間後、夜間外出禁止令がすでに発令されていたが、全国で複数の暴力事件が発生した。非常事態宣言は全国で60日間発令されている。夜間外出禁止令に加え、緊急事態は集会の自由や住居の不可侵などの権利を停止している。エクアドル国民の権利が侵害されていないことを確認するための審査はいまだ憲法裁判所によって保留されている。

本ブログでは24日から変更となる夜間禁止令に伴う外出禁止時間空港利用に際して気をつけておくべきことを記載する。

 

 

夜間外出禁止時間

危険度の高いカントン

夜間外出禁止令は午前12時から午前5時までと短縮される。当初の夜間外出禁止令(夜11時から)と比べると1時間短くなっている。該当地域は以下の通り。首都キトや第二の都市グアヤキル、一大観光地となっているクヤベノ国立公園への入り口ラゴ・アグリオ(Lago Agrio)、またの名をヌエバ・ロハ(Nueva Roja)、海岸都市マンタ(Manta)は引き続き高レベル危険地域とされている。

 

危険度の中程度のカントン

夜間外出禁止令は午前2時から午前5時に変更となる。クエンカ(Cuenca)、アタカメス(Atacames)、テナ(Tena)、カヤンベ(Cayambe)、リオバンバ(Riobamba)などが該当する。

 

危険度の低いカントン

残りの160カントンは夜間外出禁止令が解除される。主にチョルデレグ(Chordeleg)、グアランダ(Guaranda)、ラタクンガ(Latacunga)、サンタクルス(Santa Cruz)、サン・クリストバル(San Cristóbal)、イサベラ(Isabela)が該当する。最後の3つはガラパゴス諸島(Islas Galápagos)にある。

 

夜間外出禁止令の発令中に外出できるのは以下の人に限られる。

1. 医療、治安、法執行、道路緊急サービス従事者
2. 大統領府および副大統領府の職員。また、政府省、国防省、内務省、公共・国家安全保障事務局、自由を奪われた成人および青少年犯罪者のための国家サービス(Servicio Nacional de Atención Integral a Personas Adultas Privadas de la Libertad y a Adolescentes Infractores:SNAI)、国民議会、および国内に駐在する外交団に勤務する者
3. 職務を遂行するために、その時間に移動しなければならないことを証明できる公務員
4. 輸出を含む物流、もしくは生産チェーンに属する者
5. 空港および地方間公共交通機関において輸送・物流サービスを提供する者
6. 空港関係者
7. 司法手続きに行く弁護士
8. 移動の必要性を証明できるメディア関係者
9. 戦略部門の労働者

 

空港への移動で気をつけること

エクアドル最高民間航空当局である民間航空総局(DGAC)は、2024年 1月8日に発令された60日間の非常事態宣言を受け、国家警察と軍隊が乗客と行政職員の安全を守るための具体的な措置を発表した。1月9日より、エクアドルの国内および国際空港での取締りが強化されている。

エクアドルには22の空港がある。軍隊と国家警察は、旅客の入国管理、身分証明書と搭乗券のチェック、空港に入る前の車の抜き打ち検査、旅客と荷物のチェックなどを担当している。軍関係者によると、空港は「安全」な状態にある。一方旅行者は非常事態によって課され規則や条件に従って空港を利用することが必要だ。

夜間外出禁止令が発令されている時間帯においては、エクアドルの「すべての空港」において、空港に出入りする旅客は、旅券または身分証明書、航空券または搭乗券などの旅券を所持していなければならないつまり、門限時間内に離着陸しなければならない場合、自宅や空港に帰ることはできるが、旅行中であることを証明する書類が必要である。

 

旅行する場合は、利用する空港によって考慮すべき特別な規制や注意事項もある。多くの人が利用するであろうキトのマリスカル・スクレ国際空港(Aeropuerto Internacional Mariscal Sucre)の場合は以下の通りである。

  • 旅客はパスポートまたは市民権カードと航空券または搭乗券を持っている場合のみ入場可能
  • 乗客の送り迎えのために、家族やその他の訪問者がターミナルに入ることは認められない
  • ターミナルプラットフォームで人だかりを作らない
  • 荷物や手荷物を置きっぱなしにしない
  • いつもより多くの規制があることから、空港には早めに行く

 

グアヤキル空港、クエンカ空港、ホセ・ホアキン・デ・オルメード空港、マリスカル・ラ・マル空港などは以下の通り。

  • 搭乗者は、身分証明書またはパスポート、搭乗券、および同伴者のみと一緒に入国することができる
  • 同伴者はターミナルまで来ることが可能で、そこで別れることができる

 

夜間禁止令の緩和について語ったノボア大統領は「そうしなければ、観光業、中小企業家、起業家、経済全般に打撃を与えることになる」と語った。

#エクアドル国内紛争 #フィト

 

参考資料:

1. Este es el nuevo horario de toque de queda en Ecuador, con la semaforización
2. 
La semaforización para el toque de queda, explicada
3. 
Ir al aeropuerto durante el estado de excepción: nuevas reglas y consejos

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