エクアドル:ラッソ、大統領後、最後の大統領令となるかもしれないものに署名

(Photo:Presidencia de la República del Ecuador/Flickr)

任期満了を数週間後に控え、エクアドルのギジェルモ・ラッソ(Guillermo Lasso)大統領は、前大統領、副大統領とそれぞれの配偶者に対し、退任後の安全保障を提供する政令を発布した。11月7日(火)夜にラッソ大統領が署名した政令906号は、2021年の政権発足時に行った前大統領の警護と保護に関する変更を撤回し、公的資源の最適化と有効活用を目的としている。

それによると、エクアドル国家は「元大統領、元副大統領、およびその配偶者に対し、前者は最低2年間、後者は最低1年間、国内外を問わず、それぞれの選挙権の終了から起算して、保護と警備を提供しなければならない」という。この措置は、アルフレド・ボレロ(Alfredo Borrero)副大統領とその妻ルシア・パズミニョ(Lucía Pazmiño)にも適用される。

この政令の改正は、大統領官邸の保護情報総局が、元大統領、元副大統領、およびその配偶者に警備を提供することが重要であると提言した結果である。

就任以来、ギジェルモ・ラッソ政権は、504トン以上の麻薬を押収し、国内の犯罪グループと戦い、2023年4月の国家治安審議会(Consejo de Seguridad Pública y del Estado:COSEPE)の決定により、彼らを国家にとっての「テロリストの脅威」とさえ宣言した。

 

これらの保護期間は大統領官邸が作成することが義務づけられている危険報告書に基づいて延長される可能性がある。しかし今のところラッソと現大統領夫人は2025年末まで、ボレロとパスミーニョは2024年末まで保護されることとなる。

2021年6月15日には、大統領官邸が大統領と副大統領の家族や配偶者の警備を行わないことを定めた法令75号に署名した。その後の6月31日に署名した政令179号では、ラッソは前大統領と副大統領の国家安全保障を国内のみ、最長1年間とする政令を出していたが、これを自分がその立居場に立った時には変更し守られるように以下のようにした。

2021年6月15日付政令第75号第2条を廃止
2021年6月31日付政令第179号を廃止
 本政令の規定に反する、同等またはそれ以下の階層の他のすべての規則を廃止

 

元政府大臣で元議員のフランシスコ・ヒメネス(Francisco Jiménez)によれば、ラッソ大統領の決定事項の是正は目を見張るものであることに加え、国が直面している治安危機を考慮すれば、この措置は正当なものであるが、副大統領夫妻については、彼らが直面しているリスクを考慮する必要があるとのことである。「この措置は、この国が経験した暴力の観点から、大統領にとって正当なものである。副大統領および/または配偶者への延長は、それを正当化する具体的なリスク分析に従うべきであり、その時間も同様である」とヒメネスは説明する。ヒメネスはまた、法律で定められているように、大統領令906号は、ダニエル・ノボア次期大統領が必要と判断すれば、問題なく撤回することができるとも述べている。

この措置は、左派のラファエル・コレア(Rafael Correa)前大統領によって強く批判され、寡頭政治の「不誠実さ」の表れであるとされた。ベルギーに逃亡中の元大統領(2007~2017年)は、かつての盟友で後継者のレニン・モレノ(Lenín Moreno)が始めた司法迫害とされるものの対象となっているが、この措置に対してソーシャルネットワーク上で厳しく非難した。「これは、寡頭政治の不誠実さを如実に示している。彼らは私からすべての安全を奪い、私が受けた残忍な迫害と、この迫害がもたらす高いリスクをもたらした」とラッソは続けた。

 

これ以外にもギジェルモ・ラッソ大統領は同日、大統領令905号を通じルイス・ララ・ハラミージョ(Luis Lara Jaramillo)現国防大臣に勲章を授けることを決めた。国家元首は国家有功大十字勲章(Orden Nacional Al Mérito en el grado de Gran Cruz)を授与した。ララは2022年4月から国防省を担当している。軍事科学の学位と政治・安全保障・民主主義の高等ディプロマを取得。職業経験は36年。

ララが叙勲に値する理由としては、「大臣としての職務において特に国に貢献し、治安問題や組織犯罪との闘いにおいて重要な貢献をした」ことが挙げられている。

勅令は、ララがアルト・セネパ(Alto Cenepa)紛争への参加により、ナイトの階級で戦功十字勲章などいくつかの栄誉を受けていることを想起させる。

 

前日の11月6日(月)にも大統領は大統領令899号に署名している。これはエクアドル国家から認められた米国大使の功績を強調するこれはマイケル・J・フィッツパトリック(Michael J. Fitzpatrick)駐エクアドル米国大使に対し国家勲章オノラート・バスケス章を与えるというもの。

オノラト・バスケス国家勲章(condecoración de la Orden Nacional Honorato Vásquez)は、外交分野で国に関連した貢献をした国内外の著名人に授与される。勲章の中でラッソは、フィッツパトリック氏が「二国間関係の促進と深化、エクアドルと米国を友愛的に結びつける共通の目的と目標の達成に、積極的かつ傑出した貢献をした」と強調している。

35年以上の経験を持つこの外交官は、政治、経済、商業、文化の各分野における二国間関係への貢献が認められている。「彼は民主主義、法の支配、機能の独立性の尊重、エクアドルにおける開発の促進に尽力し、その擁護者であり推進者であった」と勅令は述べている。

マイケル・J・フィッツパトリックは、2019年から駐エクアドル米国大使を務めている。大使館のウェブサイトによると、彼は同年6月にキトに到着した。

彼は外交官としてのキャリアの中で、米国政府最高の民間キャリア賞である大統領特別功労賞(Distinguished Presidential Rank Award)や、報道・分析局長賞など約30の賞や栄誉を受賞している。また、大使館の公式情報によれば、米国外交サービス協会よりW・アヴェレル・ハリマン(Premio W. Averell Harriman)賞、エクアドルでは民間人最高の勲章である国家功労勲章(グランドオフィサー)を受賞している。

また11月6日(月)、ギジェルモ・ラッソ大統領は、技術的金融サービス(Fintech)の開発、規制および管理に関する有機法および個人データ保護に関する有機法を実施するための規則をそれぞれ定めた2つの政令903号および904号を発布している。

ギジェルモ・ラッソ大統領の任期満了まであと数週間となった。この政治家は11月末までカロンデレに滞在する予定で、任期終了の機会に最後の政令と思われるものを上述の通り発布した。

ラッソは自ら起こしたMuerte cruzada(差し違え)に関する別記事はこちらから。

 

参考資料:

1. Solo Guillermo Lasso, Alfredo Borrero y sus esposas se beneficiarán de protección del Estado cuando dejen sus cargos
2. Lasso se asegura protección tras dejar la Presidencia de Ecuador
3. Guillermo Lasso condecoró al embajador de Estados Unidos, Michael J. Fitzpatrick

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