コロンビア:続く偽造米ドル製造工場の摘発、逮捕されたのは

(Photo:Ejército Colombia)

コロンビア国軍は、コロンビア南西部カウカ(Cauca)県で、ドル偽造を目的としたギャングのメンバー5人を逮捕した。このニュースは先週の金曜日に流れたが、軍が逮捕作戦の詳細を明らかにしたのは10月23日のことであった。「米国政府を通じて、我々はコロンビアと米ドルの通貨偽造を目的とする危険なギャングを発見した」と、23日、カウカ特別司令部のフェデリコ・メヒア(Federico Mejía)は語った。逮捕はカルドノ(Caldono)市セロ・アルト(Cerro Alto)地区で行われ、現行犯で捕らえられた5人のうち、3人がエクアドル人、シチャク・スレンディ・サンティ(Sichak Slendy Santi)がいた。その他エクアドル人エバス・オルランド・カストロ・コルテス(Everth Orlando Castro Cortes)とオリベル・ニコラス・ベガ・マヤンチャ(Oliver Nicolas Vega Mayancha)でうち1人にはインターポールのレッド・ノーティス(赤手配書)がつくような人物だった。残り2名はコロンビア人だった。なおシチャク・サンティはエクアドルのパチャクティック(Pachakutik)のコーディネーター、マルロン・サンティ(Marlon Santi)の娘であった。このニュースは10月20日金曜日に流れたが、軍が逮捕作戦の詳細を明らかにしたのは23日のことであった。

「これは非常に重要な作戦だった。米国政府を通じて、我々は外国通貨偽造を専門とする危険なギャングを倒すことができた。我々は、彼らが非常に正確にこの通貨を偽造し、国際市場で気づかれないようにするための非常に精密な技術の要素を押収した」とコロンビア陸軍のフェデリコ・メヒアは付け加えた。

 

エクアドルの金融システムに投入する目的で一味によって作られていた。額面117万4000ドルの紙幣が製造されていた。このプロジェクトは司法省技術捜査隊(Cuerpo Técnico de Investigación Criminal y Judicial:CTI)および航空宇宙軍(Fuerza Aeroespacial Colombiana:FAC)と連携して行われたとコロンビア当局は語っている。シチャク・サンティ自体は10月17日火曜日からコロンビアの法律で6年から10年の懲役刑に処せられる通貨偽造の罪で裁判を受けている。ラジオ・カラコルによると、コロンビア軍関係者と司法省は、米国の協力を得て、カルドノ町の先住民地域にある工場を解体、異なる額面の米ドルプレート52枚と、貨幣を印刷するための機械3台も発見された。

エクアドルメディアTelevistazoが逮捕者の父親であり、先住民指導者でもあるマルロン・サンティに接触したところ、この事件には驚かされたという。というのも、娘に関する最後の情報は、国会議員を辞めて大学に通っているということだったからだ。コロンビアにいる2人の弁護士から情報を得るまでは本件についてはコメントしないという。

 

一方ポパヤン警視庁もカフカの首都の北に位置するヴェレダ・ラ・レホヤ(Vereda La Rejoya)にある物件で大量の偽造ドルを押収されたことを報告している。同時に押収されたのは、「麻薬を模したパラフィンのブロック数個、120包のドルが押収され、外傷性ライフル5丁が発見された」ほか、制服や通信ラジオなどの機器類であった。この地域で密会が行われているという通報を受けた当局は、作戦を展開。犯人たちはその場から逃走したものの、前代未聞の隠れ家を残していった。「軍隊とガウラとの共同作戦で、これらの犯人はラ・レジョヤの農村地帯で発見された」とポパヤン警察隊長のハビエル・ロドリゲス(Javier Rodríguez)大佐は語った。彼はまたこの組織的犯罪グループは、ドルの売買をシミュレートすることによって、他の犯罪者から金を詐取することに関与しただろうことを語っている。「彼らは偽ドルや麻薬の売買をシミュレートしていたと推測できる。彼らはまた、外傷性のライフルと私兵部隊の制服を持っていた」。

 

COVID-19の大流行を受け、エクアドルでは偽ドルの流通が急増しているという。非合法組織は小企業や違法な集金人を通じて偽札が持ち込まれているという。こうした中、国家警察、中央銀行、米国政府は、人々が偽造紙幣を見抜き、騙されないためのヒントを提供している。そのひとつに紙幣の質に気をかけるということがある。偽札は1米ドル紙幣やベネズエラ・ボリバル紙幣に偽造ドルを印刷することがあるという。また、紙幣の異なる透かしに気にすること。偽造ドルには透かしがないという。5米ドル紙幣には、右側に数字の5を示す透かしがあり、10米ドル紙幣と20米ドル紙幣の透かしは同じ場所にあるが、そこには文字の表面である。そのほか、偽造紙幣としては20米ドルが特に流通しているという。

国家警察の反犯罪旅団の作戦責任者であるサウル・ビジャフエルテ(Saúl Villafuerte)少佐は、もし偽紙幣を発見した場合には、使用すべきではないと言う。利用は詐欺に結びつく可能性もある。また、偽札を破ったり、穴を開けたりしてはならない。偽札の出所を捜査し、偽札専門のギャングを見つけるための手掛かりとなるかもしれず、警察に通報すべきであるとした。

 

10月22日(日)、逮捕劇が行われたコロンビのアカウカ県のトリビオの農村部では国家警察の警官2人が銃器で殺害されるという、治安部隊に対する新たな暴力行為が発生している。殺害されたのはパトロール隊員のイバン・カミロ・サンチェス・コネホ(Iván Camilo Sánchez Conejo)とレネル・アルベルト・モラレス・ルナ(Lener Alberto Morales Luna)だ。この情報は、トリビオの地元病院関係者が、詳しいことは明かさないまま、2人の男性の無残な遺体の到着を発表したことで明らかになった。国家警察は、「我々は現在、この不幸な事件の犯人を特定し、居場所を突き止め、逮捕するためにあらゆる能力を投入している」と述べた。「国家警察として、私たちは今日私たちの組織に追悼の意をもたらしたこれらの行為を断固として拒否し、この時私たちが付き添っている同僚の家族と連帯する」と声明で述べた。

 

その一方でコロンビア当局は彼らは笑顔を隠さないとして知られる通称ハチョ(Jacho)を捕らえている。

「ハチョことハミンソン・スミス・ヨテンゴ(Jáminson Smith Yotengo)は、フランシア・マルケス(Francia Márquez)副大統領の故郷であるカウカ県スアレス市において、FARC反体制派を連想させる横断幕を撤去していた国軍メンバーに対する武力攻撃に参加したとされている。また、2022年9月2日に同じ自治体のサービスステーション前で起きた殺人事件についても捜査されている」と犯罪組織との闘いを専門とするカルロス・ロベルト・イズキエルド(Carlos Roberto Izquierdo)は述べた。「この男は、銃器の保管だけでなく、犯罪組織の指導者たちが定めたガイドラインに反対したものを探し出し、収容所に連行しその後殺すことを担当していた」。つまり反体制派の犯罪活動から離脱した和平調印者を含む、選択的暗殺に参加した。これについて証拠も出ている。この国では、武装解除し一般人とともに暮らそうと努力する人が連続的に殺害されている(詳細はこちら)。

 

予備審問で提出された十分な証拠、供述書、証拠により、検察庁は告発を行っただけでなく、監督裁判官の前で、この容疑者を社会にとって危険な存在であると明確にみなし、身柄を拘束する必要性を主張していた。「検事総長の要請により、保障管理判事は、カウカ州北西部で犯罪を犯しているFARC反体制派のいわゆるハイメ・マルティネス戦線のメンバーとされる通称ハチョことジャミンソン・スミス・ヨテンゴ・ピノに実刑判決を下した」と検事総長はプレスリリースで述べている。逮捕された男は逮捕された時にも、そして加重殺人罪、加重共謀罪、加重銃器・弾薬製造・密売・携帯罪の裁判後にも彼は笑っていた。彼がなぜそのように常に笑っているのかは誰もわかっていない。司法の場で撮影された写真に残された笑顔をみて、彼が刑務所で過ごさなければならない確実で長い時間のために、嘲笑として、あるいは緊張の表現としてのものだろうと分析する者もいる。

 

参考資料:

1. Banda en la que está hija de Marlon Santi pretendía ingresar USD 1,2 millones falsos a Ecuador
2. Hija de Marlon Santi, coordinador de Pachakutik, fue detenida en Colombia por falsificación de dólares
3. Siete claves para detectar billetes de dólar falsos
4. Desmantelan banda extranjera que hacía dólares falsos en el Cauca; entre los capturados está la hija de reconocido líder indígena de Ecuador
5. Cayó banda extranjera que fabricaba dólares falsos en el Cauca, así era su impresionante operación
6. Lo capturaron por varios homicidios y se ríe en la cara de las autoridades. Así es alias Jacho, un presunto asesino de las disidencias de las Farc

1 Comment

  • miyachan 10/28/2023 at 15:30

    贋金をエクアドルに流す!そのやり方もあったのか。急増ですか。偽札の出来栄えが多少雑でも見つからない?偽札が増えれば流石にエクアドル人も注意すると思うけど、、、、

    Reply

Leave a Comment

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください