シエゴ・デ・アビラ(Ciego de Ávila)州モロン(Morón)市のコミュニティの女性たちの本質を描いたドキュメンタリー『ファンム・ゼットワル、人生と奇跡の物語(Fanm Zetwal, una historia de vida y milagros)』が、ラテン・グラミー賞の最優秀長編ミュージックビデオ部門にノミネートされた。
本ノミネートはシエゴ・デ・アビラだけでなく、キューバ文化全般にとって超越的な出来事である。作品はニコラス・ギジェン財団(Fundación Nicolás Guillén)とヤンバンボ音楽制作会社(productora musical Yambambó)、そして在キューバ・スイス大使館とスイス開発協力庁で共同で制作したもの。新しい世代に遺産を残すために、アフロ・ハイティアンの人生の物語を可視化する目的で作成された。監督はクラウディア・エルナンデス・ロメロ(Claudia Hernández Romero)でフランシスコ・ヌーニョ(Francisco Nuño)が製作総指揮 を担っている。
「ノミネートされたという事実だけでも、受賞に値する」と語るのはニコラス・ギジェン財団のラリー・モラレス・ロドリゲス(Larry Morales Rodríguez)理事長だ。アビラ出身者の彼は唯一、世界ヒスパニック作家同盟が授与するセサル・バジェホ2023年世界賞を受賞した知識人で、「ヤンバンボ・プロジェクト(proyecto Yambambó)」の創設ディレクターでもある。
ラジオ・モロンによると、「ファンム・ゼトワル」は、アフロ・ハイティアンの習慣、儀式、踊り、音楽を守り続ける社会文化プロジェクト「ヤンバンボ」の直接の前身である音楽・ダンスグループだ。
ヤンバンボ・プロジェクの一般的な目的は、ハイチ人アイデンティティと伝統を保存、普及し、そして文化遺産として責任ある管理を行い、芸術的・文学的創造、芸術鑑賞能力の促進を通じて、トゥエロのコミュニティにおける持続可能な地域開発を促進することである。プロジェクト・リーダーのエスペランサ・ダウディノは、料理、宗教儀式、伝統的な祭り、薬草の使用など、コミュニティ内のハイチ人女性の伝統を守り、家族や政治団体、大衆団体を巻き込むことだとその プロジェクトについて語っている。プレミアにノミネートされたドキュメンタリー作品もまた、彼ら習慣、儀式、踊り、音楽を通して彼女たちの物語を 伝えようとするものである。
10年以上前に結成されたファンム・ゼトワルは、ハイチ人一族の末裔で、祖先の音楽と踊りを忠実に守り、ヴォドゥの魔術的宗教体系とアフロ・キューバの宗教のリズムと歌を実践する、16人の力ある女性たちで構成されている。また、ファンム・ゼトワル(星の女性という意味)は、両親や祖父母から受け継いだ儀式である太鼓長者の太鼓を守るだけでなく、クレオール語でその歌唱を守り、女性の力と男女平等の擁護者という点でも注目されている。
11月16日に予定されているラテン・グラミー賞の授賞式は、アメリカ大陸以外で初めて、スペインのセビリアにあるパラシオ・デ・コングレソス・イ・エクスポジシオネス(Palacio de Congresos y Exposiciones)で開催される。
他の映画作品等の情報はこちらから。
参考資料:
1. Documental sobre Fanm Zetwal fue nominado a los Grammy Latinos (+ Video)
2. Documental sobre proyecto cultural avileño a Grammy Latinos
3. Agrupaciones cubanas alegres por nominación al Grammy Latino
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