コロンビア:名犬ウィルソン、独立記念日パレードに参加する

7月20日はコロンビアの独立記念日だ。例年通り、治安部隊によるパレードやさまざまなイベントがいくつかの都市で開催された。例年とは異なり、今回はメインの軍事パレードがサン・アンドレス島で行われ、グスタボ・ペトロ大統領が演説に立ち会った。

今年はいつもと違うことに、ウィルソンを讃えるパレードが行われた。ウィルソンとは、飛行機事故に巻き込まれた先住民の子どもを見つけ出す活躍をした名犬で、彼自身はまだ見つかっていない。飛行機が墜落した後、子どもたちはグアビアレとカケタの間のジャングルで迷子になっていた。

 

例えばトリマ県に位置するイバゲ市で行われた独立を記念するパレードにおいては、ウィルソンの山車が先陣を切った。ウィルソンの山車はパノプティコ文化複合施設からカレラ・キンタを通って42番通りまで行進した。パレードの途中、イバゲの人々は国民のヒーローを思い出し、彼の活躍を称えて拍手を送り続けた。

しかし、ウィルソンへの愛情はイバゲだけでなく、ブカラマンガ市でも顕著に表れており、軍用犬の写真と「ありがとうウィルソン」という短いメッセージが書かれた大きな横断幕が掲げられていた。この横断幕は軍隊によって運ばれ、イベントを見ていた一般市民たちからも深い感謝の気持ちが湧き起こった。

さらに、イバゲとブカラマンガに加えてボゴタでも、「オペレーション・ホープ」の追悼を兼ねたパレードが行われた。国軍の山車のひとつには、グスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)大統領から勲章を授与されたウィルソンの母親であるドゥルギア(Durgia)が乗っていた。グスタボ・ペトロ大統領は「国家とコミュニティの間には架け橋ができた。もはや、西洋の知識と伝統的な知識のどちらが重要かという議論はない。彼らは一緒に子どもたちを救出したのだ」とコメントしている。パレードには、対爆発物や麻薬、緊急時の救助活動を担当する学校のメンバーも参加した。

 

 

最近、首都バジェに位置するサンティアゴ・デ・カリ大学(Santiago de Cali)は、ウィルソンへのオマージュとして動物病院の開設を発表した。大学によれば、この学校の建設には8000万ドル以上が投資されている。このクリニックは、カリのクリストバル・コロン地区(コミューン10)に位置し、4階建てであり、科学と応用医学を融合させた最先端技術が備わっている。開業予定日は8月26日だ。サンティアゴ・デ・カリ大学の学長であるカルロス・アンドレス・ペレス・ガリンド(Carlos Andrés Pérez Galindo)は、「今日、愛するペットは家族の一員であり、彼らの健康を促進する場所を必要としている。この建物には、科学的かつ病理学的研究を行うための設備も完備されている」と述べている。

ペレス・ガリンドは、この動物病院に解剖学研究室を設置する予定であり、ウィルソンへのオマージュを込めたプレートも設置されると述べている。サンティアゴ・デ・カリ大学によると「このスペースは、全世界を感動させたこの作戦における動物たちのヒロイズムを不滅にするために特別に捧げられる」とのことだ。「ウィルソンは、その功績以上に、何週間にもわたって子どもたちの捜索に協力するなど、その知性に対するユニークな献身を示した。彼は犬と人間の歴史的な関係、友情の同盟を象徴しており、私たちはそれを世界に強調することが重要だと感じている。そして彼は子どもたちのために命を捧げたのだ」と、学長は述べている。

動物病院には最新の手術室2室、骨学、検死、麻酔前室、ワクチン接種、微生物学などの専門研究室が設置される予定だ。さらに、感染症、特に現在、谷の首都を襲っているジステンパーの流行に対処するための感染症治療専門のユニットも設置される。

ペドロ・サンチェス将軍は全国紙に対し「ウィルソンは我々のコマンドーであり、我々は全力を尽くし、彼を見つけるための努力を惜しまなかった」と言う言葉と共に、「ウィルソンは、命を捧げた他のイヌや兵士、警察官たちと同様に、私たちの心の中に記憶されることだろう。その存在が心からいなくなったときにこそ、あなたは存在しなくなる。何事にも終わりがあり、私たちは分別を持っていなければならない」と述べるとともに、ウィルソンを探すためにできることはすべてやったと語った。

これまでのところ、ジャングルの中で犬のウィルソンの痕跡は見つかっておらず、当局自身もウィルソンの所在を突き止めるのは事実上不可能であると指摘し、作戦を打ち切ったことは記憶に新しい。

 

なおカウカ先住民警備隊の一員ヘスス・ダグア(Jesus Dagua)は「ウィルソンは精霊への供物としてジャングルに残された。子どもたちと彼は交換された。霊的な会話を通じて、彼が抜け出すことを願おう。アマゾンの人々はすでにそれに取り組んでいる」と見つからないウィルソンを思い先日説明していた。

#Operación Esperanza

 

参考資料:

1. Video: así fue el sentido homenaje al perro Wilson en el desfile del 20 de julio
2. Drugia, mamá del perro Wilson, estuvo en el desfile militar del Día de la Independencia de Colombia el 20 de julio

1 Comment

  • miyachan 07/30/2023 at 04:03

    ウイルソン君の消息、続報ありがとう。やはり、猛獣か蛇などに襲われたのでしょうか?残念です。コロンビアの人々のウイルソン君への優しい想い、なぜか嬉しい。巨大なハリボテ?で行進したり100億円で動物病院を作ると言ったり、コロンビアは以前より平和になっているようですね。(麻薬組織の支配する危険な地域はまだなくなってないそうですが、、、)

    Reply

Leave a Comment

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください